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3章 監獄都市「プリズン」

※注意

下記に当てはまる方は読まないほうが幸せでいられます。


・ファンタジー系RPGがとにかく好きな人

・ロマンチストな人

・真面目な考えを持っている常識人の人


当てはまらない人も、覚悟してお読みください。

間断なく続く叫び声。

地獄の沙汰も金次第、とはよく言ったものだ。



ここは監獄都市「プリズン」

勇者行為の失敗によって、俺たち一行はこの町に連行された。

船代は浮くことになったが、自由は奪われた。


護送途中には仲間から散々非難された。

最終的にはセーラー服禁止令も出されてしまい、夢の一つが奪われた。

そう、ツンデレ+セーラー服+オーバーニーソックスの3連コンボは音を立てて崩れ去ったのである。

大人になるということは、夢を1つずつ捨てて行くことである。

名言だと思った。



最初に会った看守は妙なことを言っていた。


 「お前ら、金はあるのか?」


俺はポケットの中から財布を取り出そうとした。

何に使うのかは知らないが、金はそこそこ持っていたはずだ。

しかし、どれだけまさぐっても財布が出てこない。

落としたか!

ふと、隣を見ると。


 「あれ… 俺の財布…」


なぜ遊び人が持っているんだろう。

問いただそうとする間もなく、女3人は牢に連れて行かれた。

俺は素寒貧だと判断され…


 「金がないと梅の間か…」


プリズンには松・竹・梅の3つの牢がある。


松は完全個室で全室BS・CS完備。

ネットも24時間使い放題で、サウナまでついている。

食事は和洋折衷の豪華セット料理。


竹は3~4人部屋で全室テレビ完備。

TATSUYA(辰屋)のネットレンタルができ、1日2冊までのコミック貸し出し(無料)も利用できる。

食事は数種類のメニューから選択する普通食。


そして、梅である。

15人以上部屋。

娯楽に繋がる類のものは皆無で、申し訳程度のパーテーションの奥にトイレがあるのみ。

食事もあえてにおいをつけてあるような臭い飯。



 「これが格差社会か…」


ござの上に寝転がってみた。 背中が痛い。

こんなところでいつまでも過ごせるわけがない…


 「おいぃぃぃぃ。 おめぇだよ、おめぇぇぇぇよぉぉぉ。」


気づいてはいけない。 これは気づいてはいけないフラグがビンビンに立っている。


 「気づけやぁぁ。 こっち向けやぁぁぁ。」


たいていのモンスターはそれほど怖くない。

けど、この人型モンスターは危険すぎる。


 「お前も手伝えやぁぁぁぁ。 脱獄するんじゃぁぁぁぁ。」


明らかにスプーンで掘っている。 普通の大きさのスプーンで。

だいたい、これだけ大きな声で脱獄なんて言っていいんだろうか。

ふと、外の看守を見ると聞こえてないふりである。

確かに、関わるだけ危険が増す。

しかし、中の人間の安全には留意してくれないのか?


 「おらぁぁぁぁ。 手伝えやぁぁぁ。」


完全にいないものと考えたほうがいい。

無駄な情報は脳からシャットアウトすることにした。




外が少し騒がしい。 何かあったようだ。

看守が騒いでいる。


 「セーケンがっ、セーケンが変わった!」


なんのことだろうか。 さっぱりわからない。


 「おい、お前ら。 ソーセンキョでミンシュトーが勝ったぞ!」


何やら大変なことがあったようだ。


 「明日を楽しみにしてな。 ははっ。」


一体何が楽しいんだか。




 次の日


朝っぱらから、なぜか広い部屋に通された。


 「コンニチハ。 私ハ『レン4』デス。」


 「え? は?」


なんかおばさんだ。 普通の。


 「今日ハ勇者ノ事業仕分ケニキマシタ。」


 「ど、どういうことなんでしょう?」


 「ソノママノ意味デス。 デハ始メマショウ。」


いきなり会議が始まった。


 「勇者ハ必要ナンデスカ? ナゼデスカ?」


 「え? いや、その、世界を平和に…」


 「本当ニ世界ニ平和ハ必要ナンデスカ?」


 「… た、たぶん…」


 「デハ、アナタハナゼ強サヲ求メルノデスカ?」


 「あの… 魔王より強くならないといけないから…」


 「ナゼ魔王ヨリ強クナラナイトイケナインデスカ? 2番手ジャダメナンデスカ?」


そこはダメじゃないか…? と思ったが、この勢いの前に押されっぱなしだ。



 「えーと、正式な仕分けは明日にします。 今日は解散。」


まとめ役らしき人間の一言で解放された。

なんとひどい目にあったことか…



その日の夜


 「サンギインが反乱を起こした!」


 「ミンシュトーも大したことないな!」



なんのことかサッパリわからない。


 「看守さん。 この国はいったいどうなるんですか?」


疑問をぶつけてみた。


 「さぁねぇ。 どこがセーケン取っても大して変わらないでしょ、きっと(笑)」


大して変わらないらしい。




次の日、なぜか解放された。


これもセーケンが変わったおかげ…

いいや、きっとパワーストーンのおかげだろう。


 「なかなか居心地のいいところだったのに、ねぇ?」


 「うん。 ネットレンタル最高よね。」


彼女たちには最高だった地、プリズンをあとにした俺たちは、いよいよ大陸内陸部へと足を運ぶこととなった。

ネタがあれば、またいつか書きます。

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