第36話 たまには最近の話題について聞いてみた
今回は予定していた話が書きかけでまた筆が止まってしまったので、代わりに最新情報を語る回にしようと思う。意外にも初めての試みだ。
「守護神様。最近、霊界の動きが激しくなってるみたいですね」
『明らかに変わってきてるな。さすがに下っ端の俺までは詳しい情報は回ってきてないから、断片でしか物事はわからないが……』
「霊の世界では春分の前後で何か起こるから……ですか?」
『それは西洋占星術の考え方だ。地球の神々の世界は太陰太陽暦。要するに旧暦だ。今年の旧正月はグレゴリオ暦の二月一日だぞ』
「じゃあ、その旧暦の正月を境に、何か変化が出てきましたか?」
『そうだな。俺の目から見て、二つの大きな変化が起きてる』
「二つですか」
『良い情報と悪い情報があるが、どっちから知りたい?』
「なんですか? そのよくあるフレーズは……。どちらでも神様の説明しやすい方からでお願いします」
『ノリが悪いな。じゃあ、先に良い情報から伝えるか。まあ、神の世界から見たら良い知らせだが、今を生きてる人間には悪い知らせかもしれんが……』
「不吉な前振りはやめてください!」
『第五の岩戸、通過したぞ』
「……え? それはすごくめでたい話じゃないですか。いつ通り抜けたんですか?」
『すまん。正直言うと、俺にもわからん。三月になったところで、第五の岩戸を通り抜けてたことに気づいたんだ』
「トンガで大きな火山噴火が起きたじゃないですか。あれが岩戸を通った合図だったとか?」
この噴火は二〇二二年一月一五日、南太平洋のトンガ諸島で起きたものだ。もしも同じ規模の噴火が富士山で起きたら、厚い噴煙──噴火雲は東京、名古屋を含む関東中部甲信地方の広い範囲を瞬時に掩って地上は暗くなるだろう。季節や風向きによっては大阪や新潟、仙台にまで雲が届くかもしれない。それほど大きな噴火だった。
『それよりは、あとだと思うぞ。その頃はまだ岩戸は抜けてなかったはずだ』
「じゃあ、本当に旧暦のお正月の前後ですね。これで日月神示でも言われてる三千年に一度の岩戸開きに成功……」
『それは違う!』
「え? 違うんですか?」
『落ち着いて考えてみろ。三千年前に第五の岩戸はあったか?』
「ゔ……。ありません……でしたね」
これは糠喜びだったのかな?
天界の神様が第四の岩戸開きに失敗したのが、今から三千年以上前だ。これはキリスト教の神話にある、モーゼによる出エジプトの頃である。その少し前に第四の岩戸が閉じられて、地球は人が人を支配する時代になった。要するに強者が弱者を家畜のように扱う奴隷労働の始まりだ。神様はその状態にあったヘブライ人をエジプトから救い出したのだが……。そのあと悪魔の妨害に遭って、ヘブライ人たちはウソの指示通りにカナンの地で先住民族を皆殺しにする大虐殺をやらかしてしまった。それで三千年前の岩戸開きは失敗だ。
このあと紀元前六世紀頃から地上には何人もの救世主が送り込まれて、次の岩戸開きのために人々を導く教えを説くようになる。ところが、その教えも悪魔によってことごとく内容が書き換えられ、それが第五の岩戸閉じになった。
たしかに三千年前には第五の岩戸は存在してない。
「ということは……」
『ようやく岩戸開きの本番を始める準備ができたという良い知らせだ』
「だけど今を生きる人には、これからもっと大きな試練が来るという恐ろしい知らせですね」
イヤな話である。
「ん? これが良い方の知らせってことは、悪い方の知らせは?」
『それがな、どうも天界の神たちの一部が悪い地球人というか、傍若無人なディープステートやネオコンの連中にキレたっぽい』
ここでいうディープステートやネオコンは特定の団体ではなく、身勝手な利益追求のために世界を影から動かそうとしいてるユダヤ系の大資本家たちのことだ。最近はイルミナティと呼ばれることもある。
アメリカはフリーメイソンによって作られた国だが、そこへユダヤ系の大資本家たちが乗り込んできて強い経済力で政府を操ろうとしてきたのだ。このユダヤ系の資本家たちは九世紀には戦争を起こすことで富を増やす経済錬金術──いわゆる死の商人システムを完成させていた。そんなユダヤ系の大資本家たちに、あろうことかウィルソン大統領は第一次世界大戦の直前、民間銀行にドルの通貨発行権を持つ中央銀行としての役目を与える連邦準備制度を始めてしまったのだ。それを許したアメリカは、戦後社会では世界の覇権国だ。ユダヤ系の大資本家たちはそれで圧倒的な経済支配力を手に入れて、アメリカだけでなく世界まで影から操ろうとしている。
