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第五話 其の五
第五話 その四の続き。
この事件から異週間後、意識が戻った彩は「ショック性色盲症」と診断された。
その時の彩の顔には内向きな表情以外、何もなかった。
以来、彼女は笑いもせず、泣きもせず、怒りもせず
さらには、以前のように自分から話すことさえなくなった。
家族は心配していたが、彩はいつも通りに行動をして生活をしていた。
しかし、学校に行っても一人でいることが多くなり、友達とどこかへ行くこともしなかった
自分の罪悪感に押しつぶされて、自分を虐げることしかできなかったのである。
学校では、彼女は授業で指された時だけ発言し、それ以外の場面では一言も喋らない。
家でもそうだ。
必要なことだけ話して、自分の部屋に戻る。
世界の色どり(有彩色)がなくなったように、彩も自分の色どり(感情)を無くし、真っ黒な渦の中に元の自分を閉じこめたのである。
要するに、自分の性格を封じ込めたのだ。
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そして彼女は、毎年ハロウィンの日が来るたび、しおれた彼岸花を姉の墓に添えることを繰り返していた。
(続く)
次回更新:十二月二十三日




