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プロローグ『終わりの始まり』

プロローグとなります。これからのストーリーで残酷な描写、気分が悪くなってしまう、後味が悪い描写が多少含まれてしまうかもしれません。そういうものが苦手な方は、あまり見ない方がいいかもしれません。


あと小説を書くのは初めて故、文章などに不自然な点もあるかもしれません。何度も読み返し、修正して投稿しますが、ご容赦ください


えー、では…プロローグの始まりです

 男が目を覚ました。銀色のような輝きを持つ白髪、整った顔立ち。男はどちらかといえば、男前な風貌(ふうぼう)であった。男が寝ているベッドの横に座っている女が顔を覗き込む。女の年齢は35歳。彼から見れば、お姉さんというよりおばちゃんというイメージが強かった。男は先ほど川の上流で浮かんでいた。それを私が救った。男は周りを見渡し、私に言った。

「ここは…どこだ?」

「ここは村だよ。まだ名前はないけどね」

「村…?名前…?」

単語がまったくわかっていないようだ。

「あなたどこの国の人?」

見た目はアジア系なので、ここの…元日本の生まれだと私は思っていた。

「…国?…わからない」

「…は?」

「…なんなんだ…あんたは誰だ?俺はいったい…?」

「まさか…あんた、記憶喪失(きおくそうしつ)なのかい!?」



 世界は第3次世界大戦により、滅びかけた。かろうじて人類は生き延びたが、生態系が変化し、大地や空気は汚染され、人が生きていく場所が限られている。この物語は終わった世界が始まる物語。世界は人類に何を求め、何に期待しているのだろうか。



 男が目を覚ました時、何も覚えていなかった。男を救ってくれたおばさんの名前は明美(あけみ)というらしい。残念ながら、男は自分の名前すら憶えていなかった。明美おばさんはこの村で農業や牧場などを営んでいる。彼女が生まれたときは戦後で、この村で育った。両親は汚染の被害により、早くに他界したらしい。男は記憶が戻るまで、この村で働くことを決めた。農業を始め、村の住人たちと触れ合い、世界のことを聞いた。それから現在まで一年近い歳月が経とうとしていた。



 その日も男は働いていた。ほとんどの土地が荒れ果てているこの時代では、この村も例外なく、土地が荒れていた。栄養のある野菜が採れず、家畜の餌にも困っていた。それが今では果物ですら育つようになり、昔に比べると楽になったという。草むしりの仕事も増えたらしいが…。

 男は野菜を収穫していく。朝から夕方までの作業を黙々とこなしていく。住人たちからはとても感謝されているという。男は(くわ)を持ち、振り下ろす。男は幸せだった。しかしその幸せは今日までだった。



 次の日、男が畑に向かうと、誰もいなかった。

(遅いな…。みんなまだ寝ているのか?それとも、早く来すぎたかな)

男はそう思いつつ、いつも通りに倉に行き、鍬を持つ。男が倉から出ると、知らない男がいた。目は鋭く鼻は立ち、茶髪が太陽の光を反射する。その知らない男は話しかけてきた。

「あなたが1年前にこの村に拾われた者ですか?」

とても柔らかな口調だった。しかし、とても嫌な感じだった。

「…拾われたって…ずいぶんな言い方だな」

記憶喪失でも、1年もその村で働いていれば、並大抵の言語はわかる。今の言い方が物に対する言い方だったってことぐらいはわかる程度に。

「いや、失礼。あなたが記憶喪失だと聞いたものですから」

「誰に聞いた?」

「そこまでは答えられませんね。そんなことより、あなたのことが聞きたい。あなたはいったい何者なのか」

「……まさか、村のみんなに何かしたのか?」

「人の話をちゃんと聞いてほしいですね。何かした、と言ったら?」

「…許さない」

「そうですか。ちょうどいいです。私はあなたを殺すように言われたので」

「俺を殺す…?」

「ええ。では、仕事は早く済ませたいので」

茶髪の男は腰に付けていた剣を抜いた。

「私の名前は(しゅん)と申します。これから起こることにびっくりするでしょうが、あまり気になさらないでください」

そう言った瞬間、地面の土が瞬の体にくっついていく。

「な、何が起こってるんだ!?」

男はとても驚いた。瞬と名乗った男は泣きわめく子供を諭すような言い方で説明する。

「人間には不思議な力を持っています。元来それは、魔法や魔術。超能力と言われてきました。厳密(げんみつ)には違うのですが…ね。私はその不思議な力を鍛え、魔法を使えるようになりました。この魔法は周りの固形物を体に付け、鎧にする魔法です。そしてこの魔法は剣を抜いたとき、発動します」

「そうなの…か。やけに丁寧に教えてくれるな?」

「何も知らないで死ぬのは酷ですからね。そんなことより、あなたは自分の心配をした方がいいんじゃないですか?」

「そうだな。…一つあんたに聞きたいことがある。その剣が壊れたら、その鎧はどうなる?」

「……当然、この鎧は砕け、私は無防備になります。今の質問からすると、私と戦う気があるということですか?」

「当然。俺はあんたを返り討ちにする」

「愚かな…逃げればいいものを」

瞬は剣を両手で持ち、男に向ける。男は鍬を振り上げ、そのまま走って間合いを詰める。瞬は逃げることをせず、前傾(ぜんけい)の姿勢になる。男は鍬を振り下ろす。目標は瞬の頭である。しかし、瞬はそれを剣で受け流す。鍬の重さに、男の重心は崩れる。その隙を狙って、瞬は剣を男の胴体のむけて、薙ぐ。剣は男の腹を破り、骨まで達している。

「が……は…」

男はあまりの痛みに息ができない。そして、視界が狭まってきた。

「終わりです」

瞬は一旦剣を引き、男の心臓にめがけて、突く。その剣は男の胸を貫通した。

「……無謀(むぼう)…でしたね。しかし、リーダーの検討違いでしたか」

男がそう言って、剣を抜こうとするが、抜けない。男はまだ死んでいなかった。

あとがきです。これからも作品を書き続けるので、面白そうだな、と思ってくださいましたら、まぁ、楽しみに待っていてください


では、次の章へ…

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