ちなみに陰謀論ではフリーメーソンとイルミナティやディープステートを同じものとして扱っているが、まったくの別物だ。この件に関しては元駐ウクライナ大使で国際政治評論家の馬渕睦夫氏も「アメリカの実権をディープステートからフリーメイソンに取り戻す必要がある」と語り、両者をまったく別物として扱っている。
余談であるが日月神示には岩戸を開くにあたって、
イシヤと直に手を握ることぞ(下の巻 第二二帖)
と協力を呼びかける言葉がある。イシヤとはフリーメーソンのことだ。
この言葉の意味はいろいろ考えられるが、馬渕氏の発言のようにフリーメイソンと手を組んでディープステートを駆逐するように求めているのだろうか。
まあ、そんな脱線話はここまでにして──
「神様がキレたんですか? 最近あった事件といえば、ウクライナ情勢ですかね?」
『ハッキリは言えんが、その可能性は高そうだな。なんせ第四の岩戸は人による支配や地球独自の金融経済に関する扉だ。世界を経済支配したいディープステートにとっては、ここに近づいてることで本能的に悪あがきを始めたのだろう。宗教の扉である第五の岩戸の時も、世界中で宗教支配を目論む原理主義者が暴れたみたいにな』
「それは勘弁してもらいたいですよねぇ。それにしても日月神示には、ウクライナ情勢っぽい予言はありませんでしたよね?」
『高い次元にいる神からは、どこまで正確な未来が見えてるんだろうな。俺が岩戸を通り抜ける前に見た未来だと、ロシアは第三次世界大戦が起こっても最後まで参戦しなかったために、仲裁役ができる意味で「北が良くなる」だったはずだ。そのロシアが自分から戦争を起こすとは……』
「これが第三次世界大戦になる可能性は?」
『軍事行動が始まった時点で、第三次世界大戦が起こる可能性は一〇〇%になった。その時にウクライナ情勢がそのまま引き金になる可能性は三分の一だったわけだが、それは一か月近く経った今も変わってない』
「もしかして第五の岩戸を通過したことで、世界線が変わったんでしょうかね?」
『それは、ありそうな話だ。その時に岩戸を通ったかどうかに気づいてれば良かったな』
「第四の岩戸は通れるんでしょうかね?」
『天界の神たちは、すべての世界線で、そこまでは通すつもりでいるぞ。それに、その次に控えてる第三の岩戸は、ウソで他人に責任をなすりつける扉だ。メディアの偏向報道が露骨になったのも、この岩戸が開いた影響だ。ウクライナ情勢でもロシアを悪者にするプロパガンダが横行してるが、どこまでが事実だろうな』
「守護神様にも、わからないのですか?」
『モノにもよるが、ウクライナはかなりの数の邪霊に邪魔されて、真実が見えづらくなっている。いわゆる泥海の状態だ。だから手に入る情報で答えることはできるが、正直、それが正しいという自信が持てない』
「そんなにひどいんですか?」
『第二次世界大戦の前に似てるぞ。大戦の起こる一〇年近く前の一九三二年からアメリカやソ連は、日本やドイツが悪者になるように喧伝するプロパガンダを始めて、二国が国際社会から経済制裁されるように仕掛けてきてた。それと同時に国外で暮らす日本人やドイツ人を狙った暗殺事件や虐殺事件を起こして、軍が動くように挑発をし続けてたんだ。それに両国とも何年も耐えていたが、ついにやっちまった……』
「日本は真珠湾攻撃ですね。ドイツは?」
『ユダヤ人の虐殺だ。ユダヤ難民を巻き込むように戦闘を仕掛けられて、市民に被害が出たら「虐殺した」とプロパガンダされ続けたんだ。それを開戦から三年以上我慢してきたのに、戦況が苦しくなったら売り言葉に買い言葉で本当にやっちまった』
「戦争で起きた事件は、ほとんど敗戦国の責任にされますもんね。ロシアも同じことをされてるんですか?」
『出まわってるニュースからは、ロシア系の住民が襲われた話は隠されてる。その一方でロシア系の住民の中には今のロシアがイヤで国を出てきた人もいて、その人たちがロシア軍の兵士たちに文句を言ってる映像は流されてる。こういう偏向報道や疑わしい話はいろいろあるが、ここで語るものではないな』
