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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第四章〜バルトロールダンジョン編〜
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今後の方針

しばらく更新停止します。詳しくは活動報告を見てください。ですが、絶対に再開はするので、気長に待っていてください。

ギルドを後にし、俺たちは次に武器屋に向かった。


「おっ!久しぶりじゃねーのに久しぶりだな、にいちゃん。クエストは無事に終わったようだな。それに、いつ見てもにいちゃんの子達は可愛い子ばっかだな。羨ましいぞちくしょう!」


「ふんっ、当たり前よ」


「「ありがとうございます(どうせならトキヤ様(ご主人様)に言われたいです。いえ、いつか言わせてみせます!)」」


なんてことを言われた。それに対し、ルナとチワとハズクはそう返す。俺はクエストが終わった事を改めて報告し、新たに低級魔法剣の素材となる、魔石を渡し、武器にしてもらうようになった。


俺は剣、チワとルナは短剣、ハズクは爪だ。出来上がるのに、全員合わせて5日ほど掛かるらしいので、それ以降の日に取りに来て欲しいらしい。俺たちはお礼を言い、武器屋を去った。


そして、次に向かう場所に行くために、俺たちは再度、魔道具屋へと戻る。ニーナちゃんとルナはそこでお別れだ。これから行く場所にニーナちゃんは絶対に連れていけない。


ルナも一度行ったことがあるが、例の卵について調べるらしい。見た目、重さ、大きさなどは把握したらしいから、俺はありがたくチワに持たせる。これから行く場所に必要なのだ。


「トキヤお兄ちゃん。あのね、ギルドのお姉さん、とっても優しいの。それになんだかとっても安心するの」


なんて言っていた。ニーナちゃんに好かれるなら、少なくとも悪い人ではないはずだ。……こんな風に考える自分が嫌になる。


「それじゃあトキヤ。間違っても売らないでよ?」


「いや当たり前だろっ!」


なんて会話をしてルナとニーナちゃんと別れた。これから行く場所、そう、奴隷商の所に。あいつなら、魔物紋も商売で使っていたし、貴族がペットとしてドラゴンかなんか買いたいから、とかで色々見てそうだしな。


なんて考えていたら奴隷商の元へと着いていた。相変わらず、人っ子一人いない。やはり昼は暇なのだろう。さて、入るか。


「久しぶりだな、奴隷商。今日はちょっと聞きたいことがあってな。お前の力を借りたいんだ」


「おや?お客様ではありませんか。もしやそちらの超巨乳の亜人奴隷を売りに来たのですかな?処女なら金貨……20枚でどうでしょう?」


奴隷商はハズクを見てそう言った。チワよりも高いな。この世界では胸は巨乳の方が高いのか?一応反応はしておくか。向こうの世界での『行けたら行くわ』程度に。


「ふむ、今なら40枚なら売ってやろうかな?だが、あいにくと今日もそっちではない。俺は聞きたいことがあって来たんだ。もちろんそちらの利益に繋がるかもしれないようにもするぞ?」


「ほう……そちらの卵ですな?」


奴隷商はチワが持っている卵を指差す。さすがだな。スキル『金の亡者』みたいなの持ってるんじゃ?あるかも知らんが。


「そうだ。残念だが、俺たちではなんの卵かは分からなかった。だが、魔物紋も商売としている奴隷商なら、もしかしたら見たことがあるかもしれないと思ってな。どうだ?」


「ふむ、お客様。我々は無料で情報を提供するわけにはいかないのです。私は商売人。まずは利益とやらを聞かせてもらえませんか?」


ちっ!まぁ、当然だな。


「この卵は珍種、新種などの場合が高い。俺たちが調べ上げたが分からなかったからな。だが、もしそちらの手で調べてもらった場合、ここで手に入れたことにする。そうすれば、珍品を欲する貴族たちの目につき、この店は繁盛するんじゃないか?」


「なるほど……分かりました。卵を調べる代わりに、こちらの宣伝をしていただけるというわけですね。もう1つ、そちらの巨乳亜人奴隷をここで買ったということにしていただきます。そちらの方が我々としても儲かりますので。いかがでしょう?」


「構わない。俺が求めるのは卵の情報のみ。この店が繁盛しようがしなかろうが、俺には関係がないからな。書類とペンを持って来てくれ。血判をサインとした証明書を書く。お互いに一枚ずつ持っておけば、裏切れない」


