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第23話 彼と鍛冶国家 ②

 護衛依頼の始まりだ。

 取り敢えず俺は、裏に回って不審者を警戒し、表は【武具使い】に任せる。


(てか今更だが中を護衛しなくても良いのだろうか...)


 依頼主から言われた通り外には居るが、普通は中を守る物じゃないのかなぁ...あ、中は中で別の人を宿っていr...


「おっと、早速ご登場かい」


 弓で隠れた所を狙い打つ。


「...!」


 そこから黒いフードを被った小柄な人が出てくる。


「やぁやぁ、君はどこからやって来たのかな?あ、別に喋って貰わなくてもいいよ、無理矢理聞き出すからね」


 何時も通り自分を演じて、相手に舐められない様にする。ちなみに鑑定を使えば分かると思うが、鑑定には少し集中しなきゃ行けないため、こう言う時には使えない。


「......殺す」

「おっと、返事を待たないのは良くないと思うんだがね」


 短剣を持ち、飛び掛かってくる。動きに躊躇などない、相手を殺す事だけに特化した動きだ。


「そうだね、今から面白いゲームを始めようか。今から僕が隠れるから、君はそれを見付けられたら勝利、その前にっておっとっと」


 格好付けて自分を偽って演技をするも、途中で遮られる。


「ちょっ!?せめて話しを聞いてくれよ!?」


 攻撃を避けながらも軽口を言うが、実は結構ギリギリで避けて居たりする。


「あぁ!もう面倒くさい!」


 偽るのをやめ、本気で攻撃を始める。

 無詠唱で相手の後ろにワープホールを作る。そして、相手に弓を撃つ振りをして、ワープホールで後ろから相手を射抜く。

 ちなみに、ワープホールと言っているが、良くある感じの黒い渦見たいな物は無く、普通に見えない物だ。矢も魔力で作っているから撃つ直前まで見えない。つまりとても強い訳だ。最強とかでは無い。

 相手は直前で気付いたのか身をよじって躱すが、脇腹に当たって穴が空いた。


「ぐっ...」


 少し怯むが、そのまま突っ込んでくる。


「はぁ、面倒臭い」


 俺は魔力で作る矢の数を十本程にして、相手を囲む様にワープホールを使い矢を放つ。


「死ね」

「...!?」


 相手は何とか致命傷は避けるが、太もも、肩、脇腹、すぐには死なないが今後の生活は少し厳しくなる場所ばかりに当たった様だ。


「これで終わりだな」

「...くっ殺せ!」

「......女騎士ですか」


 この世界でこんなこと言ってる人は始めて聞いたよ。


「顔だけ見せて貰いますねっと...女だったのか...」


 黒フードの正体は女性で、容姿は黒髪のショートヘアーの女性だった。いや、どっちかと言うと女の子の方が近いかな。美女とは言えないけどブスとも言えない感じの容姿だ。

 てかこの顔どっかで見たことあるな...


 ちなみに、さっきからこの人に集中して護衛を忘れてる様に見られてるかもしれないが、さりげなく時空間魔法の応用で、近くに人が来たら解るようにしてあるので大丈夫...だと思う。大丈夫だよな。大丈夫だ。


「名前は言ってくれるかな?」

「......」


 言ってくれないようだ。しょうがないな、悪役っぽい演技でもしますかね。


「言ってくれなくてもいいさ、その場合...中々良い体してるよね」「ヒッ」


 お、この感じなら行けそうだな。


「この拷問方法に君は耐えられるかな?ふっふっふっ」


 舌舐めずりをする事を忘れない。、


「...スズ・クロイ」


 ふむ、スズ・クロイか。...?、クロイ・スズ、くろい すず 黒井 鈴......あ、クラスメイトやん。


「黒井鈴、伊勢貝天成高校」


 単語を言ってみる


「...何処でそれを」


 反応した様だ。


「まいねーむいず、マモル・マミヤ」


 すっごい雑な英語で自分の名前を言う。


「...?......え」


 とても驚いたような顔でこちらを向く黒井。


「...彼はそんな顔じゃ無かった筈」

「整形したんでな」

「...じゃあこっちの人が知らないことを」

「攻勢と俺のペアでF&Bを優勝した。後、黒井に時々話し掛けてた、最初の話題は何故か人生について」

「...何でそんな事覚えてるの」


 いや、だって初対面でそんな話をする人を忘れない訳無いじゃん...


 転移前の高校では、攻勢の次に隣になる確率が高い人で、とても無口で何を考えてるのか良く分からない人だった。少し覚悟を決めて話掛けたら、言われた言葉が「貴方って人生をどう思う」だからね。何でだよ!?


「いや、だって初対面でそんな事言う人始めてだし」

「...あれは私の癖。私もその話題を出したら真面目に返されて凄い驚いた」

「そんな様子見せなかったけどなぁ...」

「.........(後好きな人に話し掛けられたのも驚いた)」

「ん?」

「所で何でここに居るの」

「え、あぁ、冒険者ギルドの依頼でな」

「...依頼主が会う人がどんな人知ってるの」

「知らん」

「...そう」


 なんでそう落胆されなきゃ行かんのか。いや、まぁ確かに調べなかった俺も俺だけどな。


「...ここは奴隷商、しかも違法の。相手は人を人形にして遊ぶ貴族。そんな人だからたくさんの暗殺依頼が来てる。だから邪魔はしないで」

「へぇ」

「...ムカつか無いの?」

「いやムカつくよ、ただ今は依頼中だからね」

「...依頼だからって何もしないの?」

「そうだね。俺はまだ依頼失敗とかをしてないから、一回でも失敗すると信用が下がっちゃうからなぁ」

「...最低」

「まぁ自分でも言っててそう思うけどね」

「...じゃあ何で」

「依頼だからだね、後、やろうと思えば依頼が終われば何時でも出来るからとも言える」

「......そう」


 そのまま帰ろうとする黒井。


「あ、ちょっと待て」

「......何」

「お前まだ続けるつもりはあるか?」

「...いや」

「じゃあ、『上級ハイ回復ヒール』」

「...何で」

「いや、歩くのもキツいだろ。それに、女の子をそんな状態にするのもなってな」


 何か凄いキザなセリフ言ってるな俺...


「......ありがと」

「おう」


 そのまま歩いて行く黒井を見送りつつ、俺は護衛を続ける。




無口なキャラの表現って難しいですね。

これで無口キャラになってればいいんですが...まぁ、違くてもそれはそれでと言う事で

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