炎の鐘を鳴らせましょう――
お楽しみにしてくれていた読者の皆さま!
いたら本当にありがとうございますと心の底からわたくし、長谷川レンは思っております!
楽しんで本編を……まだ序章ですが……楽しんで読んでいってくださいね!
――私はいつ、羽ばたけるの?
「…………?」
周りを見る。
そこは灰で一杯になった地。
ウチはそこを踏みしめている。
――あなたはいつ、殻を破るの?
またあの声。
綺麗で、なのに悲しそうで……。
消えそうな声はいまだに続く。
――どうして殻に、籠っているの?
「だれ……?」
聞くが返事がない。
いなくなったのだろうか?
そんなことない。きっとどこかにいる。
いつもそうやって答えないから。それにいると、今でも自分の感がそう告げている。
――もう日は昇り。飛び立つための年月も経っている。あなたはいつまで、甘えているの?
「だ……れ……?」
甘える?
何を言って……。
――ジーダスという組織。あなたは何をしたの?
「――ッ」
ウチは……特に何もしていない。
副幹部長に遭遇し戦った。
でも、勝てなかった……。
ウチだけが役に立てなかった。
幻魔の群れに魔法で支援をしていたけれど、早々に魔力が底を尽き、ほとんどの支援はレナにまかせっきりだった。
しかも何体か近くに寄って来た幻魔には、まったく気付かずに、雑賀の銃弾と雁也の弓矢によって助けられた。
それによってリクが幻魔に刺さりそうになってしまって……。キリの援護がなかったら今よりももっと……。
レナや白夜みたいに足を引っ張らなかったならばまだしも、ウチは足を引っ張ってばかり。ウチは……助けられただけ……。
――だけどあなたはホントは強い力を持ってる。それもあの白銀の髪の男の子に負けないくらい。
リクに……負けないくらい……?
ウチがそんなもの持っているはずない。
だって……魔力も! 力も――ッ。
その時、肩に触れる何か。暖かく、そして柔らかい。
――だからといって。狂ってはダメ。あなたは優しくあるべき。じゃなければあなたは……。
なに?
あなたはなに!?
教えて!!
名前もわかんないけど教えてよ!!
ウチが強くなる方法!!
――そんなの、私が教えてあげられない。自分で殻を破らなければ……。
どうして!?
どうしてなの!?
ウチじゃダメなの!?
ウチだって強くなりたい!
じゃないとウチはあそこにいられない!
――あの男の子と一緒にいたいなら、ほ……によ…………て……。
声が薄れる。聞こえなくなってくるその言葉に耳を傾け、声を逃すまいと静かに聞く。
いつもならここで問答無用で意識を消される。なのに今日はそうならない。チャンスを逃すまいと意識を保つ。
暗くなる寸前……その声は確かにに言ったのだった。
――自分を解き放って。私の止まり木、【爓巫】さん。
誤字、脱字、修正点があれば指摘を。
感想や質問も待ってますよぉ(==ノ
次から三千字程度です。