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兎小屋  作者: 雨世界
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 二学期の終わりに桜南小学校六年二組の教室で一つの事件が起きた。

 それは新井勇気くんが南野絵美ちゃんに恋の告白をしたのだ。

 それも勇気くんはみんなの前で絵美ちゃんに告白をした。(美月は初めて誰かが誰かに恋の告白をする瞬間を見た。本当に驚いたし、びっくりした)


 勇気くんはみんなの前で、「今から好きな子に告白をします」と宣言をして、そのまま絵美ちゃんの前まで移動をして、絵美ちゃんに「南野。お前のことが好きだ」と告白をした。(絵美ちゃんは顔を真っ赤にして固まってしまった)


 その勇気くんの告白を絵美ちゃんは「はい」と言って、受け入れた。

 それでその周囲にいた(二人を中心にして輪っかになっていた)六年二組のみんなは大騒ぎになった。(そのせいであとで、担任の梅子先生に注意を受けて、それから生徒指導の墨田先生にすっごく怒られてしまった)


「勇気くんの告白すっごく驚いたね」

 兎の世話をしてからのいつもの帰り道で、美月は真琴くんにそう言った。

「あいつ。ああいうとこあるからな。なんかみんなを驚かせてやるっていうか、そういうノリのよさみたいなところ」真琴くんはいつものように土手に生えている長い草を手に持ちながらそう言った。

「真琴くんは勇気くんが絵美ちゃんに告白するって知ってたの?」

「うん。あいつ、みんなに俺、今日南野に告白する、って宣言してたからな。一応知ってた。まあ、本当にするとは思ってなかったけど」と真琴くんは美月の顔を見てそう言った。

 真琴くんの顔は夕焼けの色に染まっている。


「勇気くんすごいね。私だったら、絶対にみんなの前で告白なんてできないな」美月が言う。

「勇気はそういう風に自分を追い込まないと行動ができないタイプなんだよ。ああ見えて案外あいつ、臆病なんだぜ」真琴くんが言った。

「あの勇気くんが?」

「ああ。たぶん、ああでも言わないと、一生南野に告白できないと思ったから、思い切ってみんなに俺、今から告白するから、って言ったんだと俺は思ってる。勇気はそういうやつだよ」


 真琴くんの話を聞いて、美月はなるほどな、と思った。


「あのさ、西谷」と真琴くんが言った。

「なに?」美月が言う。

 すると珍しく真琴くんは少し照れくさそうな顔をしてから、「勇気と南野の話がでたからってわけじゃないんだけどさ、……西谷。お前、今好きなやつとかいんの?」と真琴くんは視線をそらして美月に言った。


 その真琴くんの言葉を聞いた瞬間、美月の顔は瞬間湯沸かし器みたいに一気に沸騰して、真っ赤になった。

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