私、青春したい!
これは、一つの夢を叶えるための物語。
ここは、紺碧女子高等学校。歴史ある女子校らしい。
この学校の特徴?生徒数が多いくらい。
歴史があるからって、特別勉強が凄いわけでもなく、部活動も特に目立ってない。普通の学校。
そんな中、学生生活を送っている子達のお話なのです。
〜夕方の教室〜
彩羽「はぁ、今日も授業終わったー!」
珠久「って、彩羽は授業中寝てただけだろ?」
彩羽「え、バレてた!?」
珠久「そりゃ、寝言がうるさいからな。」
彩羽「てへへ.....」
この子達は現在2年生。
1人は奥田彩羽、セミロングの髪型が特徴。
勉強、運動は平均。部活には入っていない。
もう1人は野尻珠久。1つ結びをしている。
男みたいな口調が特徴的。こちらも部活には入っていない。
珠久「よーし、帰るぞー。そして下駄箱まで競走だ!」
駆け足で教室を出ていく珠久。
彩羽「ちょちょ!?待ってよ珠久ー!」
あとを追いかけ駆け足で彩羽も教室を出ていく。
珠久と彩羽は幼馴染というやつで小学校からずっと一緒だ。
家もご近所ということで毎日一緒に登下校をしている。
〜下校中〜
学校を出て、2人並んで帰っている。
彩羽「思うんだけどさ、うちの学校って平凡すぎないかな!?」
突然彩羽が喋り始める。
珠久「は、急にどうした?」
彩羽「この学校に入学して2年。行事も特に目立たなかったし、何か変化が欲しいのよ、つまり青春がしたい!」
珠久「部活とか入ってない私たちには青春とか無縁だろ」
彩羽「だってうちらの学校面白そうな部活ないじゃん!」
ちなみに紺碧女子高等学校には、バレー部、茶道部、テニス部...
などどこにでもある様な感じの部活しかない。
珠久「まあ、それはそうだな。そんな言うんだったらいっそのこと部活作っちまえよ」
珠久は冗談半分で言う。
彩羽「それいい案じゃん!」
珠久「いや本気で受け取るなよ」
いつもこんなどうでもいい話をしながら帰っている。
話している間に彩羽の家に着いたようだ。
彩羽「もう家かー。珠久!またあしたねー!」
珠久「はいはい。またなー」
珠久が見えなくなるまで手を振りづつける。珠久が見えなくなり彩羽は自分の家の玄関を開ける。
彩羽「ただいまー!」
彩羽の家は専業主婦の母に、サラリーマンをしている父、大学生の姉がいる一般的な家庭だ。
母「おかえりー」
彩羽は靴を脱ぎすて、真っ先にリビングに向かいテレビの電源をつけた
彩羽「なんのテレビやってるかなー♪」
テレビの電源をつけると、そこにはアイドル特集がやっており1人のアイドルが映っていた。
そしてこのアイドルの言葉で、全てが始まったのかもしれない。
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記者「それでは大人気アイドルにインタビューをしたいと思います!どうしてアイドルになろうと思ったんですか?」
アイドル「なんでアイドルになろうと思った、ですか....なった理由は友達に誘われて、ですね。けどわたし、何事も普通で。勉強とか運動も全部平凡!って感じだったんです笑
けどアイドルになってみて、歌って踊って本気で自分が楽しめて誰かを笑顔にできる。普通だった私がこんなに変われる、誰かに好きでいてもらえる。こんなアイドルが楽しいなんて思ってなかったですし、今アイドルができて本当に嬉しいですね。」
記者「なるほど、友達に誘われてですか!」
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この言葉で彩羽の心は大きく動いた。
彩羽「本気で楽しめて誰かを笑顔にできる....これだ!これだーーーー!」
母「あんたうるさいねー!学校から帰ってきたんだからさっさと着替えなさい!」
彩羽「はーい.....」
彩羽は階段をのぼり自分の部屋へと行く。
〜自分の部屋〜
ベットに飛び込み、天井を見つめてみる。
彩羽「アイドル、絶対これしかない...!」
彩羽は急いでスマホを取り出して何かを調べる。
彩羽「なるほど....。これは面白い!明日珠久に伝えてみよー!」
〜次の日〜
朝、いつも通り2人は登校していた。
珠久「彩羽、おはよー」
彩羽「あ..珠久...。おはよー」
珠久「なんか彩羽いつもより眠そうじゃん」
彩羽「そうなんだよー!実はね...。」
珠久「おう、どうした?」
彩羽「わたし、部活作ろうと思うの!!」
珠久「まさか昨日のことガチで考えてたのか!?」
珠久はとても驚いた様子だった。
彩羽「そうだよ!昨日真剣に考えたの!」
珠久「ち、ちなみに何部だ?」
彩羽「アイドル部を作ろうと思うの!」
珠久「アイドル部!?」
彩羽「めっちゃいいよね!いや〜珠久もそう思うかー!」
珠久「いや、急すぎてちょっと状況が読めない。」
彩羽「えーなんで?でねでね!ひとりじゃ嫌だから珠久も一緒にやって欲しいの!」
珠久「え、私!?いや無理無理、無理だから!!」
彩羽「いや決まりなのー!ほら行くよー!」
彩羽は全力で走り学校へと向かう。珠久もそれを追いかけるように進んでいく。
ー全ての始まりはここから。物語はもう始まっているー