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はい、転生失敗です・・・。  作者: 桶星 榮美 OKEHOSIーEMI
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千年の始まり

時は平安末期

人類最強の陰陽師安倍晴明が

寛弘二年九月にこの世を去る。

翌年寛弘三年四月

突如現れた超新星が放つ光に天と地の均衡は乱れ、

安倍晴明による怨霊・朱鷺門領詮ときかどりょうせんへの封印は解け

上一人から下万民までを恐怖に陥れた。


都中の陰陽師等が集結し

今まさに怨霊・朱鷺門領詮を封印しようとしている。


『オンキリハラハ・オンキリハラハ・オンキリハラハ』

「皆、気を緩めるな!あと少しで千年の封印が完成される」


「千年?土階つちしな様、封印は千年しかもたないのですか?」

「そうだ」

「それでは千年先の民は?」

「はぁ?」

「土階様、私が行きます」

「どこへ?」

「千年先の民を救いに」

「お前は何を言っている、

 昨日の決起大会で封印についての説明があっただろう」

「いえ、いけません千年後の封印は私が必ず」

「蝉丸、私の話を聞きなさい!これ待ちなさい!戻って来なさい、蝉丸‼」


『オンキリハラハ・オンキリハラハ』

「今だ‼」との朱鷺門領詮封印総責任者

典明てんめいの掛け声で陰陽師達が一斉に呪文を唱える。


しゅうしつびゃくとうめつ‼』

それと同時に天と地より出でた矢の如く赤い光がぶつかり合い

一本の線となり轟音を響かせ黒い火花が散った

これで封印は無事終了である。


が...

「今、誰か黒火に飛び込んだよねぇ」

「私も見た」

「おい、誰か倒れているぞ」

皆が騒ぎ立てている


「一体何があったのだ?」

「典明様、それがぁ黒火に飛び込んだ者がおりましてぇ」


「噓⁈何で?」

「なんだか分からないんですが

 〔千年後、朱鷺門領詮の封印は自分がやる!〕

 と言い輪廻転生の呪いを己に掛けまして」


「はあっ⁈いったい誰なんだ、その馬鹿は?」

兎良蝉丸つらせみまるです」


「蝉丸ーーー!どうすんだよ、昨日の決起大会で天皇様に

 〔くれぐれも無事故でねっ〕って言われたじゃん。

 一人死にました、なんて報告できないよ

 ・・・死んでない!」

「はぁ?」


「死んでない、だって転生だもの千年後へ出張したんだよ

 だから死んでない!

 天皇様へは無事故大成功とご報告申し上げろ」

「はぁ・・・」


「皆、撤収!」

『お疲れ様でしたー!』


「土階殿は蝉丸の教育係でしたよね?」

「左様です。私が至らずに15歳の蝉丸を死なせてしまいました

 うっうっう・・・」

「土階殿、泣いている場合ではございません

 実は蝉丸が己にかけた呪いなのですがぁ」

「何か?」

「お耳を拝借。コソコソ、コソコソ・・なのです」

「えぇ―⁉それは誠ですか?それでは転生しても・・・

あの馬鹿者が。蝉丸ーー‼」


〘この時より、陰陽師・兎良蝉丸つらせみまる15歳の

            千年に渡る転生の旅が始まつた〙

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