第9話 神と悪魔について聞いてみた(1)
「日月神示には神様、悪神、邪鬼、大蛇、悪狐という存在が出てきますけど、これらはどのような存在なのでしょうね?」
今回は、そんな疑問に関する話題である。
『地球周辺の主導権を争っている、五つの宇宙人勢力だ』
「霊の世界の領有権争いですか?」
『いや、むしろ物質世界において争ってると思っていい。今の地球はオリオン腕から銀河系の中央へ向かう星間交通の要衝にあるからな。それを狙う宇宙人勢力と、その背後にある霊的な存在が地球で衝突してると考えていいだろう』
「なんか、ややこしい話になりそうですね」
『まず、きみたちが神様と呼ぶ存在だ。宇宙人論ではプレアデス人とか、リラ星人と呼ぶ存在だな』
「スピリチュアル系の本や宇宙人論にある話は、ただの都市伝説ではなかったんですね。とすると地球人にとっては、宇宙人が神様なんですか?」
『いや、それは違う。地球人類は宇宙から来たプレアデス人の末裔だ。だから地球の神々もプレアデス系だが、多くは地球で生まれ育った魂が成長して神となったものだ』
「それだとダーウィンの進化論は?」
『少なくとも宇宙から地球へ持ち込まれた生き物──人間、カンガルー、とうもろこしなどに関しては、完全に間違ってると思っていいぞ』
「え? 今の人類は宇宙から来てるんですか?」
『そうだ。そもそもプレアデス人は何百万年も姿が変わってない。今も子孫が残ってるプレアデス人で地球にもっとも古く来たのは、一三五万年前にオーストラリア大陸──正確には当時はパプアニューギニア島と陸続きで、内海になっていたアラフラ海とカーペンタリア湾の沿岸地域に降りた移民団だ』
「今の科学的な解釈では、ホモ・サピエンスが生まれたのは一九万年前のアフリカで、人類がアフリカから出たのはどんなに早くても一八万年前と言われてますけど……」
『それも大間違いだ。この移民団が作った文明はその後の巨大隕石災害で滅びたが、生き残った子孫が今もアボリジニとして続いている』
「ミシェル・デマルケがティアウーバ星人に聞いたという『超巨大宇宙文明の真相』の中に書かれていた話。あれは本当だったんですね」
『それに今に続くホモ・サピエンスはアフリカで生まれたんじゃない。紀元前二〇五、七五〇年頃にレムリア大陸に降りて、そこに文明を築いた移民団だ。このレムリア大陸は近年見つかったジーランディア大陸のことで、やって来たのは琴座のヴェガ星からの移民団だぞ』
「ニュージーランドの周りにある海底大陸。竹内文書ではタミアラと書かれてる大陸ですね」
『二〇万年前に移民団が来たのは、この頃から地球のある場所が星間交通の要衝になったためだ。そのため多くの星系から来たプレアデス人が行き交って、一〇万年前──前の間氷期の時には、地球はこの宇宙の一角ではヴェガ星に次いで高い文明度を誇っていたんだぞ』
「首都は大陸の南西端にあるサバナサと言われてますけど……」
『その通り。サバナサは標高三〇〇mの高台にあって、都には高さ四四〇・〇一mのピラミッドが築かれていた。海沿いには三重の環状運河に囲まれた大きな港が作られて多くの船が出入りし、すぐそばには宇宙港があって外宇宙とつながっていたんだ。この遺跡は今も海底に眠ってるし、当時の記録もまだ未発見のものを含めて、日本の宮城県、福島県、長野県、鳥取県、大分県、宮崎県にある神社に隠されているから、そのうち見つかるかもしれんぞ。もちろん記録は海外にも隠されていて、エジプトのスフィンクスの地下、エチオピアや旧アステカの古代神殿、ブラジル、アルゼンチン、チチカカ湖周辺から、そのうち出てくるだろうな』
「いきなり予言めいたことを言わないでください」
『それで今の地球の神々は、その時に移民団と一緒に移ってきたんだ』
