第44話 超古代文明について聞いてみた(1)
前回の続きで、地球に生まれたリラ系ならびプレアデス系の超古代文明の話である。
「守護神様。今の地球文明が生まれるより前に、伝承や都市伝説では科学的にもっと進んだ超古代文明があった言われてますけど、本当にあったんでしょうかね?」
これは著者がダウジングを始めたかなり早い時期から、気になって尋ねていた話題だ。
それが意外とこのシリーズでは取り上げてなかったので、今さらながら触れたいと思う。
『そのあたりの話は、いろいろと情報を与えてやってただろ』
「ありましたね。デマルケの『超巨大宇宙文明の真相』とか、マチルダ・エルマックロイの『エイリアンインタビュー』とか……」
著者がダウジングを始める何年も前に与えられた情報だ。神様や霊の世界について知るために、知っておいた方が良い基礎知識として与えられたのだろう。ここから超古代文明や、宇宙人論などを調べるようになったキッカケでもある。
『もちろん、最初の質問の答えは「あった」だ。ただし俺が語れるのはプレアデス人系と、その前のリラ人系の文明に限られるぞ。地球にそれ以外の文明があったとしても、俺にはそこまでは調べられないからな』
「地球の神様はプレアデス系が主流ですもんね。わかりました。それでお願いします」
『さて、これから超古代文明について語る前に断っておくが、学校で教えられた進化論は忘れろ。今の進化論で考えたら、超古代文明の話は矛盾だらけになるからな。中でも宇宙から持ち込まれた人間、小麦、トウモロコシ、ヤギ、桜などに関しては、進化論で理解しようとすると事実が見えなくなるぞ』
「科学者が聞いたら、いきなりファンタジーが始まったと言われそうですね」
『で、俺が確認できた最古の地球文明は、一三五万年に生まれたバカラティーニ文明だ。これはプレアデス人系ではなく、その前身であるリラ人系の入植者が作った文明だぞ』
「デマルケの『超巨大宇宙文明の真相』に出てくる文明ですね」
『移民団が地球へ来る前に住んでいたバカラティーニ星は、ケンタウルス座にある惑星だ。リラ星から宇宙移民が始まった頃の古い移民団で、九〇〇万年ほど前にようやく住める星を見つけて、そこに文明を築いたんだ』
「おうし座からケンタウルス座って、かなり遠くありませんか?」
『かなり遠いぞ。リラ星からだと、地球よりも遠いからな。方向がちょっと違うけど』
「その人たちが地球へ来たのが、地球にとって最初の入植だったんですよね? 約八〇〇万年もの間、リラ人はまったく地球へ来なかったんでしょうか?」
『来なかったんだろうな』
「それは何でですか?」
『太陽系は三〇〇万年以上前まで、オリオン腕と射手・竜骨腕の間にある星の少ない空間を飛んでいた。広い空間の中に、太陽だけがポツンと浮かんでる状態だな。そこはあまりにも僻地すぎて、訪問者がほとんど寄ってこないような場所だ』
「訪問者が『いない』じゃなくて、『ほとんど寄ってこない』ですか?」
『そりゃあ、わずかに迷い込んだ訪問者はいるさ。その証拠となる石器やオーパーツが見つかってるだろ?』
「知りませんよ。そんな話……」
『で、話をバカラティーニ星人に戻して、そこへ移民した人たちは八〇〇万年近く、そこで平和に暮らしていたんだ。ところが一三五万年前、惑星が急速に寒冷化して氷河期になってしまったんだ。それも寒冷化で生き物の棲める限界を超えたために、星を捨てて宇宙の難民になったんだ』
「氷河期ってことは、スノーボールアースのように全球凍結したんですか?」
『そう思うだろ? だが、違うんだ』
「でも、寒すぎて生き物が棲めなくなったんですよね?」
『誰が寒すぎてと言った? 寒さだけなら文明の力で、いくらでも暮らしていく方法はあったぞ』
「外で農業ができなくても、工場でハウス栽培できますもんね」
『だが、当時のバカラティーニ星では、それも難しくなったんだ。寒冷化で炭酸ガスが少なくなり、植物が光合成できなくなったんだ』
「光合成が? そんなこと、実際に起こるんですか?」
『起こったんだよ。今の地球だって過去に何度か、あと少しで植物が育たなくなるほど炭酸ガス濃度が薄くなったことがあるんだ。幸い地球では限界を超えずに済んだが、バカラティーニ星ではその一線を越えてしまったんだ』
「それで惑星を捨てたんですか?」
