第23話 岩戸開けについて聞いてみた
『前回は岩戸閉めについて語ったから、今回は岩戸明けについて語るぞ』
ということで、前回の続きである。
『天界の神々は地球が地獄の底辺に落ちて直接手を出せなくなったからといって、そこで見放したりはしない。天界から使命を与えられた魂が地上に降りて、岩戸をこじ開けようと奮闘してきた。それが功を奏して、一つずつ逆の順番で開けられてきている』
「今、どこまで開いたんですか?」
『三つ。いや、四つまで開きかけてる……かな』
「あと少しですか?」
『そうだ。今はすべての岩戸を開け放つ、三千年に一度のチャンスと言われている』
このあたりは日月神示の中でも触れられている話だ。
『まず五番目の仏教伝来による岩戸は、日本では廃仏毀釈によって完全に開かれた。それまでの神仏習合で中味が日本神道になってた日本の仏教は、このあと俗に葬式仏教と呼ばれる儀式だけの存在になっていくんだ。西洋でも教会が聖書の内容から離れて身勝手な教義をどんどんと広めて私腹を肥やしていた。それに反発した人たちによって、宗教改革が広まっていったんだな』
「それで偽りの宗教が正されていったんですね」
『四番目の神武東征による岩戸は、国家神道のでっち上げによって打ち消された』
「え? どっちも天皇中心の世の中にされてますよね?」
『見かけはそうかもしれんが、人が支配する世の中から、間接的ではあるが神が支配する世の中に戻されつつあるのは事実だ』
「天皇制が……ですか?」
『いや、身分を持たない市民階層の誕生や、民主主義だ。まだ不完全だが、宗教や政治団体に属さない人たちの民意には、神や悪魔の力が働きやすいからな』
「神様はともかく、悪魔の力が働いたら意味がないじゃないですか」
『それは投票の仕方が悪いだけだ。といっても今の投票は悪魔を招くものだが……』
日月神示でも月光の巻第七帖で「投票で代表を出すと、ほとんどが悪人か狂人であるぞ。世界が狂い、悪となり、(中略)ますます混乱してくるのであるぞ」と注意している。
ここでいう間違った投票というのは、一人一票しか入れられない今の選挙制度そのものだ。そのため国によっては問題を穴埋めするために予備選で当選した人しか立候補できないとか、身元調査する複数のNGOのお墨付きがないと立候補できないとか、様々な施策を行っている。
今ならば電子投票や電子集計を利用して、一人で複数票を入れられるとか、候補者一人一人に評価点を入れて点数順に当選させるとか、マイナス票を導入するとかいう方法も考えられるだろう。
他にも民主主義には、メディアによる偏向報道や恣意的なネガティブ・キャンペーンによる世論誘導の問題もある。
『三番目のスサノオ様の高天原追放による岩戸は、まだ完全に開ききってないが、もうほとんど開いたようなものだな。これは日本が敗戦した時に天皇の戦争責任という濡れ衣と憲法第九条問題という必要な軍備まで忌避する大ウソを用意して、これを解決することで開かせるんだ。いまだゴタゴタしてるが、これは時間が解決するだろ』
「つまりスサノオ様に濡れ衣を着せた事件と似たような状況を用意して、その構造を壊させるわけですか」
『まあ、これは儀式のようなものだからな。次の二番目の岩戸事件だって、元は地上界の神々がウソを言いまくるわけだ。それと同じように、日本では一九七〇年代に歴史教科書問題が出た頃から悪質な自虐史観や歴史のフェイクニュースが数多く出てきただろう』
「俗に『反日プロパガンダ』と呼ばれる、左派の人たちが作り出した自虐史観やフェイクニュースですね。私も高校時代の歴史で『南京大虐殺で三百万人が殺された』なんて教えられましたけど、何年かあとには三千万人になってました。このままインフレして二一世紀に入る前には三億人になるんじゃないかと言われてましたけど、なぜかそのあと三十万人に減ったところで落ち着いたんですよね。最近になって当時の南京城区の人口が二十万人だったと知られてからは二十万人に下方修正されてますけど」
