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Robot

作者: ねる

 私は、とある高校のさらにとあるクラスの一員であるらしかった。

 そのクラスは、これから学校の文化祭で劇を行うらしい。こういった催し物にはいわゆる「頑張りたい派」と「どうでも良い派」が発生しがちであることを私は知っている。ほら見ろ、このクラスだってその通りだ。すでに本番は近いというのに、今でもクラスの目立ちたがりな女子と男子が口論をしている。いまさら何をしたって無駄だっていうのに。

 あぁ、ほら、文化祭は始まってしまったではないか。ちなみに私はクラスの劇の内容は知らない。でもお客さんは大勢居ることは分かる。私は何かの衣装を着ている。

 私のクラスの発表はもうすぐなのに、みんな慌てている。どうやら、役者が足りないらしい。何故だ。何故当日、本番の直前になって役者が足りないのだ。意味が分からない。夢の中だからか当たり前か。みんな慌てている。外階段の上で慌てている。何故階段?分からない。

 そこにふと女の子が現れた。どこから現れた?どこからどう見ても可愛らしい女の子、しかし彼女は精密に作られたロボットらしい。へぇ。現代だったらそんなこともあるか。彼女は困っている人の所に現れるロボットであると直感的に分かった。実際、なんだか分からないけど私のクラスの劇は無事に終わったらしい。良かった。何も記憶にないけれど。

 女の子のロボットは、この世界線では大量に生産されているらしく、すぐに私達の生活になじんでいった。そうして、一人一台、そのロボットを持つようになった。見た目も動作も完全に人間なので、持つという表現もおかしく感じる。しかし、顔はみんな全く同じであり、なんとなく、「持っている」という表現が正しかった様に思う。

 私は今度は温泉のような所にいた。何か分からないが、人がたくさん居た。有名な場所なのだろうか。例のごとく、あの女の子のロボットをみんな連れていた。その女の子のロボットも一緒にお風呂に入るらしい。一緒に脱衣所で服を脱いで、一緒に温泉に向かった。温泉を楽しんだ後、通路を渡っていると、なんとなく怪しい人の存在を感じた。次の瞬間、何かが起きた。何が起きたか明確には覚えていない。何か騒ぎがあったような気もする。でも覚えていない。

 その後、私はカフェに居た気がする。もちろん周りには多くの人が居て、同じ数だけ女の子のロボットが居た。でもそのとき、ふと、違う顔のロボットを見た気がした。この世界線には同じ顔の女の子のロボットしか居ないはずなのに。そのロボットが気になる。男の人の声がした。

 これは何かが起こる予兆だ、と。


 そこで私は起きてしまった。頭がぼぅっとしている。私は高校生でもないし温泉にも行っていない。ましてやロボットが普通にいる世界なんて意味が分からない。しかもつまらないところで起きてしまった。結局何が起きたのだ。何か事件でもあったのか。何か災害が起きたのか。私の想像力では満足するオチは作れなかったのか。本当につまらない昼寝をしてしまった。


 私はふと鏡を見た。いつも通り、よく見慣れた顔だった。

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