『そうだ。そこで約三六〇万人を一つの移民団とするグループに分かれて、それぞれ新天地を求める旅に出ていったんだよ。そのうちの二つのグループが地球を見つけて、それぞれ別の大陸へ入植したってわけだ』
「その大陸というのが、ムーとかアトランティスですか?」
『そんな大陸は存在しない。一三五万年前にあるのは、今と同じ六大陸だ』
「じゃあ、ムーとかアトランティスは完全な都市伝説ですか?」
『このあと太平洋にいくつもの大陸が生まれては消えていくが、そのどれもがムー大陸ではない。それに大西洋とインド洋に大陸があった過去も存在しないぞ』
「それで、バカラティーニからの移民団は、どの大陸に降りたんですか?」
『黒人──というか褐色人種のグループが当時陸続きだったオーストラリア大陸とパプアニューギニア島の間にある沿海部、黄色人種のグループがヒマラヤ山脈の東側──今のミャンマーから中国の雲南省にかけた地域に入植して文明を築いたんだ』
「その文明は宇宙文明にまで成長したんでしょうか?」
『星間飛行できる宇宙船を飛ばせるぐらいには発達したぞ。ところが一三二万年前、三つの巨大隕石が落ちて、その文明は滅びてしまったんだ』
「隕石を止められるほどの科学力はなかったんですか?」
『なかった。しかも予測にも失敗した。そのため地球からの脱出が間に合わなかったんだ』
「何が起きたんですか?」
『まず太陽系の外から飛んできた浮遊小惑星が、南アメリカに落ちる可能性があることが判明した。発見した時にはまだ木星軌道の外側にあったが、衝突まで三か月も残されてなかった。その時間で地球から一九億人全員を脱出させるのは不可能だ。そこで各国の政治家たちは市民に隕石のことを黙ったまま、ただちに医師や技術者を中心に、優秀さよりも文化活動の有無を優先に若くて未婚の男女を選抜して、彼らに未来を託すことにした』
「優秀さより文化活動……ですか?」
『政府は文明の復興だけでなく、文化も未来へ残そうと考えたんだ。だから本業以外に一芸に秀でた者を最優先に選んだんだ』
「趣味を持つお医者さんや技術者は多いですもんね。それと未婚というのは?」
『災害時に子供は足手まといだ。職業経験の浅い若者も、可哀想だが除外だ。生き残った者がそれぞれの技術を活かして困難を乗り越え、落ち着いてから子供を生み育てればいい。その時の為政者たちは、そう考えたんだよ』
となると対象になるのは、現代の年齢感覚で二〇代から三〇代前半だろうか。
「それで、脱出には成功したんですか?」
『約一八〇機の脱出船を用意したが、ほぼ全滅の大失敗だ』
「何が起きたんですか?」
『小惑星が木星の横を通った時に、潮汐力で砕かれたんだ』
「砕かれた? 一九九四年に木星に落ちた、シューメーカー・レヴィー第九彗星のように……ですか?」
『たしかに似てるかもな。破片が進行方向に対して、数珠つながりになったところは同じだ。だが、横方向にも地球の何倍もの範囲に広がったために、地球への衝突が避けられなくなったんだ』
「小惑星のままだったらギリギリぶつからずに済んだ可能性はあるけど、細かな破片に砕かれたせいで確実にどれかが落ちてくる事態になったんですね」
『その通りだ。しかも衝突される地球から見たら、破片が細かくなって大きなものしか観測できなくなったんだ。なんせ直径何kmもある破片ですら、落ちるまで気づかなかったほどだ』
「そんなに大きな破片にも気づかなかったんですか?」
『そうなんだ。当時の政治家や天文学者たちには悪夢だっただろうな』
「悪夢どころじゃありませんよ」
『だけど当時の各国政府は見えない破片よりも、市民の暴動を警戒していた。そのため最初の宇宙船が飛び立つのは、巨大隕石が落ちる二時間前と計画したんだ』
「その前に見えなかった破片が落ちてきたんですか?」
『まさに、そういう最悪の想定外が起きた。観測できていた通りなら、最初の巨大隕石が太平洋に落ちるのはオーストラリア時間で午後二時頃のはずだった。だから最初の宇宙船が離陸するのは、その二時間前の正午ごろという計画を立てていた。ところが午前一一時に、見落としていた巨大隕石の一つがオーストラリア大陸の北西の海に落ちてしまったんだ』
「それは、たしかに最悪……ですね」
