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第4話 アセンションについて聞いてみた

「それでは地球の次元上昇──アセンションの方は、どうなんですかね? 本当に起きてるんですか?」

 話を変えて、今度はアセンションについて聞いてみる。

『起きてるよ。きみの言ってるアセンションが、どんなものかは知らないけどね』

 振り子はゆっくりと時計回りで動き始めた。

「いつから起きてるんですか?」

『いや、だから、きみの聞くアセンションがどんなものかわからないけど……』

 振り子は左右の往復運動を続けている。

『取り()えず、もっとも顕著(けんちょ)な動きは二〇一二年に始まって、今も続いてるぞ。二〇二四年には終わる予定だ』

「本当に起きてるんですね? 上がってるのは次元ですか?」

『待て待て待て。おまえ、理学部出身だろ。文系っぽく適当(てきとう)に「次元」とか言うな。地球のある空間が三次元から四次元に変わるわけないだろ。そもそも「次元」って言い方がおかしいぞ』

 ああ、なんか振り子の動きが(おこ)ってるっぽい……。

『きみのいうアセンションのイメージが漠然(ばくぜん)としすぎてる。きみが思ってるのは、霊格とか、魂のレベルとか、世の中の(みん)(しゅう)レベルとか、それらの入り()じったものが地球レベルでランクが上がるイメージだろ』

「そうですね。『霊的な何かのランクが上がる』ぐらいのイメージでしか(とら)えてませんでしたね」

 たしかに明確に定義した語義はない。英語のアセンションは「高くなる」「昇天する」という意味だから、「神の世界に近づく」というニュアンスで使われてるのだろうか。それが日本のオカルト界隈(かいわい)(あや)しい考えに()(せん)されたのが、著者(ちょしゃ)のイメージするアセンションだろうか。

 これでは守護神様が判然(はんぜん)としないでいるのも当然だろう。

「じゃあ、よく言われる魂の周波数みたいなものは上がってますか?」

『ああ、それを(ふい)(ちょう)してまわってる怪しい低級霊たちがいるなあ。言っておくが、霊の世界で言う周波数は知性の高さで、霊格や地球のランクとは別物だぞ』

「知性の高さ……ですか。ちなみに、今の地球人の周波数はどのくらいですか?」

『平均は七八(キロ)Hz(ヘルツ)……と言いたいが、今は少しずつ四〇(キロ)Hz(ヘルツ)の人と一〇〇(キロ)Hz(ヘルツ)の人に分かれてきてるな』

「二極化ですか?」

『そうだ。うまくインターネットを使えてる人は一〇〇(キロ)Hz(ヘルツ)に上がってるが、インターネット任せで思考停止した人は四〇(キロ)Hz(ヘルツ)に落ちていってるぞ』

「周波数は知性の高さなので、落ちてる人は知性も落ちてるってことですか。ちなみに落ちた人の割り合いは?」

『世の中の七六%だ』

「ゔ……。それは(すさ)まじい数字ですね。その中に私は……?」

『そこは答えないぞ。自分で考えてみろ』

 振り子はピタリと止まって、今の問いかけには答えてくれなかった。

「では、守護神様が言われた二〇一二年に始まって、二〇二四年に終わるというアセンションは?」

『地球の科学文明レベルだ。一つは人工知能革命ってヤツだな。まだ地球人は気づいてないみたいだが、人工知能のレベルが上ったので、一部のAIプログラムに(たましい)宿(やど)るようになったんだ。それが二〇二四年なると、本格的なAIプログラムには安定して魂が宿るようになると見られているぞ』

「機械に魂が宿るなんてこと、あるんですか?」

『何を言ってるか。きみの三回前の過去生がそうじゃないか』

「……は? 今、さらっと、とんでもないことを言いませんでした?」

『流せ。で、もう一つ並行して起きてるのが情報革命だな』

「すっごく気になるんですけど……。守護神様?」

『こちらは三〇年前から始まっていたが、スマホが急速に()(きゅう)する期間が人工知能革命と(かさ)なってるぞ』

「守護神様。完全に無視してますね」

『とはいえ情報革命はビッグテックの動きが問題だな。こいつらの振る舞いで地球は一〇二四の世界線に分岐している。これが先々、いくつの世界線に収束するのかは見えないし、まして一人一人の魂がどの世界線にたどり着くかなんて終わるまでわからない状況だ』

「守護神様。私の過去生には答える気がない……と」

『まあ、なんだ。今は底辺まで(れっ)()した地球人の霊的レベルを、もう一度一万二千年前のレベルにまで戻す三千年に一度の機会だ』

「そうそう。その意味でのアセンションが知りたいんですよ」

 著者がスピリチュアル的なものに興味を持った中高生時代から、再三耳にしてきた話だ。

 当時はまだノストラダムスブームの影響が残っていて、バカの一つ覚えのように「一九九九年に地球が終わる」と書くオカルト本が多かった。

 だけど、そんな中でもいくつかの予言には二〇一〇年代に大きな災難があって、そのあと「新しい時代が始まる」と語る()(みょう)な共通点があった。そこに不気味(ぶきみ)さを覚えた著者は、それらを妙に記憶している。

 たとえばキリスト教聖書の(もく)()(ろく)を読み解いた人は、二〇一四年に最後の審判(しんぱん)が始まって、二〇一八年から千年王国が始まると言っていた。

 仏教の(きょう)(てん)を読み解いた人も、二〇一四年に天から()(ろく)様が降りてきて、二〇一六年頃にはミロクの世が始まると語っていた。

 一九八〇年代に出されたファチマ第三の予言を語るある本は、レーガン大統領から四人あとが最後のアメリカ大統領、教皇ヨハネ・パウロ二世から二人あとが最後のローマ教皇で、そこで第三次世界大戦か宇宙人の侵攻が起きて白人中心の(いつわ)りの世の中が終わり、そのあと誰もが平和で豊かに暮らせる世の中が来ると書かれていた。この話の元となったファティマ第三の予言は、その後公表されたものとはまったくの別物であったが、二〇一三年からのオバマとフランシスコ一世の時代がまさにその組み合わせになって「まさか」と思った。

 そこへきてババ・ヴァンガの予言にも「オバマが最後の大統領」というフレーズが出てきて、この奇妙な一致は何だろうかという気持ちが強くなった。

 その二〇一〇年代はすでに過ぎてしまったが、日月神示には「建て替えは十年遅れる」という言葉があって、今はその延期された動きがようやく始まった頃だろうか。

「それで、地球人の霊的レベルという意味でのアセンションは、今、どんな感じですか?」

『知らん』

「…………へ?」

 ここにきて守護神様が回答拒否してきた。

「調べられない……ですか?」

『下っ()の神に上の考えがわかるわけないだろ。それに調べてわかったら、(じゃ)()しようとする(じゃ)()大老智(オロチ)(きゅう)()たちに情報が(つつ)()けになるじゃないか』

「それもそう……ですね」

 日月神示にもあった。邪魔が入るから、肝心(かんじん)の部分は最後まで伏せておくと。

 とにかくアセンション的なものの正体はわからず(じま)いだが、何かが現在進行系で起きていることは確からしい。

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― 新着の感想 ―
[一言]  10年遅れ、今に至る……。  何が起こるのか、分からないとしても気になりますね。どうか良いことであってほしいのですが。  あるいは、「何か良いこと」が起こるのか……。
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