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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第六章〜主人公記憶喪失編〜
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トキヤへの説明、ステータス確認

今更ですが、少し鬱展開があります(今に始まった事ではなく、この話にあると言うわけでもないが一応)。

小説情報には載せてあるので読者様方は承知のはずですが、苦手な方はご遠慮ください。

「で、なんでトキヤはチワさんに背負われているわけ?」


そう聞いてきたのは水色の髪の女の子だ。呼び捨てしていることから、結構親しい間柄だったのだろうか?年齢は12歳ぐらいか?


「あぁ、いきなりだったから俺もよく分からないんだ。恥ずかしいからあんまり見ないで欲しいんだけど……あとチ、チワ、降ろしてくれないかな?」


「了解ですトキヤ様」


俺は現在、半壊したと思われる村のはずれに位置する場所にいた。俺が先ほどまでいた場所よりも酷い惨状だ。


そして未来の俺の仲間たちと顔合わせをしている。まずは自己紹介からだが、俺の世界の情報はどこまで言っていいのだろう?


俺はそのことに悩んで詰まっていると、チワさんが横から俺の耳に綺麗な小声で囁いてくれた。近い近い近い!


……なるほど、俺の事情を知っているのはチワさん、目の前の女の子に、その後ろにいる……なんかの鳥類の亜人の女の人だけらしい。チワさんとあの人はなんの種類をモデルにしているんだ?少しだけ興味が湧いた。


「えー、ここにいる全員が知っていると思うけど一応俺から。名前は内ーー」

「トキヤ様です」


チ、チワさん?なんで割り込んでくるの?……あ、名前も日本名だ。つまり、ここでは内山時也は使えず、トキヤの名前で名乗っているって事か。


「チワの紹介通り、俺の名前はトキヤです。趣味は……最近は料理ですね。あまり美味しくはないでーー」

「「「それはない!」」」


……何故か全員が俺の意見を否定した。あんまり料理は得意じゃないはずなのだが……。もしかして、こっちで少し腕が上がったのか?


「ほ、他には……父親と妹がいますね……これぐらいでいいですか?俺の事も知っているようですし」


俺は少し緊張しながらもそうみんなに尋ねた。『まぁ別に知っている情報だったな』『今更すぎるです』などの声が聞こえる。


「じゃあ次は私たちの番ですね。まずは私から、チワと言います。トキヤ様の一番の奴隷です!」


「うん、ちょっと待って!いきなりぶっ込んできたね!え?チワって俺の奴隷だったの?」


「はい、そうですよ」


なんてこった!俺を様付けしてた理由がこれじゃないか!てか一番の奴隷って事は……他にも奴隷があるって事じゃないのか?まずいまずいまずい!不味すぎるぞ俺!何をやっているんだ!……チワさんはチワワがモデルなのか……って、そうじゃなくて!


「チワさん、いきなり奴隷発言はきついわよ。トキヤの所じゃそう言う制度は無かったらしいし。トキヤ、私はルナ・ティンゼルよ。ルナって呼んで。それと、別にチワさんの事は気にする必要はないわよ?トキヤの扱いは奴隷を超えていたから」


「そ、そっか。良かった」


先ほどの女の子が補足してくれた。ルナという名前らしい。俺はチワの扱いが雑でなくてホッとした。俺も心が壊れてはいなかったようだな。


「では流れ的にはハズクですね。名をハズクと言います。この名前はご主人様につけてもらいました。そして、ハズクはご主人様の愛人です」


「最後はハズクさんの妄想ですのでお気になさらずに。それ以外は本当ですよ」


「そ、そう」


……ハズクさんの自己紹介はチワさんが一部を否定して終わった。変わった人だな〜……あの人俺のパーティメンバーじゃん!……なんか気が重くなりそうだ。


その後も順調に自己紹介は進んでいった。アレク、クラディス、マージュ、アラン、ガルーダさん、アクシオスさん、グラシアさんと言うらしい。全員未来の俺が呼んでいた通りに呼ぶようにした。少し慣れないので恥ずかしいが、いずれ慣れるだろう。


そうそう、俺は近接戦では剣を使い、遠距離から魔法を放つ万能タイプ……器用貧乏タイプらしい。剣の腕では普通の騎士よりは上ぐらい。魔法も騎士よりは上ぐらいの、ちょっとだけ人より出来るタイプなんだとか。


チートは無かった。俺なんかにチート能力を授けるとは思えないけど、ちょっとショックだな。一応……そうそう、俺は異世界転移らしい。異世界転移をしたのに何もチートスキルがないのはな。


「あの、それでこれからどうすればいいんでしょうか?俺としては記憶を取り戻したほうがいいんでしょうけど、まず、どうやって失ったんですか?」


俺は全員に尋ねた。すると、みんなは黙ってしまった。何か不味かったのだろうか?


「トキヤ様、トキヤ様は私たちの命を守るため、『狂化』と言うスキルを使ったのです。その力は凄まじかったのですが、その代償が今回の記憶喪失になったのかと、私は思っています」


「『狂化』……?その、スキルってのは魔法とは違うんですか?」


魔法は先ほど説明してもらった。俺は火と水属性を使えるらしい。ちなみに教えてくれたアクシオスさんは3属性と裏の二属性らしい。……やはり俺にチートはないようだ、と思っていたのだがな。


「スキルってのは……自分のステータスを見た方が速そうだな。ついでに称号も見ておいた方が良いと思うぜ?」


アレクさん……じゃなくてアレクがそう言ってきた。ステータス画面?……オープン!


