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08.元奴隷少女は思い出す。

投稿遅くなってすいません……土日にまた書き貯められるように頑張ります!

そしてブクマ100件を越える事が出来ました!本当にありがとうございました!

自分自身に突っ込んでから、私はすぐに我に返った。


(いやでもなんでソフィアがこんな所にいるの!?)


至極当然な疑問が湧いたからだ。こんな所で未来の仲間と出会えるなんて奇跡としか言えない確率だったから。


私は怪訝そうな顔をしているソフィアの事をチラっともう一度見た。


(す、すごい……!本当にソフィアだ……!)


見た目はもちろん幼い子供なんだけど、見た目の雰囲気や髪型、声質など、私の知っているソフィアそのものであった。


ソフィア・フォールレインとは、ゲームのソードファンタジアの中盤に登場する魔法使いの女の子。 作中の年齢は17歳だった。


ナインシュやコア地方よりもさらに北にある“ノース地方”の小さな都市で仲間になる。


ソフィアの両親は人間と魔族との戦争による被害で亡くしており、自分と同じ境遇の子供達が集まる孤児院で働く女の子だった。


ジョブは下級ジョブのメイジからスタートして、最終的には上位ジョブのアークメイジに進化する。


ステータスは魔法攻撃に特化していて、魔法防御が高い敵じゃなければ基本何処でも採用出来た。


アビリティは魔法攻撃技と味方へのバフ技を沢山覚えてくれるので、役割としてはアタッカー兼バッファーで大活躍してくれた。 特にボス戦ではアタッカーとしてかなり頼もしいキャラだった。


中盤に仲間になってからそのあと最後までずっと共に戦ってくれた相棒的な存在。 それが私にとってのソフィアだった。


(でも……あのままだったらアイシャに殺されそうになっていたけど……)


もしかしたらあの時私が助けに入らなくても他の兵士達がソフィアを助けに入ったのかもしれない。 でも本当にそんな事が起きるかどうかは今となってはもうわからないし、私は自分が危険になってでもソフィアを助けた事に後悔は一切していない。


(そもそもなんでソフィアがナインシュにいるんだろう?)


ひとまずソフィアがアイシャに狙われた理由は置いといて、何故ソフィアがナインシュ地方にいるのかを考えてみることにした。


(うーん……実はソフィアもナインシュ出身だったとか?)


私はそんな仮説を立ててみた。


ソフィアはエステルと同じく、魔族との争いによって家族を失うという設定だった。 そしてソフィアがアイシャに襲われていたあの時、周辺にソフィアの家族のような人物はいなかった。


(じゃあソフィアが家族を失う原因って、この魔王城襲撃事件だったんだ……)


ただ、エステルとは違い、ソフィアは本編で自身の生い立ちを語るシーンは無い。 だから、ソフィアの出身地や、家族をいつどこで失うのかなどの詳しい話は私は知らない。


(というか私……ソフィアの出身地って普通にノース地方出身だと思ってたんだけどな)


ソフィアは8年後のソードファンタジアでは、ここから更に北にあるノース地方にいることになっている。 そこの地方で主人公のアークはソフィアと出会い、仲間になるわけだ。


魔族の本拠地はナインシュだけど、それ以外の地方にも魔族は存在しているので、他の地方でも大なり小なり争いは起きている。 もちろんノース地方でも魔族との争いは起きている。


だからソフィアが争いの被害に合うのはノース地方での出来事だと私は思っていたので、こんな場所でソフィアと出会うなんて全く想像していなかった。


(でもこんな所に仲間キャラがいるのは、ただの偶然……では無いはずだよね)


この世界はソードファンタジアが始まる8年前の世界だ。 魔王城襲撃など多少のズレはあったけど、ソードファンタジアが始まるまでに起きた事件はこの世界でもちゃんと発生している。


そしてソフィアはソードファンタジアが始まる時にはノース地方にいるキャラだ。 だからソフィアが今ここにいる理由と、そしてその後、ソフィアがノース地方まで行けた理由があるはずだと私は思った。


(流石にソフィア1人の力だけでここからコア地方を抜けてノース地方にまで行くなんて無理だ……)


私みたいにチート能力を貰えているなら話は別だけど、子供が1人でそんな大移動をするのは絶対に不可能だ。 じゃあどうやって……?


(ソフィアの事を思い出せ……多分ゲームに何かヒントがあったはずなんだ……!)


私はソードファンタジアのソフィアのサイドシナリオについて思い出してみることにした。


以前も言ったが、ソードファンタジアには各仲間キャラに焦点を当てたサイドシナリオが全員分にある。 もちろん途中退場するエステルにもサイドシナリオは存在している。


ちなみにソフィアのナイドシナリオの内容は孤児院にいる子供達の未来の幸せを祈るシナリオで、ソフィア自身の過去の暗い話を追う話とかでは一切無かった。


(でもソフィアのサイドシナリオってほぼノース地方で完結してたからなぁ…………いやでもちょっと待って!)


ソフィアのサイドシナリオを思い出している時に、私はとある事に気が付いた。 ソフィアのサイドシナリオで一度だけ、コア地方のとある場所に訪れるシーンがあった。


(確かソフィアって……!)


そのとある場所というのは都市ヤマウスだった。 そこにはソフィアの母の友人が住んでいて、サイドシナリオで1度だけその母の友人と会うシーンがあったんだ。


(……あっ!)


母の友人との会話シーン自体は別に重要な話とかは一切無かった。 他愛無い雑談をするだけだ。


「ソフィアは元気にしているか?」とか、「勇者様に迷惑をかけてないか?」とか、本当にただの雑談だった。 そしてヤマウスを離れる時、母の友人はソフィアに向けて最後にこう言うのだ。


「またいつでも帰ってきておいで」と。


当時ゲームをプレイしていた時、私は特に気にせずこの会話シーンを進めていた。 でも今考えるとこの会話はおかしい。


「いつでも来てね」ではなく、「いつでも帰ってきてね」とソフィアに向けて言ったんだ。


ということはつまり、ソフィアは都市ヤマウスに住んでいる母の友人の屋敷に住んでいた時期があるということだ。


そんな時期があるとしたら、ソフィアの両親が亡くなり、ソフィアに身寄りがいなくなった時しかありえない。 そしてソフィアの両親が亡くなった争いというのは、今起きている魔王城襲撃のことだ。


(じゃあこの時代にも……!)


私は転生してから今までずっと、都市ヤマウスが既に建てられているのかわからなくて悩んでいたけどこれでわかった。 つまりこの時代にも……


(この時代にも都市ヤマウスはある!)


私のゴール地点が今はっきりと決まった瞬間だった。 そして私の次の目標も生まれた。 それはもちろん……


(ソフィアをヤマウスまで無事に届ける……絶対に!)


そう私は心に強く誓った。

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