〜聖戦の始まり〜
こんにちは作者の さっとん です!
今回、初めてとなる投稿ですので、最後まで暖かい目で読んで頂けると幸いです!
《注意》
私が知らない作品と内容が似てるかもしれません。
初心者なので、下手くそすぎて読む気が失せるかもしれません。
読者様の趣味に合ってないかもしれません。
話が難しいかもしれません。
中途半端なところで終わっています。
プロローグ
1話
この言葉が正しいのだろうか……
地獄の業火に焼かれ、灰となってゆく街を、俺は何度見ればいいのだろうか。
大地を神々しい閃光が縦横無尽に走る。それに遅れて、都市一つ分が吹き飛ぶ爆発が重低音を立てて湧き起こる。
瞬く間に都市は灰と化して、人が永遠に住めない環境になった。なってしまった……
いや、神々がそう仕組んだ。
2話
崩壊しきった都市。
障害物に挟まれた新鮮な死体。
何もかもが荒廃しきった世界。
全ては神の思し召し。
そんな理不尽な世界を『終わらせる』ために、彼は戦い続けると誓った。
極めて細く、まばゆい光線が頬をかすめる。
「痛てぇ……かかって来いよ」
彼はそう言うと、頬から垂れる血流を右手で拭い、そのまま中指を起ててニヤリと笑った。
彼の目前に立ちはだかるのは宇宙人。
奴らは突然地球に現れて、世界を終末へと導き始めた。
「実に残念ですね……フッ……」
そう一言断った上で破壊行為を始めた。
何故今なのか。何のためか。聞いても教えてくれないだろうから、今まで誰も問うてこなかった。
また、それ以上に困惑し、恐怖し、絶望していたから問うてこなかったというのも一つの要因であるのは確かだ。
しかし何故かこの男はそれを乗り越えた。いや、乗り越えたというよりかは、全くもって影響を受けなかったと言った方が正しいのだろう。
まぁ、そんなわけで彼は今、この崩壊しきった都市の高速道路の上に勇ましくも、弱々しく身体を構えている。
寂しく乾いた風が倒壊した建物の間を吹き抜けて、彼の頬を虚しく掠める。
「ふむ……人間の割には精神的にかなり強いようですね。ん?強いのではなく、既に崩壊してるから何も感じない、といったとかろですか……まぁしかし、身体の方はそうもいかないようですね」
「っ……名前……を、言いやがれ……」
「おっと?確か日本人という人達は先に名乗りをあげるのが礼儀でし……」
奴が喋り終わるのを待たずに彼は名乗る。
「俺の名前は、速水勇稀だ……」
どこにでもいそうな無難な名前。
それでも、自分は特別なんだと主張するように堂々と声を荒げて言った。
だが実際、勇稀はそんなこと意識していなかった。
「速水クン、ですか……良いでしょう。そんな無惨で悲しい勇気を目の前にして、名乗らないのは失礼ですからね……」
「てめぇ……」
「よく聞きなさい。全世界の生き残りの失敗作達よ……」
「……なっ……?!」
勇稀は考えた。失敗作とは何かを。
いや考える間でもなかった。失敗作とは我々人類のことだ。
そして、《失敗作》なんて言葉を使うということは……
――奴が人類を創造したのだろう。
そして、今この世界で人類を創造したという伝説、いわゆる都市伝説として多く飛び交っている説はアレだ。
「私の名は……」
そんなこと出来るやつ、奴しかいない。
そう、名は……
「アヌンナキ……ですが?」
アヌンナキだ……
「やっぱな……」
「おや、ご存じだったのですね」
「ったりめぇだろ……」
勇稀は幼い頃からオカルトがまぁ、割と好きだった。特に、古代の伝説や、謎の古代文明。そういった物に興味を示した。
そして、中学性になった頃から、ネットや本を通じてなんとなしに、そこそこ調べ、研究し始めた。
だからこそ、アヌンナキの存在は知っていたし、それに類することも知っていた。
ただ、それが事実とは1ミリたりとも信じていなかった。
勇稀の心の根底には、ただただ空虚な期待がせめぎあっていた。
あくまでも、本当にアヌンナキが存在していたらこの世界はこうだった……という仮説を立てただけだった。
そんな空虚な期待が今ここに、こうして現れているのだから、納得までは出来なくとも、特別驚くことはなかった。
「で?失敗作だっけ?……」
「えぇ。そう申したはずです」
薄くも鋭い目付きで、ニコりと仮面をかぶったような微笑みが勇稀の瞳に飛び込んでくる。
もちろんそんな態度、勇稀が許すはずがなかった。
「……」
沈黙がしばらく続くと、
「怒りと憎悪が剥き出しですよ」
と、そうアヌンナキが言う。
勇稀の表情は、眉間にシワを寄せ、顔をしかめて睨みつける怒りの感情が浮き出ていた。
それでも勇稀は黙っている。何かを考えるように……
勇稀は自分の脳を出来る限りフル稼働させた。細かな身体の震えに耐えながら。
何かないか……何か……こんな常人の俺でも奴を倒せる方法は無いのか?
