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ヒスティマ Ⅱ  作者: 長谷川 レン
第一章 進軍する者
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放課後。毎度のことながら……

総合PV1000超え! 総合ユニークが400を超えました!


もっと増えるといいなぁと思いながら、きょうも頑張って書いていきます!


見てくれている方々、ありがとうございます!

 キーンコーンカーンコーン


 SHRの終了時、担任の先生である勝也先生が終わりの挨拶をして教室を出て行く。


「はぁ……。なんか今日はどっと疲れた……」


 たった一日でこんなに疲れることがあるだろうか? これならまだ学園にいた時の方が良かった。

 いや、母さんと一緒にいた方がもっと疲れるんだけどね……。


「ねぇリクさん、今日こそは――」


 そして周りにたかる生徒達。

 はぁ……。またこれだ……。最近はマナと言うボディーガードが居なくなったためこうやって大多数の人がボクの周りに付きまとうのだ。

 最強のボディーガードは他のクラスだから、アーマメント組がSHRを終えるまでの辛抱だが……。


 ……あれ? 今日はいつもより少ない……?


 そう思ったボクはなんとか男子や女子の間から他のところ見ると何と、ソウナの方にまで男子が声をかけているのだ。


(仕方ない……。またいつものように窓から……)


 そうやって席を立ちながら目を窓に向いたときに気が付いた。




 ――窓にはなぜか魔力で作られた鉄格子のような物が付いている。とても頑丈そうだ。




(…………。ボクが窓から飛び降りたから付けられたのかな……?)


 いざとなったらルナを呼んで断ち切るけど。

 真陽ならきっと許してくれるよね?


 さて……ソウナも助けないと、必死に水着着用をしてくれるように頼んだのに元も子もなくなる可能性が……。

 この時の可能性とは、ソウナがまた助けれくれなかったって言って水着もつけなくなってしまうという可能性だ。


 そして、ソウナを助けるためにはまずこの周りに居る人達をどうにかしなければいけない。

 仕方ないのでボクは握りこぶしを作って、胸の前に両手を持ってくる。その後に顔はうつむき加減に目線だけを生徒達に向けてこう言った。


「あの……ボク、こうやって集まられると……。困る……」

「はぅ!」「あん!」「ぐぁ!」「ぶほぅ!」


 それぞれ胸を押さえて倒れる男子と女子。

 これはボクがこの一ヶ月で習得した……なんだろ……。技? まぁそんな物を使って撃退。

 そうしてからソウナに近寄る。


「あの、すみません。ちょっと避けてくれると……」

「え? あ、リクちゃん!? どうぞどうぞ」


 喜んで場所を開けてくれた男子生徒。「ありがと」と言って、何気なく触ろうとして来る男子生徒の手をはたき落してからソウナの前にまで出てくる。


「ソウナさん、早く帰りましょう? これ以上居るときっと大変なことになりそうですから……」

「そうかもしれないわね。そうしましょう」

「「「え? え?」」」


 うろたえる男子達。それをチャンスと思い、ソウナの手を掴む。


「走りますよ!」

「え? ええ」


 そうしてボクは生徒の合間を縫って走り去っていく。


「……ハッ! しまったぁ!」

「リクちゃんに逃げられた!」

「なんて策略! 今すぐに追うぞ!」

「絶対にリクちゃんと帰るんだぁ!!」


 それに遅く気づいた生徒達が後から追ってくるという状況が作りあげられた。ボクはソウナの手を持ったまま、全力で走って行く。階段を下りて、下の階へ行って四階にたどり着く。

 ボクはなるべく見失いやすい校内で生徒をまこうと思って四階で走る。他国から学校を襲われる事もあるヒスティマでは、一階ごとに五つほど階段がある。そのおかげでいろんな階段を使ってボクは校舎内を走り回る。


「待ってぇ、リクちゃぁん!!」

「俺と! 俺と一緒に帰ってくれええぇぇぇ!!」

「私と一緒に今からショッピングに行こう!!」


 いまだに追ってくる生徒達に舌打ちをする。緊急時以外、校内で魔法を使ってはいけないと言われているからこうやって走っているのだが、そのおかげで全く撒けていない。ちなみに廊下を走ってはいけないというルールは無い。


「もう諦めてくださいよぉおおお!!」


 叫びながら走って行く。


「大変ねリク君」

「少しは走ってもらえませんか!?」


 ソウナは何にも走っていない。なぜか?


「だったらもうちょっとゆっくり走ってほしいわ。私追いつけないもの」

「それができたら苦労はしませんよぉおお!!」


 と言う訳だ。現在ソウナは本気で走るボクの手を掴んで鯉のぼりの如く空中で揺れている。本気で走り始めたぐらいからこの調子だ。

 そして角を曲がった瞬間、急にどこかの教室のドアが開いて――。


「リクちゃんこっち!」

「え?」


 ソウナごと、その教室に入れられる。


「あれ!? リクちゃんがいないぞ?」

「なッ。どこ行った?」

「あぁ! 窓があいてる!」

「下にももう人影は居ないぞ?」

「逃げられたかぁ」

「よし。明日こそは……」


 そう言ってドアの前で別れて行く生徒達。ホッと息をつくと、助けてくれた誰かを見る。


「いやぁ。大変だったね~。お・ふ・た・り・さん?」

「大変だったのね!」

「…………」


 大変な人に捕まってしまいました……。

 眼鏡をくいっと上げながら言うアキ。その顔は得意げにしていて、手にはカメラを持っている。

 その隣にはすごく元気なハナがいる。完全にアキの付き添い……っていうかハナがアキから離れているところを見たことが無い。


「で、何が聞きたいんですか?」


 ボクは諦めたように呟く。


「お! 話が早くて助かる~♪」


 笑顔で両手を合わせるアキ。そしてメモを取り出す。


「では取材の方ですが……ズバリ! ソウナさんとリクちゃんの関係は!?」


 ペンを持って、マイクを差し出すようにするアキ。

 さて、どうやって答えた物か……と考えていると、ソウナが答えた。


「夫婦よ」

「ちょっと待って! どう考えてもおかしいですよ!?」

「なるほど~! リクちゃんとソウナさんは夫婦ですか~」

「すごいね! すごいね!」

「どう考えてもおかしいって気づいてますよね!?」

「して……リクちゃんとどこまでしたのかな?」

「そうね……まだ、大人のキスぐらいしか……」

「ほうほう。大人のキスをしたのですか。して、そのお味は?」

「イチゴの様に甘酸っぱかったわ」

「いい加減にやめてくれます!?」

「「「は~い」」」


 三人してつまんなそうな顔をしてやめる。

 その様子にボクはため息が自然と出る。まぁ、母さんを相手にしているわけではないのでまだいいのだが……。


「で、どこまでしたの?」

「だから夫婦ではないって言ってますけど!?」

「そうね……。誓いの口づけを……」

「まだ続けますか!?」

「じゃあ今から事実を……」

「作りませんよ!?」


 そう言うと少ししょんぼりとするソウナ。って本当にするつもりだったんですか!?

 かなり不安になったボク。ソウナはその様子にクスッと笑った。


誤字、脱字、修正点があれば指摘を。

感想や質問も待ってます。

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