見ていて飽きない
「きっと、ルウの地にゲートがある。でも、もう壊れてるかもしれない」
それは、まるでルウの地の女神像みたいなものだと思った。
最高位はそれを使って一瞬にして別場所に移動できるのだ。
それについて説明しようかと思っていると、シムゥンは話題を変えた。
「エルフのケイ君だね? ジュピターに会ったのは子どもの頃? ……で合ってる?」
ケイは頷いたのだが、シムゥンはじっと前を見ている。
空飛ぶ絨毯の運転はかなり気を使うようだ。
「だとすると、年齢的におかしいんだよ。イオだって若すぎるし、僕の記憶がおかしいのか……?」
シムゥンは独り言のようにぶつぶつ言ってた。
「それは……」
何か言おうとしたケイだが、なかなかルウ族の事情を今から説明するのは時間がかかりそうだと諦めた。
「で、さっき言ってたジュピターの弱点って?」
ジュピターはある時期になると魔力が消える。その弱点を補うため、聖剣が必要だった。
ケイはそんな説明した。
幼少の記憶でかなりあやふやではあるが、と付け足しもした。
「そうなんだ」
頷きながらも、シムゥンは何か考えている。何か思い出せそうなのか。
「そうか!リムだ!!」
シムゥンはいかにも閃いたといわんばかりの顔になる。
見ていて飽きないな、とケイは思った。
「リムがいれば、ジュピターは魔力が尽きてもリムが補充してくれる。つまりジュピターにとって聖剣は必要なかったってことか……」
そのリムというのは、シームァの体内にいるリムと同一の存在なのだろうか?
「そうか。そう考えれば、つじつまが合う」
シムゥンは納得できたかのような顔だった。
「聖剣は僕じゃなくて、ケイ君に持っていて欲しい」
シムゥンは空飛ぶ絨毯を止めた。
そこはもうルウの地の目の前だ。
「僕に? 大事なものじゃないのかい?」
「きっと僕よりも、ケイ君が持ってた方が役に立つよ」
そういえば、年下のシムゥンがケイを君付けで呼んでる。




