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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第三章〜白殺虎との遭遇編〜
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グラシアの花

「はぁー、綺麗だな」


「そうですね。ガスト・ベルンさんの亡くなった奥さんが大好きだったというのも納得です」


チワが相槌を打つ。チワがそう思うのも無理はない。恐らくほとんどの人がこれを見て綺麗と思えるほどだ。色はハクちゃんと同じような色をした白色で、形は花弁が一枚一枚離れている。大きさは大体地面から生えている高さで考えて20センチほどだ。形は元の世界のユリみたいな感じだ。


「これを何束か作って持って行けばいいのよね?」


ルナが聞いてくる。


「そうだね。その前に花屋さんに行って枯れる進行を遅らせる魔法をかけてもらわなきゃ行けないけどね」


「そうね。さっさと終わらせちゃいましょう」


ルナがそう言って花を茎から鎌で刈ろうとする。


「あっ、そうだルナ。お前が前言っていた固有魔法っての教えてくれよ」


俺がルナにそう言う。ハズクが居ないが、後で話せばいいだろう。それ以前に知っているかもしれないしな。


「そういえば言うの忘れてたわね。良いわよ。まず、私が言った固有魔法は又の名を無属性魔法と言うの。

本来トキヤが言っていた眠らせる魔法だったかしら?そういう効果がある魔法を作った人が、他の属性魔法と同じようにいたの。

ただ、昔はそんなのは他の属性魔法と違って、誰も使えたとしてもやり方とかを誰にも話さないの。

自分の専売特許が奪われるでしょう?

でも、前に話した何百年も前に魔人が現れたじゃない。その時は召喚された勇者様が倒したんだけど、その仲間の賢者様って呼ばれたすごい魔法使いが今ある固有魔法を自身が使える魔法のあるとあらゆる限りの魔法を公開したそうなの。

そこからは使える人が増えて……今じゃ賢者様がそう呼んだから半分の人が属性の無い魔法、無属性魔法と呼ぶようになったの。

私は響きがいいから固有魔法って呼んでるんだけど……属性魔法にも固有の魔法があるのよね。

それで最近は正式に魔法騎士団が無属性魔法に改名しようってことになってるの」


なるほど。無属性魔法と言う名前で納得がいった。属性じゃ表せないものをまとめて無属性魔法と言うと。


「なるほど、ありがとうなルナ、参考になったよ。ちなみに……俺って使える?」


「……それはやって見ないとわからないわね。固有魔法は魔法を使える人なら誰でも使えて、その人だけしか使えないの。人によって使えるのが変わるのよ。呪文を唱えるまでは分からないわ」


使えるのかどうか試すの面倒臭いな。俺も無属性魔法使いたいな。というか作ってみたい。


「ルナ!作り方は!作り方はどうするんだ!」


「じょ、条件があってね、その、魔法適性が上級以上の使い手じゃないと……ごめんねトキヤ」


「ノォォォーーーー!!!」


お前さっきやって見ないと分からないって言ったじゃねーか!さっきのその間は言いにくかったからだな?

ちくしょーーー!!


「と、トキヤ様。私も出来ないのですから同類ですよ?」


……チワには身体能力があるじゃねーか。俺が作ったパーティで、俺がリーダーで、俺が一番弱いって……。俺って万能には程遠い器用貧乏なんだよな。剣も才能ないし、魔法も才能ないし。これと言って特徴が無いな。


「お、俺だけ平凡じゃねーか」がっくし


「あ、トキヤ様には料理があるじゃ無いですか!」


戦いに関係なくなっちゃったよ!それに俺の腕ってただの趣味レベルじゃん!


「えっ!トキヤ料理できるの?私も食べたいわ」


ルナが近づいてきてお願いしてくる。


「俺の料理の腕って趣味レベルだぞ?」


「いいえ、あれはプロレベルです」


俺が否定すると、チワが速攻で反論した。プロってそんなわけ無いだろうに。


「じゃあ作って見てよ、トキヤ」


「……俺の話聞いてた?」


「聞いてたけど、チワさんの方を優先するわ」


……最近ルナの俺に対する扱いが酷くなってきた気がするな。


「分かった分かった。あとで作ってやるから」


そんな約束をしてしまった。この後で作ったらチワと同じ反応が2人に増えた。後日、ハズクに作ったらチワの反応が3人に増えた。そんなプロレベルの腕前なんてあるわけ無いだろうに。褒めたって何も出ないのにな。その日の夜には料理が多少豪華になっていたことに、チワとハズクは喜んでいたが作ったトキヤ本人は無自覚だった。


そんな会話をしながらグラシアの花を刈り終わったので花屋に持っていって、魔法を掛けてもらい、ラッピングをして貰った。

「それじゃあ、俺はハクちゃんと一緒にカンラン村まで行ってくるから、おそらく向こうに着くのは夜だろうから、向こうで1日泊まって明日の夜に帰ってくる。だからその間に2人は薬屋の方のクエストを受けるんだったな?」


「はい、そうですね。ちなみにトキヤ様?ハクちゃんの魔物紋はどうするんですか?」


「……いくらかかるか分からないが、ついでに行ってみるか?でもルナとチワは大丈夫か?」


教育上良くない気がするが。


「私は入り口で待っておくわ」

「私は一緒について行きます」


との事だった。そういうことになったので今日2度目のハクちゃんタイムだ。……冗談だ。


ハクちゃんを預かり、急いで奴隷商人のところに行く。あまり人目は避けたいからだ。チワは一緒に走る。ついてこれるってやばすぎるだろ!少しだけスピードは落としたが。ルナは俺の後ろだ。


「ルナ、服をちょっと持つだけじゃ落ちる危険があるからもっとしっかり握ってくれ」


「え?ええ」


そう言ってルナは思いっきり抱きついてきた。やりすぎじゃ無いか?


「ルナさん!ずるいですよ」


チワが急に怒り出した。1人だけ走ってることに今更不満を覚えたのか?可哀想だが我慢してくれチワ。すまん。


そして奴隷商人の店に着いた。


「久しぶりですね、トキヤ様」


「そうだな」


「ちょっと2人のムードにしないでよ!」


ルナが文句を言ってきた。別に少しくらい良いと思うのに。てかムードとか言うなよ。


そんな会話をしつつ、俺とチワは奴隷商人の店へと入って行った。


ルナ?外で留守番。ハクちゃん?後で連れてくるので同じく最初は留守番だ。

面白かったら誤字脱字報告、ブクマ、ptお願いします。

あと、私のもう1つの連載作品の

『普通を求めて転生したら勇者の息子だった件』

も、是非読んで見てください。

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