「じゃあ地球には、神様たちが来る前は、神様と呼べる存在はいなかったんですか?」
『いや、いたぞ。今は自然霊と呼ばれている霊たちだ。今はその者たちを合わせて国津神と呼んでいる。それ以外に宇宙には天津神がいる。ちなみに今の地球を見守っているのは穏健派の神が中心だ』
「穏健派? 神様にも派閥争いがあるんですか?」
『そりゃあ、あるさ。最近のスピリチュアル系の言い方を借りれば、地球人類を守ろうとするポジティブな勢力と、地球を悪魔ごと滅ぼして切り捨てようとするネガティブな勢力だ』
「滅ぼすって、穏やかな物言いじゃありませんね」
『ホント、最近もネガティブな連中の暴走で、もう少しで地球文明が惑星ごと破壊されるところだったんだぞ。ギリギリのところで回避されたが、まったく冗談じゃないよ』
「何があったんですか?」
『きみたちがオウムアムアと名づけた飛翔体があっただろ。あれ、自然の天体じゃなくて惑星破壊ミサイルだぞ』
恐ろしい話を聞いてしまった。
『まったく、これじゃあ、どっちが悪魔かわかんねーよ。それにポジティブの中にも積極的に悪魔勢力と戦おうとする主戦派がいるし、プレアデス系の神だからといって、特に天津神は一枚岩ではないんだよなあ』
「そう……ですね……」
なんとも反応に困る話だ。
『神についてはこのぐらいにして、次に悪魔の話をしよう。前々から地球を管理してる存在を神とすると、それを乗っ取ろうとする存在が悪魔だ。何度も言ってるが、今の地球は星間交通の要衝にある。そのため四つの勢力が、あわよくば横取りしようと暗躍してる状態だ』
「それが四つもあるんですねぇ」
『これを日月神示に出てくる順番に触れていこう。まずは悪神だ』
『悪神は宇宙人論では、グレイ型宇宙人とかオリオン人、イーブ人と呼ばれている存在だな。彼らの語る歴史が本当なら、オリオン人は八〇兆年前に宇宙進出を始めて銀河を次々と侵略していき、現在は彼らの知る宇宙空間の四分の一を支配下してると語っている』
「八〇兆年前? あのぅ、この宇宙は一三八・二億年前のビッグバンで始まったと言われてるんですが」
『その仮説は間違いだ。そのオリオン人が初めて地球へやって来たのは四〇万年ほど前だろう。おそらく天の川銀河へ侵攻する前に、偵察に来たのだろうな』
「あ、ビッグバンについて聞く前に、先へ進んじゃった……」
『それで地球を侵攻ルートに決めたのは、おそらく紀元前九万三千年頃だったろうと思われる。この頃の地球ではレムリア文明がもっとも栄えていた。それが侵攻の邪魔になると考えたのだろうな。レムリア文明はそれから六回もの危機的な天変地異に見舞われて、最後は紀元前一〇、八九〇年頃、大陸が海に沈んで滅ぼされてしまうんだ』
「レムリア文明の勃興から十数万年は、危機的な天災は起きなかったんですか?」
『一応、最近一億年で最大の氷河期となったリス氷期には見舞われているが、なんら問題なく乗り越えているぞ』
「なんか二度の気温変化で騒いでる今の文明がバカみたいに思えますね」
リス氷期はもっとも広い面積が氷河に覆われた期間で、海岸線が現代よりも二〇〇mも低くなっている。氷河期が始まる前の地球の平均気温は現代よりも四度高く、もっとも寒い時期はマイナス九度だから一三度の気温差だ。
ちなみに最終氷期は前の間氷期と最寒気の気温差が一六度もある。
『そして地球の超古代文明が滅びたあとの紀元前八、〇〇〇年頃、オリオン人の遠征部隊が北斗七星の柄のあたり、先から二番目のミザールの方角から天の川銀河の侵略を始めたんだ』
ミザール。隣にアルコルという小さな星があって、それが別名死兆星と呼ばれる、見えたら死ぬという伝説のある星だ。もっとも、ちょっと目のいい人なら見えて当たり前の星。本当はそこから悪神の侵略が始まったので、そう呼ばれ始めたのかもしれない。