ホント、この手の話はネットにイヤというほど流れている。
『それで……だ。天界の神が怒ってるからかどうか知らんけど、岩戸開きで大グレンが起きたあと、地に落としたり魂ごと灰にしたりする人のリストが回ってきたぞ』
「まるで公開処刑ですね」
『まあ、生きてるうちに済ませる閻魔裁判の準備みたいなものだろうな』
これは第五話の死後の世界の話で触れた話題だ。
「何人ぐらい載ってるんですか? 何百とか……」
『一〇〇万人以上だ。日本人も二〇万人近く載ってる』
「そんなに灰にされるんですか?」
『違う違う。リストに載ってるのは、大グレンで今いる地位から落とされる候補の人たちだ。ここから周りの人の運命をどこまで乱したかが精査されて、人数が絞られていく』
「なるほど、今はまだ疑わしい……ですか」
『灰にされるのは、すでに罪が確定したうちの七〇〇人ちょいだな。この数はだんだん増えていくと思うが、この中で灰にされると確定した日本人が二八〇人も出てるんだよなあ』
「灰にされる日本人、妙に多いですね。その人たちはスピリチュアル系で言われてる、レプティリアン系の魂ですか?」
レプティリアンは日月神示の中でも邪鬼、金母と呼ばれる最大の悪魔グループだ。地球を経済支配して戦争や貧困を増やして、世の中をネガティブな空気で満たそうとするイヤらしい邪霊集団だ。前に名前の出たディープステートやネオコンには、このレプティリアン系の人が多くを占めている。
『たしかに半分以上はレプティリアン系の魂だが、その中にいる日本人は一〇人もいないぞ。日本人のほとんどは重要な使命を与えられた因縁ミタマから、肉体を横取りして好き勝手やってるワンダラーだ』
この略奪型ワンダラーは第八話で触れた魂のカテゴリーだ。
世の中には神様から国や地方の要人となる運命や、大きな影響力のある立場になる運命を与えられて生まれてくる人がいる。それが因縁ミタマだ。もちろん運命とはいえ絶対ではない。運命の時までに必要な能力や条件が満たされてなければ、その運命はバックアップとして用意されていた二番目、三番目の人にまわっていく。
とはいえ因縁ミタマの肉体には何かと予定されていた運命がめぐってくるため、それを奪えばそれなりの運命や地位を享受できる。肉体を奪ったワンダラーは、それだけ好き勝手に振る舞えるわけだ。
「略奪型のワンダラーって、どのくらいいるんですかね?」
『日本では一・何%のレベルでいるぞ。比較的裕福な家庭に生まれて、若い頃にクリエーターやミュージシャンを気取って結果が出てないか、グレた経験のある人はだいたい肉体を横取りしたワンダラーだな。こういう連中は、まず貧しい家庭に生まることはない』
「そりゃあ地球で良い思いをしつつ楽に経験値を稼ぎたい魂ですからね。よほど経験値が美味しい肉体でもなければ、わざわざ貧しい家に生まれようとはしないでしょうし……」
経験値が美味しい肉体というのは、先天的に病気や障害のある人や、幼いうちにそうなる運命にある人だ。この手の肉体の中には本人は何一つ生きる努力をしなくても、周りがいろいろと世話をしてくれる上に多めの経験値が転がり込んでくる『超』が付くほどのボーナスステージのものがあるそうだ。こういう肉体は奪い合いだというが、その不自由さに恨みごとを言ってるのは、ほぼ勝ち取ったワンダラーに違いないらしい。
「それにしてもワンダラーに肉体を奪われた因縁ミタマって、一・何%もいるんですか? たしか因縁ミタマは二%もいなかったと記憶してますが……」
『それは残った数だ。まず因縁ミタマになる霊格値六五〇以上の人は、世の中に三%あまりいる。この人たちは修業のために、一応は全員に何らかの運命が与えられるんだ。だけど、そこから一・何%の肉体が奪われるから、残りは二%足らずというわけだ』
「ああ、なるほど。数字の辻褄は合ってますね」
念のために断っておくが、因縁ミタマになる霊格値は目安だ。それより低くても抜擢されるケースはあるし、神様の目に留まって人生の途中で扱いが変わるケースもある。
「それで肉体を奪われた人の魂は、そのあとどうなるんですか?」
『そこから先は本人の自由だ。だいたいは一般の魂たちに雑じって生まれてくる。その場合は因縁ミタマ用のスペックの高い肉体ではないし、肉体ごとにちょっとしたクエストみたいなものはあるが、天からの使命や運命は与えられてないから「ラッキー」なんて思ってるんじゃないか?』
