親友(女装)の噂
会話が多めになります。
どのキャラが言ってるセリフなのかわかりにくかったらすみません。
「長篠さん!好きです!付き合ってください!!」
「ごめんなさい。私、好きな人がいるの」
朝の教室、まだホームルームも始まっていない早朝に黒板の前に二人。
片や緊張した面持ちで告白の返事を待っている男子生徒。
もう片方は長い黒髪に無表情だが見る人を引き付ける美麗な顔を持つ女子生徒。
「なぁ、告白ってこんな朝から、しかも人がまぁまぁいる中でするもんなの?放課後の校舎裏とかじゃないの?」
「今目の前にあるのが事実だよ。というか案外そんなもんだったりするでしょ、ほら内輪ノリの勢いとか」
それとは別に教室の隅でコソコソと話す二人は…
片方は短髪の少しガタイが良い男子生徒で頬杖を突きながら珍しいモノを見る目をしている。
もう片方は瞳が小さい、いわば四白眼の多少目つきが悪い男子生徒が呆れた顔をして告白現場を見ている。
「そっ…か、あの、聞いてもいいかな、その、君の好きな人って?」
「別に構わないわ、ただ私も名前は知らないの。あの人は…」
「ガチか、普通に教えちゃうんだ」
「長篠さんの好きな人とか普通に気になるな」
「私よりも綺麗な長い黒髪で」
「ロン毛の男かよ、うちの学校結構校則厳しいから他校かワンチャン年上ありえるぞコレ」
「まぁ長篠さんレベルの美人だったら普通にありえそうだね。偏見だけど同年代の男子はガキだと思ってそう」
「目は鋭くて瞳が小さいのにその目は私の心の奥まで見ているようで」
「あれ?コレお前も当てはまるじゃん。心の奥なんちゃらは絶対無いだろうけど。うわぁ~ガチかよ、お前ワンチャン髪伸ばしてたらあったんじゃね?」
「いやいや、無いだろ…」
「そして何より、アナタのような軽薄な汚らわしい男から助けてくれた時の美しさ」
「うへぇ~、サラッと刺してるのコエー。というかようはナンパから救ってくれたのか。お前そういえばなんかよくわからん正義感で動くバカだからガチでワンチャンあったかもなぁ」
「まぁ、みんなの前で相手の都合考えずに告白は軽薄と言ってもおかしくは…ないのか?…というか普通に喧嘩売ってくるのなんなの?全然買うぞ?」
「あの時の夕焼けの時計台を背景に見たあの人は、あの人のように私はなりたいと思った程に、美しく、気高かった。」
「すげぇな、いつも無表情な長篠さんがちょっとキャラ崩壊してるぞ?どんだけイケてるんだよその男」
「…夕焼けの時計台前…いや…まさか…」
「あの人はここの学校の制服を着ていたからこの学校の”女子生徒”で間違いないわ。私はあの人を探しているの。だから見つけたらぜひ教えてちょうだい」
「へぇ~、この学校の生徒なのか………女子ッ!?…はぁ~、そう来たかぁ~。そういうこともあるんだなぁ。これが多様性か…」
「…」
「じょ、女子?」
「そうよ?悪い?私もあの人に会うまで知らなかったのだけれど。私はどうやら女性の方が好き…いや違うわね、あの人しか好きになれそうに無いみたい」
「あれ?どうした?顔色悪いぞ?」
「…いや、なんでもない」
「あ、あの!アタシも!多分、その人と会ったことがあって…」
ガタッ!っと音を立てて席から急に立った茶髪の女子生徒が声を上げる
「あら?もしかしてあの人のことを知ってるの?是非教えて欲しいのだけれど」
「い、いや、私も詳しくは知らないんだけど…アタシもその人に助けられた?っていうか…私が欲しかった言葉をくれた…アタシの憧れの人なの!」
「おいおいおい、ガチかよ。あの校則が厳しい中ギリギリを攻め、普通にアウトになることが多々ありちょいエロとして男子生徒から定評がある西野さんまでだとッ!!!?」
「…」
「ホントに大丈夫か?『なんで急に解説口調なんだよ!』っていうツッコミも無しだとオレがバカみたいだろ?」
「お前は元からバカだろ…いや…ホントに大丈夫だし何でもない…何でもないんだ」
「わ、私も、その人のこと、ちょっとだけ知ってる…」
