思い出のたくさんある恋人たち
思い出のたくさんある恋人たち
「私達に、思い出はどれくらいあるのかな?」
「たくさんあるよ。いろいろなところに行ったし、そうでなくてもたくさんの時間を共有した」
「具体的には?」
「・・・・・ありすぎるかな」
「そうねぇ。あなたがはじめて私の部屋に来た時に、私の料理を褒めてくれたことが一番の思い出よ」
「あのときは感動した。僕の母は上手くないから」
「海水浴に行った。砂浜でたくさん話をした」
「そうそう。2人ともよく焼けて、帰りの自動車の中で笑いあった」
「ディズニーランドも行った」
「そうだったね。スプラッシュマウンテンは最高に楽しかったよ。待った甲斐があった」
「それから花火!」
「富士山に登った」
「途中で歩けなくなったけど、あなたは一生懸命に励ましてくれた」
「そうだっけ?」
「そうよ。忘れた?」
「あ、そうだった。下山してから2人ともお腹が空いて、富士宮やきそばを食べた。美味しかった」
「そうだった?」
「なに言ってんだよ。下山してから君がどうしても食べたいというから、一番評価の高い店に行ったけど行列で、でも君がどうしてもっていうから1時間待ったよ。食べたろ?」
「思い出した。ごめんね」
「函館で100万ドルの夜景を見たよ」
「ちょっとよく覚えてないけけど・・・ごめん」
「冬で寒かったけど君とつないだ手が温かかった。景色より君の手の温もりを覚えているよ。」
「そうだった。あなたの手はすごく温かかった」
「な。思い出したろ?」
「じゃあさ、ハワイは♪初めての海外だった。ダイヤモンドヘッド、ワイキキビーチ」
「う・・・ん?」
「ダイヤモンドヘッドで登山をした」
「そうだね・・・・・」
「ねえ、君。僕と行ったのはグアムだったろ?」
「ねえ、あなた。函館の夜景なんて、私はあなたと見てないわよ」
「だれと行ったの?」
「だれと行ったの?」
「企画の洋だろ?」
「総務のさゆりちゃんでしょ?」
「営業の由伸?」
「秘書の紗栄子?」
「人事の和弘と婚約寸前だって噂になってた」
「経理の明美と噂になってたの知ってるから」
結納の日の彼らの会話でした。
さぞかし思い出深い1日になったでしょう。




