日常会話
ちょい下ネタ。
あれ以来、俺と加藤は俺と飯を共にする仲になった。
そうすると変な男も言い寄る。(俺に)
「お前加藤由比とどんな関係なんだよ!?」
どんなって、幼馴染っすよ。
いやあね。
「あの学年トップと学年ほぼ最下位のお前が一緒にいることなんか地球が割れてもあっちゃいけないことなんだぞ?」
は、学年トップぅ?
マジですか?!
って、俺がほぼ最下位って言うのもマジですか…。
「って聞いたんだけど」
「そんなことより部員集めだろ、バンドだったらボーカルとギターとドラムとベース。ほら、できそうなやつお前のお仲間にいる?」
無視ですか。
そーですか。
いーもんいーもん。
あとで先生にきいてやろ。
「まわりにはいないよ」
「友達いないの?」
コノヤロウ。
「いるよ、たくさんいるよ。もうすれ違った人が全員友達だよ」
「そりゃすげえ」
もうこの人やだ。
「俺とお前はなんなの?」
なんなのって何が。
「お前はギター?俺は?」
「その俺って言うのやめない?」
「やだ。俺は何?」
こいつを女としてみないことをここに宣言した。
かわいくなーいかわいくなーい。
「おいこら、答えろや」
「ボーカルがいいお前は。」
「日本語変。」
クォーターですから。
って関係ねぇ。
「俺って歌うまいの」
疑問系で聞けよ。
「うまいよ」
「ふうん」
あれ、もしかして照れてます?
あら、やだ。
前言撤回してやってもいーよ。
結構かわいいところあんじゃん。
このこも人の子!
思わず頭をなでてやりたくなる。
「前から気になってたんだけどさ、」
「なぁに?」
思わず猫なで声で答えてしまった。
由比の目が気持ち悪いものを見るような目になった。
ごめんよ。
でもすぐ普通の顔に戻りさっきの質問を続けた。
「その髪地毛なの」
「あれ、ちーさいころいわなかったっけ?」
由比のしゃべり方がだんだん気になってきた。
なんだ、その日本語を覚えた原始人みたいなしゃべり方は。
気になる。
疑問系を疑問系で聞いてこないのも気になる。
でも、やじゃない。
どちらかというと好き。
「じゃあ、」
なんだ、次はどんな質問だ。
「チン毛もオレンジなの」
驚愕の一言。
しかもかわいらしく小首を傾げやがった。(兵器だ)
思わず口を開いてしまった。
どんどん血が顔に集まってくるのがわかる。
ものすごい体温の俺!
いま髪の毛とおそろいの色してんじゃないかな。
って俺の髪はオレンジ、おれんぢ…。
「おおお、女の子がそんなこと聞くなよぉぉぉっっっ!!!」
「気になるもの」
って、このこ!
俺のベルトに手ぇかけやがった。
「あーっあーっ!!!なにするかね!!!!ぎゃー!」
「教えてくれないならしらべる。」
「ちょ、ああ、!!!!!!!!!!!!」
その日、俺の叫び声は全校生徒に聞かれてしまったらしい。
先生が急いで屋上に来てくれたけど、遅い。
もう見られてしまった。
泣きながらベルトを締めていると、40過ぎの堵陀先生に汚らわしいと言われてしまったし、なにしてたんだ、と担任の佐藤先生に呆れ顔で見つめられた。
屈辱だ。
由比は普通の顔で俺を見つめていた。
このヤロウ。
ああ、このせりふは今日二回目だ。
「オレンジ」
「っっっっっ」
まだ言うか。
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