少しざわついている教室内からもう一人声を上げる者がいた。
「アナタはあの人の名前でも何でも、知ってることがあるの?」
「ご、ごめんなさい。私も二人と似たような感じ…です。私の大切なモノを拾ってくれたお礼を言いそびれてて…」
「”似たような感じ”ねぇ…」
「ガチかよ、あの正統派美少女の真面目で誰とでも分け隔てなく接しくれる女神と噂され勘違い男子製造機の倉田さんまでぇ!!??」
「…ヤバい」
「そう、あまり欲しい情報はなかったけれど…そうね、アナタたち二人には後でまた話がしたいわ。昼休み、一緒に昼食でもどう?」
「アタシは構わないケド…」
「私も、問題無いです」
「なんかクラス、いやこの学校の美少女と言われてた人らがみんな一人のことを好きって漫画みたいだな。というか普通にショック過ぎる。くそぉ!!!付き合えるとは思っては無かったけどそれでも!それでもぉ!!!」
「発狂するのは後にしてくれ。発狂したいのは俺のほうなんだから…」
「?」
○○○○○○○○
朝からなかなか濃い時間を過ごした気がするが、普通に先生が来た後、普通にホームルームも終わり、授業も進み、普通に昼休みになった。
やはりあんな物語が始まりそうな感じがあっても当事者では無いオレたちはただの傍観者未満のモブなのであろう。
モブはモブらしくいつもの通り親友と机を並べ購買で買った弁当を食べるとする。
「この学校の弁当って少ないよなぁ」
「いや、ちょっと多いくらいなんだけど」
「ガチかよ。小食過ぎるだろお前、女みてぇだな」
いや、今のご時世、小食だから女みたいとは言わない方がいいのだろうか…
まぁ言ってしまったのはしょうがないのでオレは冷たいトンカツを口に運ぶ
「あ~あ、せっかく高校デビューとして校則のギリギリを攻め、ピアスやら髪やら弄ったのに美少女三人組は百合展開に行ってそうだしよぉ~なんだかなぁ~」
「まぁ、お前より校則攻めた人がいるしな。お前のダメなとこが出たんだろチキン」
「ふぁッ!!?オレが食ってるのは豚なんだよぉ!!」
アレ?そういやオレは高校デビューとしてツーブロックピアスマンになったわけだが…
そんなオレの親友であるコイツも強制的に”デビュー”をさせたことがあった
「いやぁ~そういやお前のアレ、以外だったよなぁ。まさかお前の”女装”があんなに似合うなんてなぁ」
ビクッ
「まさか初めてのデートが女装したお前とは思わなかったぜ」
「…」
「姉の制服借りたって聞いた時はちょっと笑っちまったけどよ、お前の姉ちゃんちょっと怖いもんなぁ」
「…」
「あんなカツラとちょっとしたメイクぐらいでなぁ………………あ?」
さっきから目の前の四白眼野郎が変な挙動をしたと思えば黙りこくって俯いてしまっている
………。
いや、何故すぐに気づかなかったんだオレ?いや、まさか、まさかそんなことは…。
「そ、そういや、あの日、お前イイこと一杯したって言ってたよな?」
「…いやぁ?…」
「ちょくちょくどっか行くからお前のこと探しまくってたの覚えてるぞ」
「…」
「見つけたら、やれ初めてナンパから女性を助けたやら」
「…やめてくれ…」
「やれカッコつけてクサいセリフ言っちまったやら」
「…言うな…」
「落し物届けたから良いことあるぜやら」
「…あばばばばば」
「ぜっっってぇぇテメェじゃあねぇかッ!!!!!!!!」
「ぐああああぁぁぁぁぁあぁああぁああぁあ!!!!!!!」
教室の端っこ、窓際の席で仲良く机を並べ、仲良く奇声を上げる男子生徒が二人。
片や茶髪をツーブロックにし、申し訳程度の透明ピアスをつけたガタイの良さが唯一の取り柄の男
二子玉 恵怒
片や黒髪を乱雑に伸ばしその目は四白眼の目つきが悪い男
雄神 竜人
これは一人の女装男子が美少女に振り回される物語…を、
その親友が時に割り込み、時に巻き込まれ、時に誰かに惚れられるかも?しれないラブコメである。
自分、男の娘も女装男子も男も好きなハゲです。
女性キャラも一応好きです。
大好物はブロマンスとヤンデレです。激重サイコー!!!