『この衝突でオーストラリア大陸は高さ三〇〇mの津波に襲われ、大陸の八割が浸水被害を受けた。もちろん、この津波は東南アジアに作られた国家や、インド洋を渡ってアフリカに作られた国家をも襲ってるんだ。緊急で宇宙船を離陸させたが、地球を脱出できたのはオーストラリアからの三機と、東南アジアからの四機だけだ。他の機は津波や衝撃波に呑まれて墜落したり、落ちてくる破片に当たって破壊されたりしていた』
「アフリカからの船は全滅ですか?」
『アフリカの国家では、初めから脱出船は用意できておらんよ。なんせアフリカに作られたのは科学文明を棄てた宗教国家だ。そこでは当時、ほとんどの人が都市生活まで棄てて遊牧生活で暮らしてた。宇宙船を飛ばす技術なんか、初めから持ってないんだ』
「宗教原理主義の国が作られてたってことですか……」
『このあと、もっとも大きな破片がハワイ諸島とガラパゴス諸島の中間地点に落ちるんだ。これは太平洋の地殻を貫いてマントルまでめり込み、地軸と海洋底を南西方向へズレ動かしたんだ。これによって隕石クレーターに加えて海洋プレートに大きなシワができ、太平洋上に大きな三日月型のラマー大陸を生み出した。そして当時はアフリカ大陸の一部だったアラビア半島にも直径数kmの破片が突き刺さってプレートを引き裂き、紅海が生まれている』
「すさまじい天変地異ですね。落ちたのは三つ……」
『あくまで巨大隕石に限った数だ。無数に降り注いだ小さな破片となると、あまりに多すぎて勘定できん。地球に落ちなかった破片は、そのまま飛び去って今では百何十光年の彼方だ』
「それで、脱出した宇宙船の方は、そのあとどうなったのですか?」
『すべて墜落した』
「……え? どうしてですか?」
『避難計画の失敗だ。各国政府は「災厄は一瞬で済む」と考え、一か月もすれば地上は落ち着くと思っていたんだ。だから脱出船は一時的に宇宙へ避難するためのもので、元から星間飛行をする能力はなかった。それに食料や空気を多めに積んではいたが、一二週間もすると尽きて地上へ戻らざるを得ない船が出てきた』
「その言い方だと、地上はまったく落ち着いてなかったんですか?」
『地軸が傾いたおかげで、世界中で嵐が吹き荒れていたんだ。そのため七隻はすべて着陸に失敗して墜落するハメになった。三機は海に落ち、三機は不時着、そして一機は消息不明だ。しかも各地で多くの火山が噴火したために、生き残った人たちも毒ガスで息絶えるハメになった』
「結局、その時の文明では誰も生き残れなかったんですか?」
『そうでもない。オーストラリア大陸で一八〇人が生き残って、彼らの子孫は今もアボリジニとして続いている。それに生き残った数は不明だが、中国雲南地方の山奥でも当時生き残った人たちの子孫が細々ながら暮らしているぞ』
「一九億人もいた人口が、わずか数百人にまで減ったのですか。でも、事件から一三二万年ですよね? そもそも現代人──ホモ・サピエンス・サピエンスが生まれたのは、今から一九万五千年前のはずでは?」
『最初に「学校で教えられた進化論は忘れろ」と言っただろ。現生人類の化石は、進化論に合わないからオーパーツ扱いされてるが、実はいくつも見つかってるんだぞ。一番古いのは、約八〇万年前のものだ。オーストラリアの北にある島で見つかったものだからアボリジニの人類化石と言われてるが、実は偶然見つかったプレアデス人系の訪問宇宙人のものだけどな』
「もしかして、人類は進化してないのですか?」
『遺伝子操作があった以外に、進化は見られないぞ。一千万年以上、まったく……な』
「巨人とか、小人とか……」
『そりゃあ環境が変われば寿命が一〇倍になったり、身長が何倍にもなったりする。だが、それはチワワとセントバーナードの違いみたいなものだ。見た目はまったく違っても、遺伝子はオオカミとの違いよりもはるかに小さい。個性の違いを生む程度のものだ』
「よく、チワワとセントバーナードの雑種は生まれないと言われますけど?」
『それは遺伝子の問題じゃなく、大きさの問題だ。チワワとセントバーナードが交尾できると思うか?』
「ん? ……それは……、大きさ的に無理そうですね」
『そうなんだよ。でも、神話では昔地上に降りた巨人たちが、地上の美しい娘たちとって話があるだろ。同じプレアデス人系だから遺伝子的には交配できたんだろうが、サイズが違うのに交じり合えたのは男としてどうなんだ?』