「それなりに自由に生きられるんですもんね。ところで因縁ミタマ用の肉体って……?」
『使命をしっかり果たしてもらうために、健康で運動ができて脳の感度が高い肉体が多いぞ』
「脳の感度?」
『簡単に言えば知能指数が高いと思ってくれ。一般用の肉体は、それらが劣ってというわけではなく、ちゃんと調整されてないから性能を十分に発揮できないという感じだな。たとえば運動能力は高いのに、心臓や肺にちょっとした問題があるから思いっきり動けないとか。声は魅力的なのに音感が悪いとか……』
「それが個性になる人もいますけどね」
いいんだろうか、そのたとえは……。
「それで気になるのですが、最近になって増えてきた地震や火山ですが、神様がキレたから起こされたんですか?」
『カムチャツカとパプアニューギニアの噴火は、まさに大地の神の怒りだ。日本で起きた三月一六日と一八日の地震は、それとはちょっと違うがな』
「どんなふうに違うのですか?」
『まず三月一六日に福島県沖で起きた地震に関しては、これは地の神たちのサボタージュだ』
「サボタージュ?」
『日本の地下では大勢の地の神たちが、ゆがみのエネルギーを散らして大きな地震が起こらないように働いてるんだ。だけど一部の神たちが最近の人間のために地震を抑えるのがバカらしくなって、手を抜いたらしいんだよなあ。その結果……』
「ゆがみが広がって、ドカンと……」
『その通り。その気持はわかるだろ?』
「日本では昔から政治がおかしくなると、大きな地震が起こると言いますもんね」
天界の神様の怒りではないけど、これは現場の神様の怒りだなあ。
「誰に対して怒ってるんですかね?」
『そこまでは知らんよ。でも、心当たりはありすぎるだろ』
たしかに心当たりがありすぎる。
「それで、一八日の地震の方は?」
『それは神とは無関係だ。アメリカが未来を書き換えるために、世界線を変えてやり直そうとしてきた。その影響が日本に出たんだ』
これは第一五話から一九話で語った歴史のチート行為だ。それによる時空のゆがみが、どこかで地震や気象災害となって出てくる。
今回はそのとばっちりが日本で出たというわけだ。もしかしたら、地震のあったあたりが改変に絡んでるのかもしれない。
「何を狙ってるんでしょうね?」
『第三次世界大戦の結果を変えたいんだろうな。具体的に何を変えたいのかは、その時が過ぎてみないことにはわからないが……』
さらっと、第三次世界大戦って……。
ということは歴史改変は三沢基地が関係するのか。それとも三陸沖で重要な海戦が繰り広げられるのか……。
「今のところ天界の神様の怒りは、火山が二回ですか?」
『いや、二二日から二三日にかけて日本を襲った寒波だ。ウクライナ情勢とは違うが、ちょうど一六日の地震で一二基の火力発電所が止まっただろ。それで怒りついでに問題を認識させるために、突貫で仕掛けてきたって感じだろうな』
「さすがは天界の神様。冷静に怒ってるというか、それはもうとばっちり感があるというか……。とはいえ今の日本、原子力発電所が止まったまま、火力発電所も老朽化したものに頼ったままですもんね。民主党政権時代に作られた地雷が一〇年以上も放置されて、未だ処理されずというか……」
『日本は平成時代に入ってから役人や政治家の質どころか、実業家の質までどんどん悪くなってきてるからな。いい加減に市民がキレても良い頃だ』
「その日本市民よりも先に天界の神様がキレたんですよね?」
『そうなんだよなあ。自分のことは自分でやらないと成長できない。だから天界の神たちは「地球人のことは地球人に」と静観を決め込んでいたんだ。だけど、地球をネガティブな状態にしようとする邪鬼連中が、あまりにも暗躍しすぎてるし、不法移民のワンダラーも八割を超えて、正統な地球人の魂は全体の六分の一程度しかおらん。そういう状況を無視して、いつまでも静観して「正統な地球人が何とかしろ」と言い続けてたら、そっちの方が無責任だ』
「キレたと言うより、シビレを切らした感じですか」
日本人がMすぎるという意味ではなさそうだ。
「でも、停電は回避されちゃいましたねぇ」
