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むかしばなし。

昔。


そんなに昔ではないけど、約5年前。

俺は3人家族だった。


俺と、母と、そして父。


母と俺は昔から仲が悪かった。

俺と母の間に父が入っていて、やっと「家族」でいれた。


父はやさしかった。

休日には俺と遊んでくれたし、平日にはいつも俺が学校から帰ってくるのを待ってくれていた。


父は無職だった。

それに気づいたのは真夜中、目が覚めたとき、母が父に離婚を申し付けたときだった。

『あなたのような負け犬と、何で結婚したのかしら。昔はちゃんと職に就けてたのに…。出てって頂戴。孝まであなたみたいにしたくないわ』


次の日、父の物と一緒に父はいなくなっていた。

俺を残して。


『お前なんて嫌いだ!!!!』

母に叫んだ言葉だった。

後悔なんてしなかった。


『母親になんてこと言うの!』

ぶたれた。

普通の親がするような行為ではなく、暴力。

ぶつだけでなく、蹴ったり、煙草をおしつけたり。


いわゆる、虐待。


小学校の頃はほとんど毎日。

でも中学にあがってぱったりやんだ。

俺の勉強の成績を見てやめたんだとおもう。



「っとここまでで質問は?」

なんてちょっと冗談を言ってみた。

「…」

加藤は黙り込んだ。


本当は誰にも話す気はなかったんだ。

でも、加藤にははなしたかった。

俺の過去、俺の思い。


「なんでやめたの」

やっと加藤が口を開いた。

「なにを?」

「…暴力」

極力小さな声で加藤は言った。

結構優しいんだな。

なんて思った。


「んーとなあ。多分、優越感?」

「…ゆーえつかん」

「うん。自分の子供はこんなにおできになるのよーっていう、さ」

「…孝、なんか、キャラ違うよ」

加藤の手が俺の手を握った。

その手を握り返してやる。


人の手を握ったり握られたりするのはどれくらい久しぶりなんだろう。

安心するもんだなあ。

「今日は、うちに、とまりなよ」

「ぅえっ?」


いや、それはまずいんじゃないかい?

だっていちおう、ふたりっきりになるのでは。

言おうとするけど声が出ない。


「あ、う、」

「いいの、泊まって行って。家に帰すわけには行かないもん。またぶたれたらどうするの」

至近距離で顔を見つめられて照れる。

こんなに整った顔をしてたんだ。


「…じゃ、あ泊めてくれ」

「うん」



こいつといると、妙に落ち着くんだ。


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作者名を変えました。

加藤由良、改めまして伊東ゆさです。

友人に「主人公とお前の名前にてねえ?…もしかして加藤由比ってモデルおまえ?美少女ってwwwwちょwwwくはwwww」と笑われました。

えーっと、友人よ、違います。

ただ名前がにているだけです。

そういわれるのが嫌になったので作者名変更です。

よろしくお願いします


                伊東ゆさ

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