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1.序 ~極星の勇者アーリィのものがたり~


 アーリィは 帝都のはるか西方にあるさいはての村 スノルウィーグで生まれました。


 スノルウィーグはとてもまずしい村で 魔獣が多く出る タイガの森のほとりにありました。


 アーリィは 幼いころから 大人にも負けないとても大きな力で 悪い魔獣をやっつけて 人々のくらしを守っていました。


 十五才のとき アーリィは皇帝さまにその功績を認められ 帝都エクタリィンバロクに呼ばれました。


 皇帝さまは アーリィの活躍をほめたたえ 勇者(アーロー)の名を与えて これからもよりいっそう正義のために戦うことを命じました。


 そのころロスコアでは 魔獣や魔物が人々を苦しめていました。


 アーリィは国中を旅し 悪い魔物をたくさん倒して おおぜいの人を助けました。


 人々はアーリィにとても感謝し いつしか彼のことを 夜空の中心に輝いて人々の心を照らす極星にたとえ 極星の勇者(アーロー・ズィ・ポリャーヤズダ)と呼ぶようになりました。


 やがて 人間と魔族とのあいだで戦争が始まりました。


 魔族は 雪と氷にとざされた ツンドゥールカの山奥に城をきずき 町や村を襲って人々をおびやかしていました。


 魔族の王は 恐ろしい龍です。とても強く これまでどんな軍隊も勇者も勝つことはできませんでした。


 悪い魔王を倒すために 世界中から大勢の人たちが集まり 魔族と戦いました。


 極星の勇者アーリィも みんなの先頭に立って力のかぎり戦いました。


 アーリィは魔族の城にたどりつき 魔王に戦いを挑みました。


 魔王はアーリィと同じくらいに強く 戦いは何十日も続きましたが なかなか決着がつきません。


 でもついに アーリィの剣が固い龍の体をつらぬき 魔王を倒すことができたのです。


 アーリィもその戦いで力つき 倒れてしまいました。


 アーリィは 魔王が死んだのを見届けたあと 静かに眼をとじました。


 アーリィは 星になりました。


 どんなに暗い夜でも 北の空を見上げればいつでもそこに輝いて わたしたちを見守ってくれている。


 それが 勇者アーリィの星です。




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