『乗り切ったのは素晴らしいが、それで政治家や関係省庁が次も大丈夫だろうって決断を先延ばしにするだろうな。ホント、いい加減に市民がキレるぞ』
「その日本市民がキレるのは、いよいよ四月からって守護神様は予言してませんでしたか?」
『俺が答えたのは「四月に我慢の限界に達する」だ。キレて事件が起こるのは六月からだな。まあ、すでに何人かの政治家がメディアから外方を向かれて、報道から干され始めてるけどな』
「メディアの反乱ですか?」
『正しくは良識のある現場のサボタージュだ。現場は干してやろうとしてるが、まったく反省してない上からの指示で、渋々画面に登場させたり、書きたくもない記事を載せたり……』
「いろいろ腐ってますねぇ」
ついメディアという括りで考えてしまいがちだが、あくまで劣化してるのはエリートを気取ってる人たちに限られる。最前線で働いてる人たちは、できるなら良いものを作りたいと思ってると信じたいけど……。
「これから世の中は、どのように変わっていくんでしょうね?」
『更に大きな変動はあるが、あと数年の辛抱だ。松の代が二〇二四年から始まる未来は変わってない。それが末端に広がるまで混乱は続くが、それも二〇二八年までには終息するはずだ』
「それは遠いのか近いのか……」
『すでに建て替えが延びた十年は過ぎてるんだ。それに比べれば短いだろ?』
「そういえば日月神示にもありましたね。十年って、どういうことですかね?」
『文字通り、建て替えが十年延びたんだよ。昔からある終末予言の時期が二〇一二年から二〇一八年に集中してただろ。その通り、本当は二〇一〇年代に建て替える予定だったのを、十年延ばして今になってるんだ』
たしかに著者が子供の頃から聞かされてきた様々な予言は、二〇一〇年代に集中していた。
二〇一四年は新約聖書のヨハネの黙示録。二〇一六年は仏教の弥勒予言。二〇一八年は旧約聖書のダニエル書。二〇世紀の予言者たちは二〇一五年を終末と言ってたし、キリスト教の聖職者たちは二〇一六年こそが終末だと言っていた。そして、あとから二〇一二年一二月二二日にマヤ暦の予言が加わって……。
だけど、その予定が変わったことを日月神示では、
建て替えが十年延びたと知らしてあろうが(祭りの巻 第一二帖)
と断ってる。
「これから建て替えは、どこまで進むんですかね?」
『第四の岩戸までは完全に通過して、リベラルだ共産主義だSDGsだとやってる連中がすべて地に落とされる世界線が八三%だ。更に四〇%の世界線では学歴だけの低知能エリートの半分以上が大グレンで地に落とされる』
「高学歴エリートが、どうして落ちるんですか?」
『簡単な理屈だ。今の日本は長い不景気が続いてたから、失敗に対する評価が厳しくなりがちだ。そのおかげで自分からは何も新しいことをせず、他人の成功例を真似るだけの無能ほど出世しやすいんだ』
「それでいながら知的財産がどーのって、矛盾してませんか?」
『それが普通というか、健全な感覚だよ。他人のアイデア頼りで猿真似しかできない人の評価は低くなる。今のような不況期はまだ学歴などのメッキで誤魔化せているが、景気が回復したら世間の評価が一気に変わってくる。それだけの話だ』
「それで半分のエリートが地に落とされるんですか? その穴を埋めるのは……?」
『低知能エリートたちから攻撃されて、引きこもっている高IQの人たちだ』
これは第三三話で触れた話題だ。
「長年の引きこもりから社会に復帰できますかね?」
『今の世の中のままだったら難しいだろうな。だが、世の中はそういう人を引っ張り出すように動く。そういう人を数年前まで低知能だ何だと勝手な憶測で語っていたのが、いざ調べたらIQ一三八以上の人が多いという事実が知られてきたのが、そういう動きが始まった現れだ』
今のエリートたちが勉強してきた努力は否定しないけど、戦前の帝大生の平均IQが一三四あったのに対して、今のエリートは東大生でも一二〇だ。日本人の平均IQは一〇五だから、一二〇は八人に一人はいる程度のレベルである。
そしてIQが二〇近く離れると、低い方からは高い人の深い考えは実績という結果で示されるまで理解も想像もできない。「馬鹿と天才は紙一重」の言葉の真意は、理解できない相手は取り敢えず「馬鹿」と定義しておくという人の心理を表したものだろう。
まさに、そういう人間心理の被害が、IQ一三八以上の人に顕著に出てるのかもしれない。
