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兎小屋  作者: 雨世界
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「はい。西谷です」

 お母さんが電話に出た。


 その電話は梅子先生からの電話だった。


「すみません。西谷さんのお宅でしょうか?」

「はい。西谷です」

「台風の日に申し訳ありません。私、西谷美月ちゃんの担任をしている小竹梅子と言います」

「ああ、梅子先生ですか。どうも。いつも美月がお世話になっております」

「はい。それでですね……、実は……」

 美月はお母さんの会話から、それが梅子先生からの電話であるとわかった。


「はい。はい。わかりました。少しお待ちください」

 そう言ってからお母さんは受話器を手で押さえながら「美月、ちょっと」と美月を電話のところに呼んだ。

「? なに?」

 美月は電話のところまで移動する。


「美月。尾瀬真琴くんと今日、連絡を取ったりした?」

「ううん。してないよ」美月は言う。

「真琴くんがどうかしたの?」

 美月は言う。

 すると美月のお母さんは少し考えてから、「真琴くん。家からいなくなっちゃったんだって」とすごく心配そうな顔で美月に言った。


 真琴くんが自分の家からいなくなったのは、この小さな街に台風がやってきてから、すぐのことだった。

 仕事帰りの真琴くんのお父さんが真琴くんが家の中にいないことに気がついて真琴くんを探し始めたのはそれからすぐのことであり、真琴くんのお父さんはいくつか真琴くんがいきそうな場所を探したあとで、桜南小学校に電話をかけた。

 すると、担任の梅子先生がその電話に対応をした。(学校にいた事務員さんから、連絡が回ってきたらしい)


 ただし学校は夏休みでお休みだったため、梅子先生はその日、自分の家にいた。


 梅子先生はまず勇気くんの家に電話をかけた。(でも、真琴くんはいなかった)

 そしてその次に、あることが気になって梅子先生は美月の家に電話をかけてきたのだった。


 美月はお母さんに電話を変わってもらって、梅子先生と話をした。


「美月ちゃん。ごめんなさいね」梅子先生は言った。

「いえ、別に大丈夫です。それよりも梅子先生。私、真琴くんの行き先に心当たりがあるんです」美月は言った。(その美月の思いは確信に近いものだった)


「ええ。実は私も一つ、心当たりがあるの」梅子先生は言った。

「その場所は……」


『兎小屋』

 と、美月と梅子先生は声を揃えてそう言った。

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