考えた。自分が知る限りの方法を……
そもそも奴に物理攻撃が通用するのか?奴の最大火力はどれくらいだ?奴の得意攻撃は?
そんな事を考えているうちに勇稀の脳は限界に達した。それはそうだ。人類最大の危機なのだから。
「おや、少しばかり考えすぎなのではないですか?頭の中も外も、真っ白ですよ」
文字通り、真っ白。
勇稀の頭は、年老いた老婆のように白髪になっていた。そして顔もやつれていた。
相当に過度なストレスを身体が受けたのだ。
「……」
魂が抜けたようにどこか遠くを見つめている勇稀。
「本当に残念ですねぇ……仕方ない、私自らの手刀で解放して上げましょう」
またもやニヤリと不快な笑みを浮かべて、銀色の長髪をなびかせながらゆっくりと地表に向かって降りてくる。
しかし、地面に足をつけることはしなかった。
そしてゆっくりと、人が歩くのと同じ速度で浮遊しながら近づいてくる。
「……」
それでもなお、脱力したまま呆然と絶望し続ける勇稀。
遂に、アヌンナキが勇稀の目前まで来て止まる。
「憐れですねぇ……それでは、永遠に、さようなら……」
そう言うとアヌンナキは自らの右手を高く掲げて、さらに勇稀に接近する。
「神威、全知全能の聖手刀……」
アヌンナキがそう言い放つと、その右手に稲妻が落ちて電流を帯びる。そして、振り下げる。
その瞬間、時間がスローモーションになったように勇稀は感じた。
アヌンナキの右手は勇稀の首元まで降りてきて、そのまま鮮やかな曲線を描いて勇稀の首を横にスライドする。
だが、電流が綺麗な軌道を描いたはずのところに勇稀の姿は存在しなかった。
この物語の主人公がそんな簡単に、今こんな所で息絶えるわけがなかった。
「遅い。後ろだ」
3話
『お前さぁ、流石に勉強しないとヤバいって』
『そうだよ』
『なるようになるさ』
そう、本気で思ってた時期が俺にもあった……
けれど、そんなに世の中は甘くはなかった。どこで道を踏み外したたのだろうか……
「んっ、んふぁ〜……んふぅ……」
どちらかと言うと喘ぎ声に近いあくびが、パソコンとモニターの光と、真っ暗な闇だけが存在する部屋に響く。パソコンのモニターにはとあるゲームの画面が映し出されている。
肩がこったので肩を軽く回す。それに首も……関節がゴキゴキと音を鳴らす。そして仕上げの背伸び。
パソコン内のデジタル時計に目を寄越すと、既にAM3時を回っていた。つまり、ゲームを始めたのが昨日の夜8時だから……
「計算すんの面倒くさ」
現在25歳のクソ引きニート。良く言ってもフリーター。勿論独身。
これはかなりヤヴァい……
無論、ダラダラとゲームばかりやっている訳でわない。
「サラダさん。ゲームばっかやってないで働かないとー……」
ゲームのボイスチャットで古くからの友達がズバリ正論を突き刺してくる。……痛い……
ちなみに『サラダ』は俺のユーザー名。
「…………」
「サラダさん?」
「…………」
「サラっ……おいサラダ!!働けっつってんだろ!!」
「っ?!……ちゃんと就活してるし……」
「そのちゃんとってのは、面接にだけしか行かない『ちゃんと』でしょう?」
「…………」
ってな感じで友達にお叱りを受ける程のだらしなさだった。
未だに親のすねをかじって……かじると言うより貪っているこの最底辺。
このままでは《就活》ではなく《終活》をすることになってしまう。
いやマジで。笑えないから。
しかし、そんな安泰(本人)で地獄(親)の日々に、終止符はようやく打たれる。最悪の形で……
4話
その終止符は不本意にも、テレビで報道される程の《事件》となった。なってしまった……
その事件に付けられた名前は……
《一族皆殺し放火事件》
刑事ドラマなんかではない。
読んで字のごとく勇稀の一族が皆殺しにされたのだ。
一族が集まる宴会に突如として燃え広がる炎。
放火だった。それも、勇稀を無理矢理取り返すための犯行だった。
取り返す。というのも、勇稀が中学3年のときに両親が離婚。そして勇稀どちらの親について行くか迷った末に、母親の方について行ったのだ。
その判断には色々な理由が込められていた。
勇稀自身も親が離婚した事実に抗おうとしたが、中学3年で受験生ということもあって、先に心が折れてしまった。
