表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/11

ミンとクスナ


 ミフルはここ何日かのミンを見ていた。

 無論、ミフルは人間の姿でルウの地には入れないから、環境維持ロボを操って、である。


 ミン・ラテーシア。ミフルの姪にあたる。


 ミフルの悪事をいち早く見抜き、隠し、長老代理の役割もこなした。

 それはきっと、かつてのミフルが権威に固執したように、ミンもそうに違いないと思っていた。


 そんな折、最高位のケイはオズ・ラテーシアが次の長老にふさわしいのではないかと提案した。――とはいえ、最高位の意見が絶対というわけではないのだが。

 

 ミフルは、きっとミンがおもしろくないと感じてるに違いないと思った。


 だが、ミンはどこかウキウキしているように見えた。

 ルウの地に点在する泉に祈祷を捧げるのだが、ミンはその作業を苦にするでもなくこなしていた。


 そんなミンがクスナにばったり出会った。


 クスナはレファイ家が雇った魔導士。レファイ家管轄の泉の祈祷を行う。

 ミンはラテーシア家の泉の祈祷を行っている。

 そんな二人がばったり出会うのも、ごく自然なことだ。



 何やら二人は会話している。

 ミンは笑顔だが愛想笑いのようにも見える。


「あのコーヒー売りの女性と知り合いだったんですね」

 と、ミンが聞く。

 クスナが頷く。


――コーヒー売り? 確かケイと同行してたっていう?

 ケイがお面で顔を隠し、コーヒー売りの女とルウの地を探っていたとか何とかという話は聞いていた。

 なぜケイがそんなことをするはめになったのかといえば、ミフルにもその原因があるのだが、幸か不幸かミフルはその因果に気づいてなかった。


「……恋人だったり?」

 ミンは歯切れの悪い言い方をした。


「いえいえ、そんなんじゃありませんよ」

 焦ったようにクスナは否定する。


「手を繋いでいたじゃないですか?」

「見られてましたか。手は……」

 そこでクスナは言い淀む。

 言いにくいことなのだろうか? 何か考えているようだ。何を言うのかと待ってると、クスナは意外な事を言い出す。


「熱中症で助けていただいた時……」

 クスナは、ミンの手を見ていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