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はい、転生失敗です・・・。  作者: 桶星 榮美 OKEHOSIーEMI
8/61

感づいていた

6歳になり三つ子には

それぞれに個室が与えられたのだが

毎夜、何となくルクトの部屋に集合して

それぞれに好き勝手な事をし過ごしている。


なぜ集合場所がルクトの部屋なのか・・・

 

それはルクトの部屋が真ん中に位置しているから

奥から

ラテル・ルクト・私の順に部屋が並んでいるから

ただそれだけの理由


私が長子なのに!

なんでも跡取りのラテルが一番で

次男のルクトが二番

そして私が三番目

これは完全なる男尊女卑であり男女不平等だ!


――――――――


「ルクトつて、本当は何歳なの?」

ラテルよ突然のナイス質問だ

褒めてつかわす!


三つ子は5歳だが

転生者だから中身年齢はそれぞれ違うはずである


「俺かっ、俺は57歳だ」 

「へっ?」 

「はっぁ?」 


トッツァン坊やは本物のトッツァンでしたぁ~


「アッハッハッハ!」

ダメだ~!我慢出きーん

たまらず床にうっ伏して爆笑


「プップップップ!」

とラテルは天井を見上げ笑っている


「なにが可笑しい⁉」

ルクトが焦っている


「謎が解けたよルクト

 時々やけに言動が大人過ぎるから

 僕は不思議に思っていたんだ」

「そうそう、なーんかあれだよねっ・・・

 仕草とか言葉遣いとかが

 なーんかオジサンそのものぉ」

「そんなぁ・・・

 俺は常に外見年齢相応を心掛けていたんだがぁ」


もしかして領内散策のあの日

丘の上でのルクトのはしゃぎっぷりは

自分なりの5歳児を演じてたのかぁ⁉

やり過ぎだよ~!笑える~~!

 

ラテルは笑いをこらえながら

「努力していたんだね」

「でも出てるよなぁ

 隠し切れないオジサン臭がアッハッハッハ」


「うるさい!笑うな!

 仕方あるまい57歳なんだから・・・

 そう言うお前たちは何歳なんだ?」

「僕は21歳だ」

「21歳か若いなぁ

 だが流石に元王子、物事の捉え方も考え方も

 実にしっかりしている」 


ほぉ、21歳かぁ


「私は15歳だ!」

「15歳⁉・・・俺は俺は

 15歳の乙女の命を奪ったのかっ!」

「ルクト、それはフォーラと和解した話じゃないか

 もう止めようよ」


「ちぃっ・がーーう!」 

 

ラテルとルクトはハッとして顔を曇らせた


「私は乙女では無ーーい男だーー!」

 

二人とも〘ああっ、そこね〗みたいな顔をした

  

これ大事な事なのでもう一度言いまーす!!


「私はー!男だーー!」


「でもぉ・・・現在は女の子、だよねっ?」

 

ウッ・・・そうそうそこ何だよ

「そうなんだよ今は何故か女なんだよ!

 過去の転生ずーっと男だったのに!

 しかも何故か今回は初めて

 名も知らない星に転生しちまって・・・」


 いまは星の名前知ってるけどねっ覚えたけどねっ

 えーっと何だっけ・・・あっイスク星だ!


「ねえ、フォーラは22回の転生

 全ての記憶があるんだしょ?」

「うん、そうだ!」

「15歳って若いね、いつも何歳まで生きてたの?」

「15歳だっ!それ以上長く生きたことは一度もない」

「22回ずっと15歳なの⁉不思議だね?」


そう言われれば確かに・・・何故だろう??


ラテルとルクトが顔を見合わせて

〚なるほどねぇ、合点がいきました〛

てきに頷いている


「なんだ⁉言いたいことでも有るのか⁉」


するとラテルが天井を見上げ

「プップップップ」

と笑いだし

ルクトは腹を抱えながら

「ガッハッハッハ」

とオヤジ笑いを始めた


「なにが可笑しい⁉」

「だって今までフォーラは

 子供を演じるのが上手いなぁと思っていて」

「そうだ、俺なんてフォーラを

 子供らしく演じる手本にしていたんだ」

 

ルクトよ

あんたの演技はダメですから!

全く全然子供らしくない子供を

演じちゃってますからねぇ~!


「まさか本当に子供だったとはねぇ」

「子供じゃない!15歳は立派な大人だ!

 元服だってしたし

 いくさにも出たんだぞ。私は大人だ!」


「そうだ、お前は立派な日本男児だ」

う~んルクト、もっと言っていいんだぞぉ


「俺はお前を、すごいと思うぞ」

うんうん、もっと褒めて

チヤホヤしていいんだぞぉ!


「何事にも臆することなく喜怒哀楽をさらけ出し

 周りの者を笑わせる、慌てさせる、困らせる」 

 

えっ?そうなの?そうだったの⁉


「そうそう。

 とくに悪戯いたずらを思いついた時のニッと笑う顔

 ああっまた悪戯するんだなって」


「ばれてたの⁉」


「バレバレだっ」

「でも悪戯しても誰も怒らないでしょ」


たしかに注意はされるが・・・


「爺や以外からは怒られたことが無い

 なぜだろう?」


「だって、悪戯が成功したときのフォーラの笑顔」

「まさに天真爛漫で無邪気な笑顔」

『本当にフォーラは子供らしい』


「そっそうだろ、見事に子供を演じているだろ

 アッハアッハアッハ」


やっべー!ばれてたのかよヤバヤバだよ

これからは悪戯もほどほどに、だなっ。


――――――――


そう言えば昔・・・

信長様の草履に雪を乗せて悪戯してたら

藤吉郎さんが脱兎のごとく走って来て

思いっ切り頭を拳骨で叩かれたよなぁ

あれは泣くほど痛かったぁ~

藤吉郎さん、また悪戯されてはいけないと

信長様の草履を自分の懐に入れてたなぁ・・・


「もう寝ようか?」

「そうだな、よき睡眠は身体の成長を促す」


ルクトが成長を促すっ言うと何か笑えるんだけど・・・

今夜の三つ子集会はこれにて終了


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