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聖遺録~紫現の剣使い~  作者: リパール
崩壊と共に
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五話 「魔力」

たまに書きます



「うんうん、すっごく才能あるよベルムは!

 教えた甲斐があったもんさ、僕の次に上手い」


目の前の人物が鼻をこすりながら笑顔でそう答えた。

手から出た小さな、あったかいもの。心もポカポカする。

それが魔法という摩訶不思議なものを使った最初の実感。

両親が旅に出てからメリークの家に預けられ。

初めて知った。

元気を出してもらおうと、小さな子供が考えた遊びだったのだろう。

炎。当時、加減が分からず、危うく家が大惨事の手前となり大人たちに止められたのだった。

その時から今まで魔力を込めることは無い。



「メリーク、ちゃんと生きて逃げただろうな…」


背中の熱さに耐えながら、昔を思い出し次の一手を思いつく。

と、三匹同時に、二足歩行の魔物が襲い掛かった!!


ありったけの魔力を込めて解き放つ。


使える右手をかざしながら。

驚いた。無理もない。


風のように吹き荒れる炎の舞。魔物全てを包み込んだ。


「きゃあ!!」


少女の声。

しまった、まさか巻き込んでしまったか。

違った、彼女は後ろから燃える炎に圧倒され尻もちをついていたところだ。

最後の一匹を倒し切ったところか。だが。

二人の男性はいない。



静寂。


辺りには生きた人間が二人。


死にかけの男と。男を見つめる少女。

虚ろな二つの水晶の中にパチパチと燃える揺れが入っていた。


取り敢えず・・・助かったみたいだな・・・あんた。


そんな言葉を投げかけて、目がうつろになる。視界が悪い。

どうやら身体も精神ももたないみたいだ・・・。

最後に綺麗な少女の顔を見る事が出来た。

それだけでも、抗った甲斐があったのかもしれない。


――ベルムは、暗闇に落ちた。




◆◆◆



時間は昼と見える頃、避暑地なのか一切の光が届かない…地下水路の流れる音を側に小汚いスペースがあった。

埃に満ちた箱が並ぶ最奥地…そこで最後の足音が止む。

12人、いや13人。1人増えたみたいだ。

どうやらこれで相当の数らしい。


黒フードを被る背の高い者を取り囲むように他の者は対峙していた。

大きな剣を腰に差した金髪の好青年、目が細く白い髭がピンと張った老人、弓を持つ黄色の髪の女等・・・やはり普通の人間達も混じる。



「お待ちしてましたよ・・・」


黒フードの指導者は、四日前に起こった殺戮ショーに姿を現さなかった1人に言葉を投げかけた。

そのものはどんな身なりをしているのか、誰も分からない。

にたりと口を緩めて周りを見渡し、彼?彼女?性別不明の影が言う。


「――いずれ滅びゆくニンゲンだ。

 帝王がじれったく行うより効率のいいもの。

 我らが先に頂こう。終焉を運ぶ導師達。その暁には我が国に歓迎しようぞ」





パチパチ、パチと数名の手の叩く音。

悪名高い笑い声も時折入り込む。


「同法の宿願、叶える時だ。

 今から伝達する。お前らの仕事を」


拍手がやんだ後、黒フードが再び口を開く。

揺れ動く事件の最中、何かが起こり得ようとしていたのだ。

それは、確実に・・・人類を滅ぶ策の類であった、が。

誰も止めることはできない。





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