レアモンの住む家
なろう初投稿、人気が出たら連載版として頑張りたいと思います
俺の名前は神里大地、祖父と祖母と両親と猫と犬と暮らしている大学生だ。
猫のミケはお母さん猫であり、元気な美猫達を生み、里親に出した後の話。
「ミケ、やっぱり寂しいのかしら? ずっと猫ちぐらから出ないわね?」
母はそう心配しながら、猫ちぐらを見ている。俺も心配になり、時々様子を見ながら、勉強に励む。我が家は代々、大きな山を持っていて、畑を耕して経営している。以外に家の畑の野菜は売れている。
最近きついが、それでも俺が継がない訳にはいかない。って言うかそれ以外にやりたいことがないため、呆れられているほどだ。
そんな中、猫ちぐらから何か音が聞こえる。この音は聞き覚えがあった。
「ミルクを飲む音?」
野良猫でも連れ込んだかと思い、覗き込むと小さな生き物が二匹、ミケからお乳を飲んでいる。
猫のような生き物、額に赤と青の宝石があり、リスのような二匹の良き物。
「………ミケ?」
「にゃー」
ミケは家の子、可愛いでしょ?と言わんばかりに満足しながら毛づくろいをしてミルクを与えている。
我が家の猫は未確認〝モンスター"の母親になった。
ダンジョン、何十年前かに突然現れた謎の現象。神からの試練、神のイタズラなど数々の憶測が飛び交う中、人類はダンジョン攻略をして、ダンジョンから資源を回収する事に成功。
探索者と呼ばれる職業が出来上がり、一攫千金を求める若者の人気職業であり、才能があったり、宝箱から魔法のスクロールを手に入れれば魔法だって使えると言う、無限の可能性を秘めている。
国家は自国にあるダンジョンを即座に管理、資源を回収する事に躍起になっている時代、それが俺が生まれた時代であった。
唯一できないのは食料の確保だろうか? リンゴらしい果実などは手に入るらしいが、育てるにはモンスターが邪魔でプロジェクトは一向に進まないか頓挫すると言う実体であり、農業に変化は無く、変わらずじまいである。
「それでは、後はこちらで対処するのでお帰りください」
「はい、分かりました」
俺はダンジョンのモンスターらしい生き物が家にいたと報告する。ダンジョンで良い事もあれば悪い事もある。
入口が砂漠のど真ん中であったり、谷の真ん中であったりと入るのにも一苦労な場所であったり、町中のど真ん中でできたりすることもあるらしい。
モンスターがダンジョンの外に出る事は、人為的以外はほとんどないが、絶対では無い。危険な種族もある為、国民はダンジョンの影を見つけたら報告する義務がある。自分の身を守る意味合いが多いが、そのほとんどがガセ扱いになると、俺はこの時は知らなかった。
真面目に対処されると思いながら、すぐにデータの隅に追いやられ忘れられると知らず、俺は報告を済ませて家に戻る。
「あらあら、モフモフねえ~」
「ほーらほら、卵焼きよ」
「キュー♪」
母とばあちゃんは二匹のモンスターに餌を上げようとするが食べず、ブラッシングなど喜んでいる。
赤い宝石の子はお風呂が好きで、爺さんが熱々の温度で風呂に入る時、一緒に入る。家族から不満が出ている熱湯風呂に付き合う子として、爺さんは喜んで一緒に入った。
「探索者………テイマーか」
俺は探索者の、ゲームで言うところの職業欄を見て、テイマーの職業を見る。モンスターを使役して戦わせる職業であり、モンスターを連れて歩けるライセンスの発行などされている。
「一応、大学でダンジョン講座受けたから、登録しようと思えばできるな」
野良モンスターは捕獲して研究所に連れて行かれるか、その場で殺されるかのどちらかだ。世界政府が研究して作り出したこの探索者カードを手に取り、モンスター達に近づける。
「家の子になるなら、テイムされてくれよ」
すぴすぴと鼻を鳴らして、二匹はカードに額を当てて、カードが光る。
俺に仕える、または家族になる証のようだ。登録できるようになり、名前を付ける。
「正宗と秀吉だ」
「可愛くないわよ」
「ルビーちゃんとサファイアちゃんがええと思うわ~」
「ではそれでいいと思いますよお義父さん」
「けっ」
家族会議で決まり、この子達は赤い子はルビー、青い子はサファイアと爺さんは不満そうであり、こっそり裏で正宗とか言っているが、ルビーとサファイアで定着した。
こうしてモンスター達は新しい家族になり、俺はこの時、知らなかったのだ。
これが我が家がテイマー一家となる一歩であり、我が家は一躍時の人になる切っ掛けと知らず、俺はルビーとサファイアがどんなモンスターか分からず、SNSにアップする。
友達? いないいない。今時畑仕事に興味持ってくれる奴なんていない、大学も農業系ではあるが、山まで存続する予定である俺に余裕は無く、友達付き合いは無い。
ツイッターなんてしなかったが、これ専用に立てて、お乳を与えている様子の動画をアップする。
まあ全ての切っ掛けは俺のこれなんだけどね。
「後は果報は寝て待て」
そう言って机に投げて、俺はルビー達に猫じゃらしで遊んであげた。
いますでにその動画を見て反応する人達が現れていると想像せず、それが凄いことになると知らず、俺は家族と戯れた。