第4話
本来ならアラームが鳴ってから目が覚めるはずなのだが昨日のGooglepixel5aちゃんご臨終事件のせいでアラームが鳴るより早く目が覚めてしまった。
それ故にしっかりと眠れた気がしないし、心なしか体が重い気がする。
体調不良という名目で休みたい気持ちもあるが……そのために貴重な有休を使うのは正直勿体ない。
仮に有休を使ったとしても携帯会社には行かないとどうすることもできないため外に出るなら会社帰りに寄ってくればいいだけの話だ。
移動、休憩時間含め約10時間程度の拘束。
その間だけスマホから乖離すれば解決する。
私が勤めている業務は配達業で、仕事中にイヤホンで音楽を聴けないのと知らない場所に配達へ行く場合地図アプリを使えないのが問題だ。
今日の勤務は初めての配達場所がないことを願うしかない。
仮にあったとしたら……その時はその時に考えることにしよう。
仕事着に着替え愛車のTodayのエンジンをかける。
サイドブレーキを降ろし、ギアを1速に入れアクセルを煽りエンストしないように発進する。
出勤中、いつもは音楽をかけて気分を上げているのだが今回は音楽を流すことはできない。
運転席の窓を手が出せるくらい開け、ピラーについているアンテナを伸ばしラジオを付ける。
『ジジジ』というノイズのあとにニュースが流れ始めてきた。
配達中にオールナイトニッポンという深夜ラジオを聴くことはあるが朝のラジオ番組を聴くことは滅多にない。
いつもの出勤ルート。
いつもなら好きなアーティストの歌声が車内に充満するのだが本日は少しノイズが交じったラジオの音声が車内に充満する。
「悪くないな」
ぼそっと独り言をつぶやきギアを上げてアクセルを煽りスピードを上げる。
昨日起こった事件やニュース、天気予報などラジオを聞いてなかったら知りえなかった情報が脳内に入り込んでくる。
たまには出勤の車内でラジオを聞くのいいかもしれない。
特に配達業をやっている私にとっては天気はなかなかに重要な項目の1つになるからだ。
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