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天才になりたかった変人  作者: 立花悠真
普通じゃない何か
6/15

名前Ⅱ

「なんで男子と試合してたの?」


「それは…」


「わかった!要人さん強いからでしょ!」


「はい、まあ…」


「要人さんの学年に西っていう人いるでしょ?」


西はうちのクラスの委員長だ!


「はい、居ますね野球部の」


「部活の後輩なんだけど、西が1年の時にすごい人が居たって話聞いたことがある」


「すごい人?」


「入学して直ぐにに先輩に群がられてたって」


「あーそんな事もありましたね」


「それ、オファーでしょ?野球部もたまにお目当ての子がいるとするけど、バド部は初めて聞いた。」


「そうなんですね」


なんかすごいグイグイ来る人だな。

年上の人とかあんまり話さないから

少し新鮮。


「なんで辞めたの?」


「あーそれは…」


「あ!腫れ収まって来ましたね」


「ほんとだ、ちょっとましになってる」


「それじゃ湿布貼りましょうか」


そう言って、黙々と湿布を指に巻き付ける。

現役時代、自分で出来るように

トレーナーさんに色々教えてもらったおかげで

そのぐらいは手慣れたものだ。


「はい、出来ました。」


「おーありがとう。」


「どういたしまして。」


「じゃあ俺、体育だから戻るわ」


「私は寝直します」


だいぶ時間をロスしてしまったが、今からでも30分ぐらいは寝られるだろう。

寝ないよりかはまだましだ。


「そういえば、寝てたって事は体調悪いの?」


返答に悩んだ。


頭痛で寝ている事になっているから

そう答えるのが今までの私だったが、

今は早くこの人を返すことが最優先。


下手に頭痛と言ってしまうと

(体調悪いのに、起こしてごめん)だとか

(病人に手当させてごめん)とかになり更に睡眠時間が削られる恐れがある。


「ただのサボりですよ」


これが、最善の手。


扉に向かいかけていた男子の足が止まる。


「要人さんってなんでネコ被ってるの?」


一瞬で保健室の空気が止まったのを感じた。


「え、なんの事ですか?」


「俺は、さっきの慌ててた要人さんの方がいいと思うだけど」


「気のせいです、ネコなんて被ってませんよ?」


「そう?」


「はい。」


「まあいっか、じゃあね要人さん」


「お大事に」


「あ!言い忘れてた、俺、香澄かすみ

よろしくね」


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