『オリオン人はルート上にある星を次々と侵略し、紀元前六、八〇〇年には天の川の銀河平面に到達する。そこから侵攻ルートを銀河中心に向けて、地球へは紀元前六、五〇〇年頃にやってきたようだ』
「神様はその侵攻に気づいてたんですか?」
『天界の神のことはわからんが、おそらく気づいてなかったんじゃないのか? オリオン人はヒマラヤ山脈の西側──カシミール地方に三千人が常駐する前線基地を作るんだ。プレアデス人の陣営が外宇宙からの侵略に気づいて前線基地を急襲したのが紀元前六、一七八年。これが宇宙人論でよく聞くオリオン大戦の始まりだ。この時の戦いを地上から見た様子は、インド神話で語られているぞ』
「オカルト系で有名なオリオン大戦って、地球で始まってるんですか?」
『そうだ。しかもほとんどの戦闘は、地球を中心とする半径一七〇光年の範囲内で行われている』
「マジ……。ですか?」
地球は宇宙交通の要衝にあるから、その領有をめぐって周りでドンパチやられるのは当然の結果だろうか。
『とにかく、こいつらが宗教的にいう失楽園事件や、日月神示にある最初の岩戸閉じ事件を起こして地球人の意識を神の世界から切り離し、地球の霊格カテゴリーを地獄レベルに落としたのは事実だ。だから今の地球にある宗教のほとんどは、このオリオン人を「悪魔」として伝えている。天界の神たちも三千年前までは、そういう認識でいたようだぞ』
「認識で? じゃあ、今は違うんですか?」
『オリオン人が悪魔の一つという見方は変わってない。だが、今の地球人にとってはオリオン人は放っておいても問題ないと思うんだ』
「それは、どういう意味ですか?」
『簡単に言うと、オリオン人は侵略したあと、その惑星を植民地支配する。これだけ言うと恐ろしい話だが、オリオン人がやるのは霊格カテゴリー三の植民地支配だ』
「それは、何が違うんですか?」
『わかりやすく言うと、地球人の考える植民地支配は利益を根こそぎ奪い取り、反抗する者は皆殺し、残った原住民を奴隷のようにこき使うものだ。これは霊格カテゴリー一の植民地支配だぞ』
「じゃあ、間のカテゴリー二は?」
『宗主国は利益を独占せずに植民地にも還元し、必要ならばインフラ整備をして経済発展させてやるやり方だ。こうすることで長い目で見るとカテゴリー一の植民地支配よりも多くの利益を得られるし、植民地の人たちも繁栄を実感するから反抗する気持ちが芽生えにくいんだ』
「狡猾ですね。地球上で、そういう支配をしてるところってあるんですか?」
『何を言うか。戦前、日本が朝鮮半島や満州でやってたことじゃないか。あれが霊格カテゴリー二の植民地支配だぞ』
「え? あれも一応、植民地支配なんですか?」
『当たり前だ。それに中央集権色の強い国における首都と地方の関係も、霊格カテゴリー二の植民地支配と同じだ。ただこの支配方法は長い時間で見ると中央に富が集まってしまうので、やがて植民地から不満が出てくる。霊格カテゴリー三の植民地支配はそういう富の集中を起こりづらくし、いつまでも不満を抱かせない巧妙な支配方法なんだよ』
「想像できませんね。もしかして天国ですか?」
『今の地球人のレベルで考えたら、支配された方が間違いなく天国かもな。だから今は放っておくんだ』
このあたり、著者の想像力が追いつかないためにダウジングで手法を拾い出せない。
『それでも霊格カテゴリー三はまだ神の世界から分断された地獄の一段目だ。だから神の目から見たらオリオン人は悪魔で間違いない。そのところは忘れないでくれ』
「なるほど……」
『それでも神は地球が霊格カテゴリー三に戻るまでは、オリオン人と手を組むと決めた。これは日月神示の中でもほのめかされてる。だから悪神だが、今は味方だ。おかげで、ややこしいことになってるがな』
「たしかに元は侵略者ですもんね」