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「大統領」
「どうした」
「どういうことですか、どちらへ向かわれていらっしゃるのですか」
「日本だ…何がだ?」
「今からあちらへ向かうと聞こえました」
「そうか」
「どういうおつもりですか」
「そのままだ」
「駄目です」
「何故だ。お前が決めることではない」
「あなたがいなくなったらどうすればいいのですか」
「ふん」
「そんなの一兵士に任せれば済むことです。大統領自らが出られるなどありえません」
「兵士は散々失った」
「まだ残っているでしょう」
「彼等の戦争は終わったのだ。いや、終わってはいないが、安息を得ている」
「意味がわかりません。どこへ向かっているのですか」
「日本だと言っている。…生きて帰れたと安堵したものに再び死ねというのか」
「独り身の者を選出すればよいでしょう」
「家族等の問題ではない。それに私が自分で行くと決めたのだ」
「っ、何故ですか!」
「これは義務だ」
「何を…!」
『…ヨォ』
『ああ』
『顔をォ合わせなるなァ初めてだな』
『そうだな。初めまして』
『ハイ初めまして。どォぞ、上がれヨ戦友』
『お邪魔するよ、日本』