「うぉっ!」


俺はそう念じると、ステータス画面が出てきた。色々あるが結構細かいな。一面で見れるタイプじゃなさそうだ。


……あ、左上にマークもあった。後で調べたが、念じればステータス画面が出るように設定してあった。時間短縮か?バラバラに散りばめられていたから、纏めるとこんな感じになった。


『内山時也 人族 男 16歳 Lv58


装備:麻製の服一式 灰色狼(グレイウルフ)の魔石の剣 魔黒龍(デビルダークドラゴン)の手甲(???の複製品)


スキル:『狂化』『料理長』『育成のプロ』『賢者』 『???』


魔法:《火球(ファイヤボール)》《炎球(フレアボール)》《火壁(ファイヤウォール)》《炎壁(フレアウォール)

灯火(トーチ)》《火付与(ファイヤグラント)》《水拘束(ウォーターバインド)》《水癒(ウォーターヒール)

水回復(アクアリカバリー)》《清水(クリアウォーター)》《水付与(ウォーターグラント)


称号:転移者 人殺し 奴隷使い 魔物殺し 記憶喪失 童貞 ロリ◯ン 鈍感 ヘタレ 偽善者 仲間思い 優しい嘘つき』


…………何これ?え?称号色々酷すぎない?中盤の悪口の数々。第1ほとんど当てはまってないじゃん?何があったんだよ、未来の俺。年齢も変わってる。


そ、それに人殺しってなんだよ?俺は……人を殺していたのか……?そんなはずはない!俺が人を殺すような事をするはずがない!……なんでだ?……何があったんだ?……分からない。何も分からなくなってしまった。


「おい、どうしたんだトキヤ?何かおかしいことでも……そうか、自分の知らない情報が増えているんだし、驚くのも無理はないか」


アランは俺の様子がおかしい理由を尋ねようとしたが、違う答えで納得してしまった。他の人もその答えに納得したようだったので、そこは安心した。


「あ、あぁ、少しびっくりしてたんだ。ところでさ……この二人と一匹の虎はなんなんだ?仲間じゃない……よな?どう考えても」


俺はさっきから気になっていた質問をぶつける。何故かみんな一切容赦なく無視してたし、何かあるのかもしれない。だって縄みたいなので縛られているし。


「トキヤ、この二人と一匹は敵なのよ。私たちがさっきまで戦っていた、ね。まぁ、トキヤが『狂化』を使って私たちを守って戦い……殺したのよ。そんで何故か生きかえらしてるし。まぁ、今のトキヤには何が何だか分からないでしょうけどね」


マージュと言う名の少女が俺に教えてくれた。なるほど……そうか、『狂化』は意識が無くなるスキルだ。なんで殺したのかは分からないが、おそらくそれが原因で人殺しなんて称号を得たんだろう。


でも、生きかえらしているしセーフ……にはならないけど、事情を聞くだけで少し安心した。しかも敵って話だし。


……ちょっと待て。俺が殺した?……だよな?つまり、俺はこの二人と一匹の虎を倒せる戦闘能力が、デメリット満載の『狂化』を使ってでも倒せるレベルなのか。


いや、通常でも俺は身体能力が高くなっている。その俺が、俺と他の仲間たちが敵わずに、『狂化』を使わせるほどには強いってことじゃないのか?え?やばくね?


「あぁ、俺が人を殺したなんてびっくりだよ。……で、俺が生きかえらしたんだ……敵なのになんでだ?」


「トキヤ様は優しいですからね。意識が無くても、たとえ敵でも生き返らせてしまう人なんです」


「いや、まず優しいなら殺さないからね?」


「…………」


最後のは言わない方が良かったかな?そうか……この行動が称号の偽善者とかに認定されたのだろう。自分で殺して自分で生き返らす。それが何故かチワには優しく見えている。なんかのフィルターが掛かっているな。


「それで……この人たちの扱いはどうなるんですか?殺人未遂……とかですか?」


「いや、こいつらは国家反逆罪だ。『バロン王国滅亡を望む会』なんて組織の名前だしな」


アレクがそう答えてくれた。バロン王国?……あぁ、この国の名前か何かだろう。なんて安直な名前の組織名なんだろう。たしかに国家反逆罪だな。


「そう、ですか……」


俺はそう答えた。


「一応言っておくが、もし有益な情報をもたらした場合などは減刑がある。最大で無罪になった人もいた。まぁ、そいつは偶然の事故による罪で、人格的にも問題がなかったからだがな」


ガルーダさんがそんな事を言ってくれた。……つまり、俺の心を読んで言ったのだろう。……この人こそ優しいんじゃないのか?


「ガルくん……本当にどうしたのです?頭打ったのです?」


グラシアさん……酷い。でも、一応そんな事を言われるってことは、普段が本当に酷いのだろう。可哀想だけど。


「……ん〜?…………あ、れ?私は……」


皆が警戒体制となった。拘束されていたうちの一人の女の子が起きたからだ。この子も亜人だった。パッと見では分からないな。


「……あれ?私、拘束されて……ひっ!こっ、来ないでっ!殺さないでっ!」


その子は自分の状況を確かめ、俺を視界に捉えて半秒ほど経ってから、まるで化け物でも見るような目でそんな事を言った。……何をしたんだ未来の俺は?


そう思わずにはいられなかった。

面白かったら感想、誤字脱字報告、ブクマ、ptお願いします。

あと、私のもう1つの連載作品の

『普通を求めて転生したら、剣の勇者の息子で杖の勇者になっちゃった〜剣技と魔法で最強〜』

も、是非読んで見てください。

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