三話
明らかに自分でもわかる
やりすぎだと、あんな至近距離で
二人は僕の魔法を目の当たりにして
大丈夫だろうか、こわがられるのでは
「急にクソでかい魔法ぶっ放すから
びびったぞ坊主!
あんなの打つときは先に言え!」
ですよね
「まあ坊主のおかげで助かったんだ
俺はリゲル、よろしくな」
「私はファマスだ
その、まあびっくりしたがひとまずありがとう」
前が騎士さんで後が商人?さん
ひとまず怖がられて近寄らないでくれ
なんてことにはならないかな
「すみません、僕はカムイと申します」
「おうカムイっていうのか
町の方で鐘が鳴ってたから
さっきのデカい音聴きつけて
きっと衛兵がこっちにくるぞ……」
「やめなさいリゲル
カムイくん、ほんとうにありがとう
君が居なければきっと僕らは
怪我していたことだろう
衛兵については僕がある程度説明するから
心配しなくていい」
おお、ファマスさん事情を
説明してくれるなんて
ありがたい
「ちょうどここを通りがかったものですから
お二人とも余波でその
怪我とかされてませんか?
まだまだ僕、魔法の操作が未熟で……」
「安心しろ坊主この通りピンピンしてるぜ
なんにせよ助けられたことには違いねぇし
俺からも感謝の言葉を贈らせてくれ
ほんとうに助かった、ありがとな」
リゲルさんちょっとこわい人かと思ったけど
いい人だな、そう思っていると
視界の端でチラチラ見えていた
衛兵さんが来たみたいだ
人数は三人ほど
さてどうなることやら