カンラン村再び
最近、この話を一から読み直しているが、忘れている設定とか色々あった。そのついでに誤字を直したり、前のと今じゃ、呼び方が違うところを直したり(時也→トキヤに)したが、逆に直していないところがあった場合、おかしくなることになるので出来れば、漢字の時也も誤字報告をしてほしいです。もちろん自分でも直しますが、念のためです。
「それじゃあ俺はグラシアの花をカンラン村まで届けてくるから、2人は薬屋の方のクエストを受けといてくれるんだよな?」
「ええ」
「はい」
「それじゃあこのままもう一度、ギルドでクエストを受けて、2人は出発。俺は一旦ハズクの元に戻ってグラシアの花をプレゼントしてくるよ」
「プレゼント?……トキヤ?私たちには?」
「……とりあえず、このクエスト2つを片付けてからにしようと思う。グラシアの花は植物だから、枯れやすいだろ?出来るだけ早く、持って行ってあげたいんだ」
「……そうね、分かったわ。その代わりに、帰ってきたら全部忘れてた、なんてやめてよね?」
「忘れるなんて、ルナは俺がそんな人間に見えるのか?チワも」
「そ、そんなんじゃ無いわよ!別にトキヤのプレゼントが欲しいってわけじゃ無いからね!約束したからだからよ!勘違いしないでよね!」
「はいはい、分かったよ。2人とも、無事に帰って来いよ」
「あんたこそ。帰ってきたらま〜た女の子が増えている、なんてことないでしょうね?」
「そんなバカな。ありえない、ありえないって」
なんかほぼ全てのセリフにフラグが立ったような……。まぁ、気のせいだろう。
「それじゃあ行こうか」
そう言って俺たちはギルドに向かい、薬屋のクエストを受けた。ちゃんと証拠としてグラシアの花を見せたので、あとは持っていくだけだと伝えたら、簡単に了承を得られた。
「それじゃあ俺は一旦ハズクの元に、2人は薬の原料となるヒポポ草を採りに、王都の裏を少し行った所にあるえっと確か……ローマリーナの森に行く、だな?」
「ええ、私たちの方が早く終わりそうだけど、何かしておいた方が良いことってあるかしら?」
「いや、2人とも、クエストが終わったら休んでいて良いよ。いつもの森で鍛錬をしてても良いし、ルナは店を手伝っても、チワはハズクの面倒を見ててくれても、好きにして良いよ」
「それじゃあ私は店を手伝うわ。チワさんはどうするの?」
「わたしはハズクさんのそばにいます。1人でずっと部屋にこもりっきりなのは、可哀想なので。夜になればハズクさんも大丈夫ですけど……2人で話したいこととか、色々あるので」
「そうか、それじゃあまた」
「ええ、気をつけなさいよ」
「トキヤ様、お気をつけて」
そんな気をつけるほど危ない旅じゃ無いんだけどな……。そんな考えを抱きつつ、2人と別れて宿にいるハズクの元へと向かう。
「ハズク?気分はどうだ?」
「ええ、ハズクはおかげさまですっかり良くなりましたよ。日光にさえ当たらなければ、普通の光程度なら大丈夫と言うことも分かりましたし。ご主人様?後ろにある花はなんですか?」
「クエストのこのグラシアの花を何束か届けなきゃならないんだけど、ついでだからハズクの分も採っておいたんだ。喜ぶかなって……」
「ご主人様……ありがとうございます。ハズクはとても嬉しいです」
そう言ってグラシアの花を受け取るハズク。俺はその花をここに来るまでに買っておいた花瓶に入れて、近くに置く。
『それじゃあちょっとカンラン村まで出かけて来るよ。明日の夜ぐらいには帰って来られるとおもうから。明日はチワも一緒にいると思うから」
「そうですか。どこまでもありがとうございます」
『気にするな。俺が好きでやっていることだしな。ハズクこそあまり無理はするなよ?」
「はい、ご主人様」
そんな会話をして、俺はハクちゃんとともに再びカンラン村へと出発した。
そして日が沈み、少しした後ぐらいにカンラン村に到着した。前に来た時よりも早く着いたのはチワがいない分、スピードが早く、スタミナが減らなかったことが大きいのだろう。
カンラン村は前に来た時よりはいくらかマシになっていた。畑はちゃんと耕されているし、柵もしっかりと作られている。たった2日、3日程度でここまでなるものなのか?すごいな。
「おい!そこのお前……ってトキヤさんじゃないですか!一体ここまでどうしたんですか?」
村の入り口で呼び止められたので見たら、そこにはヤンがいた。
「クエストでな。村長には内緒にして欲しいんだ。実はーー」
俺はヤンに依頼内容を説明し、ニーナ・ベルンと言う少女のことを呼んできて欲しいことを伝えた。
「分かりました。呼んできますので、少しの間だけ待っていてください」
