第49話 UMA──未確認生物について聞いてみた
前回からまた時間が空いたので、たまには日月神示から完全に離れて、UMA──未確認生物の話題にでも興じてみようと思う。
そのUMAの中でも有名なものと言ったら、ネス湖のネッシーだろう。
というわけで、
「守護神様。ネス湖のネッシーって、実際にいますかね?」
『いるぞ。あの湖には大きな生き物が隠れ棲んでる』
「おお〜っ! それは首長竜ですか?」
『は? そんなものが現代まで生きてるわけねーだろ』
「いないんですか?」
『そもそもネス湖は一万年前まで氷の下にあったんだぞ。そこに古代生物が棲んでるはずねーだろうが』
あ、氷河期……。
「でも、ネッシーは実在するって……」
『それはいるぞ。でっかいナマズだ』
「ナマズ……。ダウジングの失敗……かな?」
ダウジングは正しくイメージして質問しないと、間違った答えが返ってくる。ネッシーはいるけど、それは首長竜ではない……ということか……。
『こらこらこら。ナマズで間違ってないぞ』
ダウジングを切り上げようとしたら、守護神様がツッコんできた。
『きみがイメージしてるナマズは、日本でイメージされる頭の大きな姿だ。俺が言ってるのは体長6mを超える大蛇みたいに長い大ナマズだ』
たしかにナマズの姿に関するイメージが間違っていた。
「ヨーロッパオオナマズとか……ですか?」
『種類までは知らん。……って、どんなナマズだ?』
「えっと、こんなの……」
PCでネット検索して、ヨーロッパオオナマズの画像を見てイメージを守護神様に送る。
『う〜ん。似てるけど俺には断定できん。ネッシーの話題はこのぐらいでいいか』
……ここで話は終わってしまった。
「じゃあ、日本のUMAの代表、ツチノコはいますかね?」
『おお、それならいるぞ。あれはマムシだ』
「生物学者が「ヤマカガシの奇形じゃないか?」って言ってますけど……」
『惜しい。奇形なのは当たってるが、ヤマカガシじゃなくてマムシの方だ』
「その奇形は遺伝しないんですかね?」
『しないね。突然変異じゃないから、遺伝子に異常はない。何かの縁があって子孫を産む機会があったら、子供は元のマムシに戻るだけだ』
「二〇二三年の今、日本に何匹ぐらいいますかね」
『数えるのは面倒だな。まず北日本にはいない。今、もっとも北にいるのは栃木県の一匹だ。長野県と群馬県の境にも二匹いるみたいだな。神奈川、東京、千葉はいない。お、山梨県には三匹もいるぞ。中部、近畿は情報がないな。おっと、兵庫県の日本海側に一匹。四国はいない。九州にはいるな。阿蘇山の北側だ』
「けっこう、いますね。目撃されたり、捕獲されたりしますかね?」
『そういう未来は見えないが……。未来は情報を発信することで変わる性質があるからな。この話を見て探した人が本当に見つけてしまったという可能性もあるぞ』
「ウソから出たマコトですか」
『こらこら、俺はウソを言ってないぞ。あくまで守護神の間に流れる情報を拾って、教えてやってるだけだ』
「日本のUMAというと、鬼もいますね」
『あれは実在した生き物だ』
「今はいないので、絶滅したんですか?」
『絶滅はしておらん。そもそも鬼は地球の生き物じゃない。わかりやすく言えば宇宙人だ』
「宇宙人?」
『古代ではアヌンナキ。日月神示ではオロチと呼んでる宇宙人だ』
「人類を食用にしようとしてる宇宙人ですね」
第一〇話と第四二話でも触れた話だ。
「日本にも来てたんですか?」
『縄文時代にも来てたが、今の日本で言われてるのは平安時代に地上へ降りてきたオロチだ。オロチにとって、地球は宇宙服……というか保護服なしでも活動できる数少ない惑星だ。だから、地上に降りたヤツラは宇宙服を着ていない』
「オロチの頭に角はあるんですか?」
『ないぞ。あれは通信機のアンテナだ』
「アンテナは一本ですか? 二本ですか」
『左耳の側に一本だ。それを後世の絵描きが、一本と聞いて額や頭の天辺に角を描いたり、バランスを取るために左右に二本描いたりしただけだ』
「とすると、鬼の角は牛の角から来たという説は間違ってましたかね?」
『それは後世、虎縞のパンツになった時に生まれた俗説だろうな』
鬼門が艮の方角だから、鬼は丑と寅のエッセンスを混ぜて生まれた空想上の生き物という説だ。
「地上に降りてきたオロチは、どんな服装だったんですかね? 宇宙服の代わりに、彼らの制服とか……」
『ほとんど裸だ』
「……は?」
『オロチにとって、地球は気候的に暑い星だ。だから陽射しの強い日中を避けて、夕方以降に裸で動きまわってたんだ』
「裸で金棒を持って……ですか?」
『金棒か。人間を捕まえるための道具が、そういうふうに見えないこともないな』
「人類を食用にしようとしてたんですもんね」
