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僕の世界の端っこの世界

作者: 井邑ハイリ

「どう、この世界に慣れたかな?」

「しんどくない?」

「分からない事があったら何でも聞いてね!」

「大丈夫?」


その言葉は全て僕を気遣ってくれる優しい言葉。


「大分慣れましたよ」

「ありがとうございます」

「はい、大丈夫です」


笑顔を浮かべて応える。

ありがたいなぁ、こんな僕なんかを気遣ってくれるなんて。

本当は大丈夫じゃないけど、そんなこと言ったってどうにかなる訳じゃないし、自分だけが苦しんでる訳じゃないんだから頑張らないと。

必死に自分と格闘して、ぐちゃぐちゃな頭を整理する時間を下さい。

みんなのテンポに合わせられない僕は、どうしようもなく迷惑をかけているのは分かっているけど、それでも僕は僕のペースでしか歩けない。

こんなわがままが通る訳ないのは分かっているから、とりあえず強がってみるけど、僕には僕が何を考えているのかもう分からない。

ごまかしの作り笑いを張り付けて、僕は必死に「大丈夫」を周りに告げる。

どうすればいいのか、問える先はないままだけど、そうやって生きていくしかない、僕の世界はいつの間にか孤独になってしまった。

どうして僕は、こんな風にしか生きていけないのかな。

本当は僕だって色んな人と関わって、「大丈夫」以外を言える人になりたい。けれど、そうやって助けを求めてらその人に重い荷物を背負わせて、僕の背中に本来あるべき荷物を渡してしまうなんて、そんな迷惑かけていい訳なんかないって、尻込みする僕がいる。

僕は一体、どうすれば良いのかな。

もう一人の世界に閉じこもって、そのまま荷物に埋もれて死んでしまえば良いのかな、そうすれば誰にも迷惑をかけずに済むんじゃないかな、なんて。

大丈夫だよ、そんな事する訳ないじゃないか。

僕はまだ、大丈夫さ。

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