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旅館に泊まったはずなのに…。

作者: 神名代洸

旅行に行った時、たまたま泊まった部屋で不思議なことが起きた。

初めは入るのはやだと思ったんだ。何故かはわからないけれど…。

不気味な何かがそこにいる気がした。

でも見ることはなかったから気のせいかなと思うようにしていた。

今日はダチとグループで泊まってる。

男女別々の部屋だ。

僕は我慢すればいいだけだけど女子達の方は大丈夫かなぁ?

そもそもこの旅館…噂では出ると言われている旅館で、どの部屋でも怪現象が起きるらしい。らしい…だから確証はない。だけど、心配だなぁ〜。まぁ、僕の彼女…なんてのはいないから心配するまでもないか。

なんて一人で頭の中で完結していたら、女子のグループが僕らの部屋にやってきた。どうやら何か感じたようだ。

一人霊感を持ってる子がいるんだ。

その子が言うには落武者が刀を振り上げようとしながらこちらにやってくるらしい。それは怖いわ。

と言ってもこの部屋もなんかいるんだよね〜。

旅館の人は慣れっこなのか、適当な相槌しかしてくれない。

なんて旅館だ。

帰ったらホームページの一言欄に苦情を入れてやる、って思ってた。


ゴーンゴーンゴーン。

古時計の大きな音がどこからか聞こえてくる。

1時間ごとにこの音量で聞かされたら寝られないぞ?きっと…。



みんなそれぞれが二人三人と固まって寝ることにした。そしたらなんと僕だけあぶれてしまって一人で寝ることに…。そんなのありか?

だけどみんなもう眠りについたのか反応がなかった。

僕は仕方なくなるべく人がいる場所の方へくっついて寝るようにした。

だけどなかなか寝られない。

夢を見そうな時に肩を叩かれた気がした。

僕は体勢を立て直して反対を向いて寝つこうとした。そしたら今度は何かが頭から垂れてる感じがして気持ちが悪くなり起きてしまった。そこには顔を真っ赤に染めた落武者が立っていた。

怖くて叫んだが、誰一人として起きてくれない。そんなのありか?

仕方がないので何人かの肩を思いっきり揺すって起こすことにした。すると目覚めて最初の言葉が「ギャー!!」だった。

他の男子もそうだった。その声にビックリして女子が起きてしまい、落武者の姿を見て叫び声を上げた。

皆その場から一斉に逃げ出した。

建物から逃げようとしてドアを開けようとするもドアが開かなくて泣き喚き出すものも出る始末。

もう地獄だった。


その日の夜は結局寝ることができず、朝まで起きてることにした。

だけど結局睡魔に負けて眠ってしまい、目を開けた時に見た光景は驚く場所に僕らがいると言うことを見せつけられた。


ここは荒れた墓地の中だった。

周りは雑草だらけ…。

皆服に土がついていた。

持ってきたもの全てが土の上にポツンと置かれてて現実をまざまざと見せつけられた。


「こ、ここ、何処?なんで?確か旅館にいたんじゃなかった?」

「そうだ、確かにみんなで旅館にいたはずだ。でもここはどう見たって墓地じゃないか。噂は本当だったんだ。」

そう言いながら項垂れかかっていた男子達を横目に僕は周りを探索しはじめた。

確かに旅館の看板があったのだ。だとしたら何処かにあるはず。

恐怖はもうなかった。

ただ単純な好奇心を満たすためだけに動いてた。

枯れ草が行手を遮る。

それでも僕一人でも探し続けた。そしてようやくそれを見つけた。実際にあったんだ。

旅館の看板を見つけたんだ。みんなに見せたらいろんな反応を見せる。


「ま、マジか…。」

「じゃあここが本当に噂の…?」

「マジありえない。リアルガチなんて最悪じゃん。」

「やった!見つけたんだ。噂の場所だったんだな。ヤッホー!」「あんた馬鹿じゃない?」

「何だと?」

「考えても見なさいよ。ここ一体どこの墓地よ。携帯は圏外だし…。どうやってここから出るのよ。」

「それは…モゴモゴ…。」

「ほれみなさい。そこまで考えてなかったの?」

「いやぁ〜、まさか当たりを引くなんて思わなかったからなーんにも考えてなかったわ。」


僕はもしものためにとこの辺だろうと言うあたりをつけて前もって地図をコピーして持ってきていたのだ。それはまだ誰にも気付かれてない。言うべきか、言わざるべきか…。


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