そういえばオロチって、地球人の中でもモンゴロイドを好んで狙ってたんだ……。
「鬼といえば後世、赤鬼とか青鬼とか出てきますよね」
『それはオロチの肌の色だな。他にも黒とか白とか黄色とか緑とか……』
「赤色や青色の肌って、あるんですか?」
『あるぞ。地球人というか、その元となったプレアデス系だって肌の色は一〇色以上とも言われてる』
「竹内文書によると、古代の地球人には五つの色があったみたいですね。今は三つですが」
『今の三つというのは、政治的な分類にすぎん。地中海や中東を中心に今も赤い肌の人たちはいるし、竹内文書の青色はオーストラロイドのような褐色の肌のことだ』
「見るからに青い肌の人はいないんですか?」
『もちろん、いるぞ。オロチの青鬼は、まさにそういう青だ』
赤鬼、青鬼、黄鬼、黒鬼。信号機みたいになりそうだ。
「ところで守護神様、オロチは暑さに弱いんですか?」
『苦手らしいぞ』
「それで腑に落ちない疑問なのですが。オロチ、アヌンナキが地上へ降りてきたのって、古代メソポタミア時代や、平安時代ですよね?」
『そうだな。記録に残ってるのは、その二つの時代だな』
「その二つの時代って、どちらも地球が暑かった時代ですよ。古代メソポタミアのあった時代は日本でいう縄文大海進時代、平安時代は中世温暖期。温暖化がどーのと言われてる今よりも、地球の平均気温が二度以上高い時代です。暑いのが苦手なのに、なんでわざわざ暑い時期にだけ地上に降りてるんでしょうね?」
『俺が知るかぁ〜〜〜〜〜!』
たまたま地球に来たタイミングが、暑い時期だっただけかもしれない。
「鬼といえばお酒に酔わせて倒す話がありますよね?」
『オロチにとっては、アルコールは毒だからな。それに気づいた者が、酒を使って倒す方法を思いついたのだろう』
「鬼の行列──百鬼夜行を見た人が高熱で倒れたり、百鬼夜行の目撃のあった場所に近い村で疫病が流行ったという話がありますけど……」
『それはウィルスの影響だ。オロチたちは現地で病気にかからないようにワクチンを射ってから地上へ降りてきてるが、自分たちが持ち込むウィルスには何もしてないからな。それで病気が広まるのは当たり前だ』
「それはそれで、迷惑な話ですね」
「あとUMAで興味深い話はありますかね?」
『UMAではないが、河童が今、ヨーロッパで霊の世界での侵略的外来種問題を起こしてるという話があるぞ』
「何ですか? その話は……。霊の世界にも外来種問題があるんですか?」
『あるんだなぁ〜。これが……』
振り子が大きく揺れて、守護神様が楽しそうに語ってるのがわかる。
『一番の被害が出てるのは、イギリスの湖水地方だ。最初の話題に出たネス湖より、南の話だな』
「ネス湖には河童はいるんですか?」
『まだネス湖までは広がってないらしい。だが、湖水地方の湖で河童がイタズラをしまくって、湖の主である古龍たちが、すごく迷惑してるって話だぞ』
「イギリスには古龍がいるんですか?」
『日本の龍神様と同じだよ。水のあるところ、湖や滝壺、大きめの川の淵、そういうところに棲み着く自然霊だ。ただ河童のイタズラに耐性がないというか、イタズラされないように自衛する振る舞いを知らないとか、とにかく二〇世紀以降に増えた河童被害に迷惑してるそうだ』
「イギリス以外にも、河童の被害で苦しんでる国はありますか?」
『ドイツやオーストリアも被害に泣かされてるな。中でもライン川とドナウ川での河童の増加が大問題らしい』
「イギリスとドイツ……。かつて日本と軍事同盟を結んだ国じゃないですか。その影響でしょうかね?」
『それは、まったく関係ないだろ。それだったらアメリカやイタリアでも被害が起きてるはずだ』
「そっちは聞かないんですか?」
『起きてるという話は聞かないな。そういうニュースが入ってこないだけかもしれないが……』
「日本からヨーロッパへ行ったというと、人魚伝説では何かありますか?」
『人魚伝説? 特に外来種問題のようなものは起きてないようだが……』
「そうなんですか? ヨーロッパ人が日本に来るまで、あちらの人魚は上半身が魚で下半身が人間だったじゃないですか。それが今ではあちらでも日本と同じ上半身が人間の人魚が当たり前になってるから、何かあるのかなぁ〜と思ったのですが」
『何も起きてないな。ビジュアル的な好みで日本の人魚に駆逐はされてるが、あちらの霊的な人魚は今も上半身が魚のままだ』
「やっぱり、そうなんですか……」
上半身だけが魚の人魚。それを見ちゃった霊能者は、どんなにシュールな気分を味わうのだろうか。
「取り敢えず、今回はこのぐらいでいいでしょうかね? 守護神様から、何か語りたいことはありますか?」
『ないよ。きみが聞き出さなきゃ、俺からは何もない』
「それがダウジングですもんね」
ということで今回の話題はここまで。