「守護神様、それ以上は武士の情けが……ですね……」
『さて、バカラティーニ文明の話はここまでにして、隕石災害のあとの話だ』
「たしか三日月型の大陸ができたんですよね? これはクレーターの縁が陸地になったものですか?」
『それに加えて太平洋の海底が南西方向へズレ動いてできた大きなシワと、隕石落下によってマントルに閉じ込められた水蒸気等の膨張したガスによって押し上げられて作られたものだ。これでできた陸地をラマー大陸と呼ぶが、これが現在のカリフォルニア半島の近くからニュージーランド、ミクロネシア、ポリネシア、マリアナ諸島、そして日本の東の海上まで続いた巨大な大陸を生み出したんだ』
「太平洋をぐるっと回るような大陸ですか? けっこう大きいですね」
『大きい。だが、元は海の底だ。陸地にはほとんど起伏がない、ひたすら平坦な大陸になった。そこへカリフォルニア半島に近いところへ鳥が草や木の種を運んできたり、洪水で木々と一緒に流されてきた小動物が流れ着いたりして緑が根付き、やがて大陸全体を草原が覆っていったんだ』
「このラマー大陸は、いつまであったんですか?」
『誕生からわずか二千年で、三つに分裂して海に沈んだ』
「たった二千年ですか?」
『ラマー大陸は海洋底のシワと地下にあるガスによって生まれた大陸だと言っただろう。そのうちのガスが二千年かけてマントルから地殻上層部へと上がってきて、周辺にある火山から抜け出していったんだ。それによって大陸は徐々に小さくなり、最後に三つの大陸だけが残ったそうだ。ちなみにプレアデス系の記録では、そのうち二つにレムリア大陸とアトランタ大陸という名前が付けられている。レムリア大陸は今はジーランド大陸という名前で知られる、ニュージーランドの周りにある海中大陸だ。それとアトランタ大陸は日本の南にあって、ミクロネシアとマリアナ諸島のあるあたりにあった大陸だな。しかし三つめの大陸については、百万年以上太平洋上にあったものの、誰も住まなかったために場所すら記録にないのが残念だな』
「意外なところに、記録の抜けがあったんですね」
『で、ここでプレアデス系の記録ではないが、日月神示がオロチと呼ぶ、アヌンナキが地球へ着た時の話をするぞ』
「オロチについては、第一〇話でも触れてますね。古代宇宙飛行士説では地球へは金の採掘に来て、労働者にするためにサルを改造して現生人類を作ったとされてますけど、本当は人類を食用にしようとしてたと」
『その通りだ。改めて語ると、アヌンナキが地球へ来たのは今から三八万年ほど前。彼らはエジプトからアラビアにかけた地域に降りて、そこで見つけたサル──原人を家畜化して食料にしようと遺伝子操作したんだ。だが、彼らの望むような食料にできなかったので、家畜化をあきらめて帰っていったんだな』
「でも、数千年前に戻ってきたら、地球人は美味しくなっていたと……」
『これはプレアデス系の人々には悪夢だな。オロチにプレアデス人は美味しいと知られてしまったわけだからな。もしかしたらもっと前から知ってて、地球にプレアデス人が住み着いたから狩り場として地球に戻ってきた可能性もあるのだが……』
「そのあたりは、わかりませんか?」
『俺が見てるのはプレアデス系の情報だからな。オロチの目的までは探りようがねーよ』
まあ、そうだよね。
それはともかく、オロチは人間の肉を食べ、生気を吸い取る宇宙人だもんなぁ。
存在自体がシャレにならない。
『さて、ここからが伝説として残されてる超古代文明の話になるぞ。最初の方で地球のある太陽系は、宇宙の僻地にあったと語った。だが、三〇〇万年ほど前から、太陽系は少しずつ星の多い場所に近づいてきたんだ。それが一転して、天の川銀河の中央と外側を移動する交通の要衝の地となったのが、今から二〇万年ほど前になる』
「交通の要衝ってことは、多くの宇宙人が立ち寄るようになったんですか?」
『その通りだ。その宇宙港が、今は海に沈んだレムリア大陸に作られていたんだ』
「ニュージーランドのあるあたりにあった、南太平洋の大陸ですね」
ちなみに『竹内文書』にはタミアラという名前で記録が残されている。
『太陽系が宇宙交通の要衝になる前の二十数万年前から、当時の要衝だったこと座のヴェガから、プレアデス系の人たちが少しずつ地球を訪問するようになったんだ。このヴェガは今も昔も太陽系の近くでは、もっとも発展した宇宙文明だ。二十数万年前だと、地球から四〇光年近く離れてたんだな』
