第5話
駐車場に着きバックでいつもの場所に停める。
時刻は8時3分。
「あと……10分か」
出勤アラームを8時13分にセットしているためその時間までは目を瞑り仮眠か文庫本を数ページ読むかのどちらかだ。
ん? スマホが死んでたらアラーム鳴るはずがないじゃないかって?
それがあるんですよ。仕事用にガラホちゃんが1台。
スマホだと地面に落下させて画面粉砕、操作が出来ません! なんてこともあるけどガラホちゃんは逆パカさえしなければお亡くなりになることもそうそう無いでしょう。
それにバッテリー持ちもスマホに比べれば使用頻度が少ないため2日ほど充電しなくても大丈夫、という点から会社にはスマホとガラホを持って出勤している。
今日は少しでも気を紛らわせるため小説を読むことにした。
小説を読んでいる時間だけは現実世界から乖離されている気分だ。
ブルーな気持ちが少しばかり落ち着いていくような気がした。
ピピピ! とアラームが鳴り出勤時間を告げる。
読んでいたページに栞の千円札を挟み車に鍵をかけタイムカードを押しへと事務所に向かう。
すれ違う人に「おはようございます」といつもと同じように挨拶を交わし課長や事務員のいる場所へと向かう。
「おはようございま~す」
「おう、おはよう」
一応社会人として……いや、人として最低限名前は知らないとしても挨拶くらいはしておかなければと思い挨拶はしている。
挨拶を終えたらアルコールが体内に残っていないかをアルコールチェッカーに息を吹きかけて検査する。
息を吹きかけるとピー! という機械音が流れ呼気中のアルコール濃度が表示される。
数値は0.00mg/l。
当然だ。前日に養命酒のみしかアルコール類は口にしていないため体内のアルコールはすべてなくなっている。
「う~っす!」
「うっす!」
いつも朝、顔を合わせる先輩だ。くだらない雑談をして朝礼までの時間を潰す。
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