洞窟へ訪問-3-
「エルフ? あぁ、少し前にもゲートの暴走にエルフの子が巻き込まれてたね」
と、青年はケイの手をとる。
ケイはどきどきした。
「邪神様、どこへ?」
青年はむっとした表情を見せるが、こう答えた。
「今ならゲートが開いてる。閉まる前に送る」
――何を送るんだろう?
ケイは疑問に思いながら、青年と一緒に歩く。
「いってら~……」
女が青年に声を掛けたようだが、その声がぐにゃりとゆがんだ。
視界が一変する。
それまで洞窟の中だったのが、何もない空間にケイと青年だけが歩いていた。
実に不思議な心地だった。
青年がどうやったのか、そこは道なのかよくわからない空間。
光はないが、真っ暗闇というわけでもない。歩いているのが確かなのだが、ふわふわ浮いてるような不思議な感覚――
着いた場所。
そこは木々がたくさんあった。
枝の隙間から落ちる木漏れ日がきらきら光っている。
素晴らしい景色なのだが、ケイは不安になる。
――ここは?
どう考えても、ここはケイの故郷のルウの地ではない。
「さ、着いたよ」
と、青年がケイの手を離す。
ケイは慌てて首を横に振り、とっさに青年の手をつかむ。
青年は怪訝な顔をする。
「ここ、エルフの森だよ。きみの故郷じゃないの?」
ケイはまた首を振る。
「早く言えよ」
青年はため息をつく。
「結構、体力消費するってのに……」
ケイは申し訳ない気持ちになった。
「戻るしかなさそうだね」
青年はケイの手を引き、また元の空間へ引き返す。
やはり、先ほどと同じ空間へ二人は足を踏み入れる。
数歩、歩いた、その時だった――
「ジュピター、覚悟!」
その声ははっきり聞こえた。
「お前は……っ!」
青年はケイを抱き上げる。
現れたのは、青年と同じ栗色の髪の女。
女の行動は早かった。手のひらが閃光のように光ると、矢のようなものが飛んできた。
「こんな時にふざけんなよ!部外者がいるのがわかんねーのか!」
ジュピターの若い頃。今(?)よりも激しめの性格です。
ジュピターの出るエピソードは『機械仕掛けの魔法使い~僕と邪神様~ 』
まだ読んでない人はぜひ!