「今は二五光年に近づいてますね。そのプレアデス人たちは、ほぼレムリア大陸に降りてたんですか?」
『いや、初めの頃は南半球を中心に満遍なく降りていた』
「南半球? 何か理由があるんですか?」
「理由は二つだ。一つは今の地球の大陸は北半球に偏ってるが、地球に近いところにある星系では南半球に文明の中心がある惑星が多いんだ。だから自然と慣れ親しんだ南半球に降りるのだろうな』
「そういえば日月神示の神様も、南半球出身を匂わせることを語ってますね」
日月神示にある「宇宙では太陽のある方向が北だ」などの発言だ。この発想は南半球に文明の中心がないと出てこない。
『それともう一つ。その頃の北半球にある大陸──特にユーラシア大陸には、凶暴なサル──いわゆる原住民だな。それが住んでて襲ってくるから、そこへ降りたプレアデス人の多くは撤退を余儀なくされたんだ』
「凶暴なサル? 当時の人類──旧人じゃないんですか?」
『サルだ。それに旧人など存在しない。あれはプレアデス人グループの一つだ。最初に「学校で教えられた進化論は忘れろ」と言っただろ。地球では人類は進化していない。三八万年前にアヌンナキが遺伝子操作した原人の子孫だ』
「遺伝子操作されてから二〇万年近く経ってますから、陸続きの大陸全体に広がってたんですね」
『やがてレムリア大陸で暮らす人たちが、独自の文明を興せるほどの都市国家を作った。すると一度宇宙へ撤退したプレアデス人たちの多くが、レムリア大陸へ降りて暮らすようになったんだ』
「それはいつ頃ですか?」
『正確な時期はわからないが、紀元前二二万九千年頃だ。しかも、それから二〇〇年と経たない頃に、アレモX3星からの難民団が地球へ来たんだ』
「難民?」
『アレモX3星は最初のバカラティーニ星人と同じ、リラ星からの初期の移民団が作った文明だ。だが、国同士の意地の張り合いから、ついに全面核戦争を起こして文明崩壊に至ったんだな。そこから逃げてきた約七〇〇万人の難民が、八千五百年以上の冬眠の末、続々と地球へ流れ着いてきたってわけだ』
「その人たちもレムリアに?」
『いや、彼らは最初、中国のあたりに降りようとした。だけど、プレアデス人の入植者と同じように凶暴な原人に襲われて宇宙へ逃げ帰ってるんだ。そこで太平洋にあったもう一つの大陸──アトランタ大陸ならプレアデス人もほとんど入植してないと知って、そこへ降りることにした』
「すると同じ時期に、プレアデス系とリラ系の二つの人たちが地球に集まったんですね。交流はあったのでしょうか?」
『それが、ほとんどなかったんだ』
「なかったんですか?」
『これは人類の本能的なものだろう。当時のレムリアはカテゴリー四から五の平和な世界だった。そこへ難民とはいえ、カテゴリー二から三のアレモX3の人たちが降りてきたんだ。互いの価値観が違いすぎて、双方が交流を避けた可能性はあるな。縄文時代の日本も同じリラ人系であるアトランタをわざわざ迂回して、レムリアとだけ交流してたのもその現れだろう』
霊格カテゴリーについては第三〇話からの数話で触れた話題だ。
「外の世界の人たちと交流がなかったから、アトランタの伝説はほとんど残ってないんでしょうかね?」
超古代文明の伝承を調べてると、ほとんどは存在しないアトランティスのものばかりだ。それ以外だと南太平洋にあったレムリア文明のものなので、アトランティスとされる話は、本当はレムリアのものかもしれない。
それに著者が太平洋にあるもう一つの大陸──アトランタが確認できたのは『竹内文書』と『エイリアンインタビュー』だけだ。あまりにも交流がないので、存在自体が忘れられたのだろうか。
『いや、それは違う。アトランタで起きた事件はそれなりに伝わっているぞ』
「伝わってるんですか?」
『そう、一応は伝わってる。だが、それがレムリアのものとゴチャ混ぜにされた上に、アトランティスの伝説として語られているんだ。それをきみは、すべてレムリアのものだろうと解釈しているだけだ』
「実際のところは、どうなってるんですか?」
『それを、これから語るぞ』
というところであるが、長くなったのでここで一度話を区切っておく。




