少女の思い
ご都合展開すぎるかもしれませんが、それでもいいという方は見てもらえたらと思います。
ご指摘を頂きノエル・ベスティールで統一させていただきました。
もう疲れた… 私は何の為に今まで頑張って生きてきたのか…
私メイヴィス・アスティノーラは断頭台から見える空を見上げていた。
処刑台から見える王城のテラスではこの国ベスティール王国の国王ノエル・ベスティール陛下、その横には複雑そうな顔を浮かべながら陛下と腕を組んでいる王妃(黒髪の少女)年齢は18だそうだが見た目が若く実年齢より2つは低いように見える。
彼女が来てからは何もかもが狂いだした。
殿下と私は夫婦になるはずだった。
婚約をし、あと一年後には結婚するまで話は大きくなっていた。
私はこの国の公爵家の一人娘で父上は前国王陛下と仲が良かったこともあり、私と殿下を結婚させるとに両人共賛成していた。
しかし異世界からこちらに来たと話す少女が現れた。
殿下は少女に一目惚れし彼女を後の王妃にしようと考え、彼女に私と同等以上の地位を与える様に動き、私は第二婦人になった。
私が過ごしてきた19年間は全て王妃になるための習い事に当てられていたのに陛下は私ではなく異世界の彼女を選んだ。
私自身殿下と共に国を支えていく為にと心積もりもし、殿下を敬愛していたのに…
前国王陛下は退位される時に私に彼奴の事を任せるぞとお言葉を下さった事もあり私はより良い国作りの為に王妃の少女の仕事を全て受け持ち、陛下の仕事も九割程受け持っていた。
そうすると自然と陛下と会う回数は減っていった。
私が現在、処刑される立場になった根本の原因はよく分からない。
多分だが、邪魔者だったんだろうな…
心当たりはある。
異世界から来た少女が四日前突然私の書斎に現れ、ゲームならもうとっくに居ないのに何でまだ生きてるのよと訳のわからない事を喚き、私が何のことですか?と言うとケルに言いつければ…と呟いたかと思うと書斎から飛び出していった。
その次の日私は書斎でいつもの様に仕事を進めていると突然、殿下と近衛兵がなだれ込み、私は取り押さえられ。
2日間牢屋に入れられ、現在に至る。
私は処刑人に連れられ断頭台の上に立たされる。
民達は私に向けて怒りや憎悪の目を向けている。
すると、横にいた処刑人から罪状が言い渡される。
「罪状。 長年に渡る王妃殿下への暴言の数々。 王国機密の漏洩。 国王陛下、並びに王族への暗殺未遂。 国民への違法な重税 以上の罪をその命で償って貰う。 しかし、最後に言葉を言い残す事を陛下はお許しになられた。 何か言い残す事はあるか?」
その言葉と同時に民達の中から声が上がる。
「お前の重税のせいで親父が死んだんだ!」
そう聞こえると石が私に当てられた。
それを風切りに民達から石や怒りの声が上がった。
私は石を当てられながら陛下いや、もう陛下と呼ぶ価値をノエルには見出せなかった。
税金や王国機密の扱いはノエルに唯一任せていた一割の仕事だった。
税金が重すぎると苦情が民達から上がると提言したのにも関わらずそのままノエルは押し切った。 王国機密だってそうだ。
管理方法が緩いのでは無いか? 難しいのなら私が手伝いましょうか?
と提言したものの、管理方法は万全だ。 王国機密はお前には任せられん!とケルノが言ったから任せていたのだ。 なのにその罪を全て私に押し付けるとはと思っていくとどんどんと私の中のノエルの価値が下がっていく。
王族の殺人未遂と暴言については全く心当たりはない。
「石を投げるのは止めんか!」
そういった処刑人の言葉で場が静かになる。
「そうですね。 この私の処刑はもう回避出来ません。私はこの国を愛しています。 土地も民達も全てです。 なので最後の言葉は感謝を述べ、罪を償う事に致します。 皆様今までありがとうございました。 以上です。」
頭に石でできた傷から血が流れ私の顔から血が落ちる。
騒いでいた民達も処刑人までもが惚けていて動かなかった。
私は断頭台で処刑人に刃を落とさせた。
私の19年間、全て報われる事なく終わってしまったな…
父上、兄上、ヨミ様、ニーナちゃん、屋敷の皆、元気でね…