「畏まりました。すぐにご用意致しましょう」


パチン!奴隷商が指を鳴らすと、他の人が今俺が言ったものを持って来る。俺と奴隷商はそれにお互いの名前と血判をつけ、互いに回し読みをして確認をして完了をした。


俺はチワから卵を預かり、奴隷商に預ける。ついでに、魔物紋を卵に掛けてもらった。これで生まれた瞬間に俺の魔物ということが確定する。他の2人が持った場合、色々なわがままを許しそうだからだ。この中じゃ、俺が一番公平な目で見れるだろう。


「では、二日後に来ていただけると助かります」


「了解した。絶対に卵は割るなよ。その価値はお前の命よりも高いと思え」


そう釘を刺して俺達は奴隷商の元を去った。そして、魔道具屋に再度戻る。ルナも図鑑などで調べたらしいが、やはり分からなかったらしい。つまり本当に珍種などの可能性が高いと言う訳か。


その後、俺とチワ、ルナ、ハズクの4人でこれからの方針を考えようと思い、ルナと初めて会った時に座った席に座る。今回はエドガーさんの代わりにハズクが座っている。


「さて、じゃあ始めようか。このパーティのこれからの方針について」


「はい!」


俺がそう言うと同時にルナが手を挙げる。


「トキヤ、あなたは向こうの世界に帰りたい?帰りたくない?どっち?」


ルナはそう聞いて来た。


「いきなりだな。でも、確かに大事なことだ。そうだな、俺は…………帰りたい。俺には家族が居る。母親は居なくて、妹が、俺がこうして居る今も、1人寂しく待って居るかもしれないんだ。でも……俺はこの世界のみんなとも居たい。少なくとも、チワ、ハズク、ニーナちゃんが1人で自立できるまでは居たいとも思う。でも、そんな風に簡単に出来るものでもないしな。帰れる機会があったら帰りたい。これが今の俺の気持ちだ。優柔不断だろ?」


「そんな事ないです!家族が居るなら、直ぐにでも帰るべきです。私は、トキヤ様が向こうの世界に帰れるように手伝います!」


俺がそう言うと、チワがすぐにそう言ってくれた。でも


「ご主人様、ハズクは反対です。ご主人様にはニーナを育てる責任があります。だから、今すぐ帰れるなら帰りたいと言う意見には反対です。もちろん帰るのは構いませんが」


と言われた。確かに俺はニーナちゃんの責任を取ると言った。でも……俺は……。


「ハズクさん、そのことを決めるのはトキヤ自身よ。ハズクさんがそんな風に決めるのは良くないわ」


ルナがハズクにそう、諭すように言った。いつもの立場が逆転している。いつものハズクっぽくないな。


「ですが!……ハズクはご主人様が大好きです!確かにさっきのは建前です。ですが、ご主人様と離れるのが嫌なのは本当です!」


あ、そう言えばそうだった。なんかハズクの態度がいつも通りだったのと、それ以上に今までの出来事が大きすぎて忘れてた。やばい!意識しだした途端に体が熱くなって来た。


「え?ハズクお姉ちゃんはトキヤお兄ちゃんが好きだったの?じゃあ私と一緒だねっ」


そんなニーナちゃんの一言で、俺は落ち着きを取り戻す。それに、ニーナちゃんの好きは家族として、友達としての好きだろう。だが、ハズクのは違うと思う。異性としての好きだ。


「……ちょっと待って。え?ハズクさんはトキヤの方が好き、なの?」


ん?ルナがめちゃくちゃ動揺している。何故だ?……そう言えばバルトロールダンジョンで、ルナだけ先に寝て、最後に起きたからな。ハズクとの会話聞いてなかったわ。


「で、トキヤはハズクさんのことが好きなの?答えなさい。あなたにはその責任があるわ。パーティリーダーとして、仲間と、その、そういうことをはっきりさせておくのは大事だと思うの」


ルナは最初にすごい剣幕、最後は少し恥ずかしがるような、照れるような感じでそう言った。


「わわ、わたたた、私はどちらでも構いませんよっ!トキヤ様が幸せになる方法を選んでくださいっ!」


チワもすごく動揺をしながらそう言ってくる。あぁ、ここでハズクに対しての思いを伝えなきゃいけないってことか。


「ハズク、俺に今は好きな人はいない。……でも、だからってそんな気持ちで付き合うわけにはいかないと思う。だから、その、友達から、かな?それじゃあダメかな?」


「……そうですか。……ご主人様、ハズクは別についでで構いません」


ハズクはそう言う。ん?どう言うことだ?