「IQが高いの人の特徴は、今は引きこもっていても、若い頃はどんなに酷いイジメを受けて身の危険があっても、知識欲の方が強いために登校拒否はしてない……でしたよね?」
『そうだ。しかもイジメを受けたら学校から逃げ出すぐらいのことはするが、それでも朝になるとズル休みもせず登校してくるような子だな。そもそも知識欲が強いから、ズル休みなんて思いもしないんじゃないか?』
「普通は強いイジメを受けたら、登校時間になるとストレスで拒否反応を起こしそうですけどね」
『それと二〇代の頃は優秀な社員として頭角を現すが、出世が始まった途端、上から厄介者としてリストラを食らう共通点もある。今はまだ情報感度の高い人たちがこういう事実に触れ始めただけだが、これから中高年の引きこもった高IQ者が少しずつ発掘されて世に出てくると思うぞ』
「出てきますかね?」
『元は地を治めるために地上に降ろされた魂だ。一歩踏み出せるかは本人次第だが、それでも運命に押されて表に出てくると思うぞ』
世の中には中高年の引きこもりが六〇万人もいるらしい。そこから登校拒否の経験者や三年以上の社会経験がない人を除くと何人ぐらいになるだろうか。
ちなみに今の中高年の人口は約四九〇〇万人。そのうちIQ一三八以上の人は約二五万人だ。このうちの何人が世の中から弾き出されて引きこもらされているのだろうか。
『そしてメディアが偏向報道や情報操作を改心した三一%の世界線が、第三の岩戸を通過する』
「え? これまでの話は、第四の岩戸を抜けた世界線の話だったんですか?」
でも、たしかに松の代が期待できそうだ。そして日本は江戸時代以来経験のなかった、本当の好景気を経験するんだろうね。
ちなみに一九九〇年前後のバブル経済は「景気の波」という相対的な物の見方では好景気だったけど、絶対値を使った経済指標的な意味では、まだ不景気を抜けてなかったんだよねぇ。あれでもまだ本当は不景気だったのだから、本当の好景気はどれほどのものになるのか。ハッキリ言って想像もできない。
「今回の岩戸開きで、第二の岩戸まで抜ける世界線はあるのですか?」
『あるぞ。二%だ』
「少ないけど、あるにはあるんですね。では、第一の岩戸は?」
『それは事情があって、今回の岩戸開きの対象外だ。第一の岩戸まで開かれたら宇宙人がバンバン地球へやってくる世の中になるが、地球の神としては、いきなりそういう事態になるのは避けたいらしい。天界の神々としては、五つの岩戸を一気に取り去りたいみたいだがな』
「それはそれで見てみたい気はしますが……」
でも、そうなったら地球人の価値観やら科学知識が一気に壊されるから、地球の神様としては猶予が欲しいんだろうね。
「スピリチュアルで言われるアセンションは、どんな感じで進んでますかね?」
第四話で触れた話題である。
『無事に岩戸開きしたじゃないか。少なくともこの世界線は、真ん中より上の良い方にいるぞ』
「ということは、エリートの半分が地に落ちるまでが確定ですか?」
『今の状況なら七割だ。それだけの自称エリートが地に落とされて職を失う』
「それでも三割は残るんですね」
『そりゃあ法律に守られてる──最近の言い方を使えば上級国民がいるからだな』
「そういう人たちに退場を願うには、法律を変える必要があるんですか?」
『安心しろ。ここは神の国日本だ。法律が許しても大地の神が許さなかったら、お土の上にいられなくなる』
「そのフレーズ、日月神示にありましたね」
そのフレーズとは、
改心できておらぬと臣民は苦しくて
日本のお土の上におれんようになるのぞ(地つ巻 第三五帖)
借銭なしでないと、
お土の上には住めんことに今度はなるぞ(夜明けの巻 第一三帖)
だ。日本では某ゴーンのように、面の皮の厚さは関係ないらしい。
「本当にそういう時代が来るんでしょうかねぇ?」
『今は鳴門の渦に巻かれて、時代の流れに身を任せるしかない状況だからな。不安になるのも仕方がない。とにかく平常心で乗り切れ。この先はなるようにしかならん』
「で、無事に生き残ったら……ですか。試練が怖い……」
悩ましい時代である。
というところで締りは悪いが、今回の話は終わりである。
思いつきで書き始めた話題であったが、ちょっと長くなってしまった。