その時だ。勇稀の精魂にヒビが入ったのは……
それから色々なことが積み重なり、気づけば勇稀の精魂はズタボロになっていた。
「さて……どうすっかな……」
そう言いつつも、ゲームに明け暮れる勇稀。
事件後、勇稀は一度たりとも泣くことはなかった。
それは、悲しみや怒りの感情が既にどこかへ消し去られていたから。
しかし幸いにも、勇稀がたった1人の遺産相続人となり、今後30年は遊んで暮らせるだけの金が入ってきた。
なので、勇稀の人生は怠惰を極めた。
食事は殆どデリバリー。家政婦を雇って、週に一度家事を頼んでいる。挙げ句の果てには好きなアニメのグッズやイベントなどに金をつぎ込み、自由気ままに暮らす日々。
完全なる廃人と化した勇稀のことを、快く救ってくれる人などこの世に存在しなかった。
身内も全員他界。古くからの友達とも縁を切られ、勇稀にはもう何も残っていなかった。
あるのは嫌でも流れゆく日々。無造作に散らかった虚しい部屋。構ってくれるが、冷たく炎上するネット。それと、自身の不健康な身体と空っぽの心。
そんな日々がしばらく続いた……
が、誰も予想していなかった事態になったのは、西暦2030年の心地良い春のことだった。
1章『何がそこまで君を動かす』
1話
「遅い。後ろだ」
そう言い放つと、勇稀は袖に隠していたペティナイフでアヌンナキに斬りかかった。
「これはこれは……」
しかし……
「っ!?」
勇稀の身体はまるで自分のものではないように、アヌンナキを切りつけようとしたペティナイフを自分の心臓に向ける。
というか感覚が無いのだ。
口を動かすことも、脳で考えることも、その目にアヌンナキを焼きつけることもできなかった。意識が無いのだ
まさに無。
色彩も分からない、どこかも分からない。ということさえ分からない、永遠の無の境地に存在した。いや、存在すら存在しないのかもしれない。
とにかく、まさに無。なわけだ。
そんな中、勇稀の消えていた意識が再び甦る。
文字通り、甦る。
2話
俺は転生した。
それしか言いようがない。
ただ、異世界とかではなく、元いた世界そのまんまの世界。
しかし、自分が死んだ2036年より6年前の世界。
《転生》と言っても、産まれたての赤ちゃんとして生まれたのではなく、前と同じ体で転移したと言った方が正しい気がする。
何故、転生なんてしてしまったのかは分からないが、勇稀は別に動揺しなかった。
むしろ、不満しかなかった。
なぜ異世界転生じゃないだと。
勇稀は最初にホームレスになるのを避けるために、戸籍を作った。
そう、まず戸籍も無かったのだ。親もいなければ家も無い。それはかなりまずい。
役所で戸籍を作る時、受付のおばさんに疑心のこもった目で見られていたが、たぶん大丈夫だよな?
勇稀は心の中で不安を募らせながらも、やっとの思いで戸籍は獲得できた。
だが、ここで終わりではない。
働き口を見つけないと割とまじでヤバい。
なぜなら今の勇稀は一文無しだからだ。
と、いうことで、バイトの面接を受けまくった。数にして100社以上、回数だと200越えだ。コンビニやスーパー、食品加工の工場や土木作業など。接客から力仕事まで様々なバイトの面接を受けた。
しかし、なかなか決まらなかった。
「そりゃそうだよな……」
2030年より前の履歴が全く無い、身元がほとんど不明の奴なんて雇うわけがない。
良く考えれば分かったことだ。
いや、考えなくても、頭の片隅に居座っていた。現実という無差別で冷酷でシビアな世界がね。
お疲れ様です。
何故かって?そりゃぁ、下手くそでつまらない作品を読んでくれたからです。
ありがとうございます( ^ω^)ニコッ
実は、ほとんどの執筆場所はトイレです(笑)
近頃はだいぶ冷え込んできて、我が家の執筆部屋も身を大きく揺さぶる程寒いです(笑)
読者様も身体には気をつけて下さい。
さてさて、ここからは謝辞になります。
相談に乗ってアドバイスをくれたS君、T君、R君、N君、K君、ありがとうございました。
それから、飯食わせてくれたお母さん、ありがとうございました。
そして、まだ見ぬファンの方々、ありがとうございます。
「まだまだだな笑」という感じですが、これからも日々、精進して参りますのでよろしくお願いします。
さっとん