「ハズクは……第二夫人、側室、保険などの扱いで構いません。ご主人様の本命は気にしません。例えば、チワさん、ルナさん、ニーナ、とかです」


「ななななっ!何を言っているんですか!ハズクさん!」


「そっ、そうよっ!私がその、トキヤとだなんて!」


「ん〜?トキヤお兄ちゃんのお嫁さん、私がなるの〜?良いよ」


ハズクの衝撃発言に、チワとルナはそう反論する。チワの尻尾もぶんぶん横に振っている。それほどか。ニーナちゃんは何故かオッケーと言っているが、それは『私、大きくなったらお父さんのお嫁さんになる』と言っているようなものだろう。これは気にしない。


「ハズク、それは認めない。この世界ではどうかは知らないが、俺の世界では一夫多妻制は無かった。それに、本命とか保険とか、好きな人に優劣はつけない。俺はチワが、ルナが、ハズクが、ニーナちゃんが、みんなが好きなんだ。ガルーダさんにヘプトさん、もちろんアランも。大事な人同士で優劣なんて決めれるもんか。だから、ハズクの案は受け入れられない。……ちょっと待て。だんだん元の話からズレていってないか?」


「「「トキヤ(様)(ご主人様)、最後が台無しです」」」


なんて訳のわからないことを言われた。だって元々これからの方針について話し合っていたのに、いつの間にか変な方向に進んでいたから、俺はそれを止めただけなのに。


「はぁ、一旦話を戻すぞ。これからの方針についてだ。案のある者」


誰も何も言わない。確かに自分の一言でこれからのパーティの方針が決まってしまうから、言い出しにくいのだろう。なら言い方を変える。


「じゃあ、これからの事でしたいことを何か言っていこう。まずは俺から。とりあえずはDランクにアップできるようにクエストクリアを優先すべきだと思う。何をするにも、自分の戦闘力、権力、財力は持っておいて損は無い。全てを賄えるのがクエストだ。ちょうど組織からの条件にも一致しているしな。向こうの思惑通りになるのは(しゃく)だが」


「私はそれで良いと思うわ。とりあえず、トキヤとチワさんとハズクさんは魔法も覚えましょう。使える魔法が多いに越したことはないわ。私の命もかかっているんだもの。魔法書も半額以下の値段で売ってあげるわ」


無料ではないんだな。いや、半額以下でもめちゃくちゃありがたいんだけどな。


「ではルナさん、魔道具を新しく作るのはどうですか?」


チワがそんなことを言い出す。


「魔道具は確かに作れるけど……例えばどんなのを?」


ルナはチワにそう尋ねる。


「作れるものにも寄りますが、確か武器屋のおじさんが、『隠密性能が上がるマント』とかもあったじゃないですか。そう言う効果のある魔道具などは作れないですか?」


そういえば、そんなのあったな。盾おと、じゃなくてハイドが使っていたのも似たようなものだったし。


「確かにそれなら……。初めてだけどやってみるわ。売り物にもそう言うのはあるけど、それだとトキヤ達が買わないといけないから、自分で作ってパーティに投資をする形になるから、遅くなると思うけど。

ついでにハズクさんのための『日差しを遮るマント』も頑張ってみるわ。だけど、期待はしないで。あれが高い理由は、作る難しさ、素材の希少さなどが主な理由なの」


「いえ、そんなことまでしていただいて。ルナさん、ハズクはとっても嬉しいです。ありがとうございますね」


ルナの優しさに、ハズクもそう言う。声のトーンからも、喜んでいるのがよく分かる。


「それじゃあ、ある程度の今後の方針はクエストを中心的に受けながら、各々の強化で良いな」


「はいっ!」

「それで良いわ」

「了解しました」


俺のまとめに、3人は了承をしてくれた。……そして、この話し合いから半年が過ぎた。半年間の出来事は色々な事があったが、それはまたいずれどこかで話すことになるだろう。そして……俺たちはBランクパーティになっていた。

面白かったら感想、誤字脱字報告、ブクマ、ptお願いします。

あと、私のもう1つの連載作品の

『普通を求めて転生したら剣の勇者の息子だった件』

も、是非読んで見てください。

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