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第五話 其の一
シリーズ最新作。
あの日から、私は色を感じなくなった。
空の色も、地面の色も、生き物の色も
全てが、無彩色に見えた。
「ショック性色盲症」
それはある出来事が引き金になって、それ以降一時的に、周りの色の判別ができなくなる病気。
同時に、患者は無感情になる。
病人には世界は無彩色で彩られているように見える。
私には見えなくて、みんなには見える。
私には感じれなくて、みんなは感じる。
私はみんなが羨ましかった。
私ももう一度、色を見たい。
もう一度、感じたい。
そう思っていた。
そしてついに私は、色の感覚を取り戻した。
あの人と出会って。
(続く)
次回更新:十二月十七日 午前0時