そう言ってヤンは村へと入っていく。数分ぐらいたったと思う。ヤンが1人の女の子を連れてこっちに来た。おそらくあの子がニーナって子だろう。
見た目は金髪と言うのが妥当かな?金と言えば金だけど、濃い黄色みたいにも見える。目の色は青で、綺麗だ。初めて出会った時のチワよりも、若干小さいけど、年齢差から妥当なところか。そしてアホ毛がある。
「お待たせしましたトキヤさん。この子がニーナ・ベルンさんです」
「は、初めまして。えっと……お兄ちゃん?」
「お、お兄ちゃん?俺のこと?……あっ!そう言えば名前教えてなかったね。俺の名前はトキヤ。ニーナ……ちゃんのクエストの依頼の品を持って来たんだ。ほら」
俺はそう言ってグラシアの花を渡す。きちんとみんなで確認したから、間違えていることなんてないはずだ。
「わぁーーっ!あ、ありがとう!トキヤお兄ちゃん」
「お、お兄ちゃんは抜けないんだ?」
「うん!」
そう言ってニーナちゃんは村へ戻って行った。
お兄ちゃんなんて呼ばれたのは雪以来だな。……雪も元気にしてるかな?世界が違うから俺が帰ったら、向こうでは1秒程度のことだった可能性も……最悪の可能性は浦島太郎みたいに何十年とかも経っていることだな。
「ニーナちゃんも喜んでくれてよかったよ。ところでヤンはなんでニーナちゃんの事をさん付けなんだ?」
「はい、一応あの子は村長の娘さんですので……やっぱり子供の間でも親が教えているのか似たようなことがあるので、大人ほどではないですが少し人と接するのが苦手みたいなんですよ。トキヤさんはちゃん付けしておりましたので、おそらくそれで懐かれたののではないかと……あくまで僕の想像ですが……」
「そっか……」子供じゃそういうのはやっぱりキツイよな。
「ところでトキヤさんはこの村に泊まっていくんですよね?」
「あ、あぁ、そのつもりだけど。もちろんちゃんと宿代は払うよ」
「い、いえいえ!僕の家で良ければ好きに使ってください!親の許可が下りればですけど……多分大丈夫だと思います!」
「そ、そうか。それじゃあ……ありがたく泊めさせてもら『ちょっとまて。その冒険者はわしの家に泊めよう』」
村の方からそんな声が聞こえてきて、村長のガスト・ベルンさんが出てきた。
「え?そんな悪いですよ」俺は先にヤンと約束したことだったので遠慮をした。
「その冒険者様には少しお礼がしたくてな。ヤンよ、悪いがこちらの家に泊めさせてもらおう」
「い、いえ!そんな悪いだなんて!」
ヤンが慌てて否定する。俺がガストさん家に泊まることが確定した。
「そうか。ではこちらに来なされ」
「ありがとうございます」
「気にするでない。困った時はお互い様だ」
別に困ってはなかったんだがな……。それよりも、前の時より口調が違うのは村人の前だからだろうか?
「ところで冒険者様はどういった御用で再びこの村に?」
「ちょっとしたクエストがありまして、達成はしたんですけど夜になり、この村に近いことを思い出したので寄ったところです。あと、冒険者様はやめてください。俺まだまだ新米のEランクですよ?」
「ほっほっほっ、魔猪を新米のEランク冒険者が倒した。それがすごいことなんですよ。魔猪は本来D上位からC下位ぐらいの魔物なんですぞ」
「あ、あれはほとんど前に居た亜人奴隷の力ですよ。俺だけじゃ勝てなかったです」
本当にそんなんだがな。ガストさん、俺の事を過大評価し過ぎだ。そんな会話をしているうちにこの村で一番大きい民家に着いた。これがガストさんの家だろう。隣にある次にでかい民家は孫のニーナちゃんとその両親の家だろう。ガストさんが家の扉を開けると
パーン!
「じいじ、お誕生日おめでとう!」
ニーナちゃんがクラッカーみたいなものを鳴らしてお祝いをした。今日だったのかよ!道理ですごく喜ぶわけだ。というか、クエストには『お爺ちゃん』と書いて、今の呼び方は『じいじ』ってことは、クエストには丁寧に書いたことが伝わってくるな。
「……ほっほっほっ、ありがとうニーナ。わしは嬉しいよ」
村長さんはそう言ってニーナに近づいて、頭を優しく撫でた。その後はガスト・ベルンさんの誕生日会をやった。俺は遠慮しようとしたが、ガストさんとニーナちゃんになんかいつの間にか参加させられて居た。
そう言えばニーナちゃんはクエスト内容に『親に怒られるから』を理由に書いていたが、その親はなぜ誕生日にこないのだろう?
こうして誕生日会は進行し、時間は過ぎていき、夜になった。そしてニーナが眠ってしまったので、この辺りでお開きとなった。
面白かったら誤字脱字報告、ブクマ、ptお願いします。
あと、私のもう1つの連載作品の
『普通を求めて転生したら勇者の息子だった件』
も、是非読んで見てください。