『プロパガンダなんて、所詮はその場限りのウソや被害妄想だからな。騙せなければ手口を変える。うまく騙せたならエスカレートして話を盛る。困ったことに日本の歴史学者やマスメディアの中には、反日なら真実よりもプロパガンダに飛びついて便乗する反日左派思想家が多いから、どんなにザルなウソでもまかり通ってきたのが不幸だ。さすがにネット時代になるとマコトの情報に触れる人が出てくるから、どんなに偉そうな肩書きを持ってても通用しなくなってきてるけどな』
「ということは、今は二番目と三番目の岩戸が『完全に』ではないけど、開き始めてるってことですか?」
『その通り。だからこそ反日プロパガンダがひどくなってるんだ』
「海の巻にある『悪口言われ出したら(この世の建て替えに)結構近づいたのだと申してあろう』ですね」
日月神示、海の巻第一帖だ。ここでは『悪口は悪の白旗だぞ』とも語っている。
「最後の岩戸開きは、もう始まってますか?」
『それはどうだろうなあ。取り敢えず、俺はまだ始まってないと思うぞ。前の大戦の時も戦前に二番目と三番目の岩戸開きが始まって大勢の人が死ぬようになってから最後の岩戸が開いた。だが、あの時は戦後処理に失敗して三つとも閉じちまったからな』
日月神示でいう一の御用の失敗だ。
戦前は日本の植民地経営が人道的で経済的にもうまくいきすぎてたから、欧米のメディアが自分たちの植民地主義を棚に上げて日本に濡れ衣を着せ、国連脱退まで持っていったのが三番目の事件に対応した岩戸開けだ。
そのあと世界的な反日プロパガンダが起こって、大東亜戦争から太平洋戦争へと戦争の時代へと巻き込まれたのが二番目の事件に対応する岩戸開け。
そして東京大空襲から大量の無差別の大殺戮が始まり、広島に原爆が落とされたことで最後の岩戸も開いた。この様子は日月神示の夜明けの巻で、神様が小躍りするような文体で語っている。
だけど、二か月後に降ろされた雨の巻で雲行きが怪しくなり、一年後の祭りの巻で完全な失敗が宣言されている。開きかけた最後の三つの岩戸が閉じてしまった。そして三番目の岩戸は再び日本への濡れ衣、ならび国内的には天皇の責任問題と憲法第九条問題として今に至っている。
『今回の岩戸開けも成功するか失敗するかは、今、世界で猛威を奮ってる新型コロナと、このあと起こるちょっとした世界大戦の結果次第じゃないかな?』
「世界大戦が起こるんですか? それは一大事じゃないですか」
『まあ、前の大戦の時も大勢の人が死に始めて、ようやく最後の岩戸が開き始めたからなあ。生死に関わる黄泉比良坂に対応する岩戸だから、大勢の人の死が必要なんじゃないか?』
「その岩戸は、人の血を吸って開くんですかねぇ?」
『オカルトっぽく言うな。大戦は起こるが、日本の受ける被害は東日本大震災よりは小さくて済むと思っていい。それよりも日本は今年一〇月から出てくる、コロナに続く新型感染症を警戒した方がいい』
一〇月に始まる確率は九五%。年内にはほぼ一〇〇%起こるらしい。そして新型コロナよりも深刻になる確率は八三%。ダウジングがどこまで予言できるか。検証する一つの目安である。
「岩戸を開くために、何人の命が必要なんですか?」
『そんなの、知らねえよ。それより日本はコロナ騒動が始まってから一年半かけても、いまだ医師会の協力が得られず、医療対策予算の一・三兆円がまったく手付かずだからな。次の感染症の時にも、このグダグダが持ち越されるのかねぇ?』
「感染者は政治に殺されるんでしょうか」
『為政者も医者も上はおかしな政治的な駆け引きで時間を潰してるおかげで、そのしわ寄せを喰った現場は大忙しだ。すべての岩戸が開いた時、世の中がグレンとひっくり返るというが、ここは俺にもどうなるか予測がつかん。その時、高いところでふんぞり返ってろくな働きができてない連中は、容赦なく地の底へと叩き落とされて、二度と浮上できなくなるだろうな』
日月神示にある一文である。
「その時に落ちぶれていた人は?」
『身魂相当の位置に移るだけだろ。割を喰わされてた人は高く、自業自得だった人はそれなりに……』
「身も蓋もありませんね。ちなみに運が悪かっただけの人は?」
『そこは運命次第。……って、自分のことを聞き出そうとしてるか? これは答えんぞ』
「あ、振り子が動かなくなった……」
守護神様が回答拒否を始めたので、今回はここまで。それでは、次はまた別の話題で……。




