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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第二章〜No.8編〜
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金髪の女

今日は大晦日ですね。

「ルナや。ちゃんと届けられたかね?……おや?何でお前さんもいるんじゃ?」


「爺さんありがとう。魔法書はルナが届けてくれたよ。それとは別でベッドかソファーか貸してくれないか?チワを寝かせたいんだ。詳しい理由はあとで説明するから」


そう言ってチワを見せる。傷はほとんど塞がっているが斬られた部分の服は治っていないし、服に血も付いている。お爺さんは驚いた顔をしてすぐに裏の自分のベッドを貸してくれた。部屋にちょっとした段差があるらしい。言われなければ気づかず引っかかっていたかもしれないな。


「これで良し」


チワをベッドに寝かせる。宿に戻るのには時間がかかりすぎると思ったからだ。ルナはそれが終わるのを見ていた。


「さぁ、トキヤ。話してもらうわよ」ルナに問い詰められる。


「……悪いけどさっき倒れてた亜人の女の子居たよな。あの子こっちに持って来てからで良いか?」


「……良いと思うけど、もし暴れて店のもの壊されたらトキヤの弁償で良い?」


「うっ……わ、分かったそれで良いよ」


急いでNo.8の元へと向かう。とりあえず、これで時間は稼げる。No.8をあのまま放置もまずい。またいつ襲ってくるかわからない以上情報を聞き出さねば。だが、盾男みたいに喋ろうとしても焼け死ぬ可能性もある。どうすれば良いんだ?


裏路地に入る。確かそこを右に曲がった所に横に寝かしておいた。まさか、逆に襲われているなんてことは無いだろう。てか、襲われても逆に襲い返してそうだな。俺は路地を右に曲がる。


「居た!」


そこには先ほど来た時と同じようにNo.8が居た。ただし変わったのはそこにもう一人違う人間がいた。

全身黒い服装だ。顔は……なんか無くなった人がするような布みたいなのを顔にかけている。ただし、視界を遮らないよう、仮面みたいに目の部分は空いている。そこから見える目の色は綺麗な青。髪の色は金色の長髪。女性なのか?


「おい、そこの亜人に何してるんだ?」


咄嗟に声をかけてしまった。《水拘束》も解かれてる。No.8は貴重な情報源だ。敵か味方かわからない以上まずは話し合いが普通だろう。


「……」金髪の女は何も答えない。


「おい、聞いているのか?俺はそいつに用があるんだ。あなたはそんな格好をしているけど何者なんだ?……何か喋れよ」


態度はきつく舐められないように。最初が肝心なんだ。


「……あなたがNo.8を倒したんですか?」


喋った。透き通るような綺麗な声だ。詩人や歌手だと言われれば信じてしまうようなくらいに……。


「……そうだ。急に襲ってこられた。理由を尋ねたい。あなたはそいつの何様なんだ?」


「そうですか。と言うことはあなたがハイドを倒したんですね?」


「ハイド?」倒した?……盾男のことか?あいつの魔法の特徴から連想されられるものがある。


「水属性の臆病者か?それなら俺たちが倒したが殺したのはお前らの方だろう?」


「ふふっ、そうですね。そして、あなたは私たちの計画の一端を知ってしまった。この子もそれの口封じだったんですが……返り討ちですか。まぁ、いいですが……」


「と言うことは、お前がそのボスか?」


「いいえ、私がボスなど恐れ多い。私はただの秘書ですので」


「……そうか。ならボスに伝えておけ。『人為的な魔物化のことなんて国にもギルドにも話すつもりは無い。その事については安心しておけ。俺たちはただ生きるために日々を過ごしている。邪魔さえしなければ手下もこんなことにはならない』とな」


そう言った瞬間金髪の女は消えた。そして、首筋に何か冷たいものが当たっていた。ナイフだ。


「今すぐ殺す事もできますが?……まずは話をしましょうか」


「……そうだな。こちらもいろいろ聞きたいことがあるんだ」


(やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい!)


内心はこんな感じだった。この女の動き速すぎねーか?レベル幾つだよ。それかなんかのマジックアイテムか、魔法のどちらかか?


て言うか俺はもう魔法の練習とNo.8との戦闘で魔力がもうほとんど無い。魔法の練習はすぐに出来たし、剣で戦っていたから半分ぐらいしか減っていなかったがNo.8ので使い切った。今は剣しか頼れるものは無い。


「取り敢えず首筋に当たっているものどけてくれないか?喋りにくい。今すぐ殺す事も出来るんだったらそう変わらないだろう?」


「……そうですね。取り敢えずあなたの事は保留です。私が直接殺してもいいですがボスにそんな指示は出されていないので……」


そう言って、ナイフを俺の首筋から離した。


「そうか。なら速くボスの所に戻ったらどうだ」


話を聞くチャンスだが情報を聞くために殺されたら本末転倒だ。命あっての情報なのだから。ここで無理に引き止めても怪しまれる。No.8を連れて行かれるのは困るが仕方がない。


「そうですね。一旦帰ります。あっ!そうそう。冒険者ランクBになって下さい。No.8を倒した場合にそう言えとボスに言われましたので」


「……何故そうしなければならない。Bランクはベテランクラスがゴロゴロいるんだぞ。Eランクのの俺たちじゃ無理だ」


確か、ギルドの受付のお姉さんがそう言っていた気がする。


「魔法を使える冒険者は基本的にCランクを超えています。あなたもなれるでしょう」


「そうする事でなんの意味がある?俺たちにメリットは?」


「そうですね。……まず今からBランクになるまで私たちは刺客を放ちません。それにより妨害やあなたの仲間の安全は保障されます。知り合いもですよ。次に……純粋にランクを上げる事でギルドの様々なオプションが追加されますよ。以上ですが他に何か?」


ふむ……確かに今の状況からじゃいい話だ。今すぐ殺されはしないし、仲間の安全もこいつらからは保障される。秘書でこのレベルだ。この組織から味方を守るために色々なクエストでレベルや実際の戦闘による経験値、金が全て手に入る。悪い条件じゃない。ただ……。


「……何故だ?何故そんな事をする理由がある?」


「それは知りません。気に入られたのでしょうか?」


「人殺し達のボスに気に入られるってなんか嫌だな」


「では取り敢えずDランクになって下さい。期限は二ヶ月です」


「えっ!……期限?……ちょっと待て!普通はどれくらいで上がるんだ?それとその期限以内にならなかったらどうなるんだ?


「そうですね。……三ヶ月あれば大抵は上がりますのでご安心を。期限を過ぎても上がっていなければ殺すとボスが」


つまり俺たちは平均以上に早く上がらねばならないと……やばいぞ。


「もうよろしいですか?それでは」


「待て。そいつはどうする気だ?」


俺は気を失っているNo.8を指差して聞いてみた。


「おそらくは……再教育でしょうね。2回目の任務で失敗したのですから」


えっ!そいつ2回目の暗殺だったの。だからちょっと無抵抗の人を殺すのに初めは抵抗があったから上から暗殺せずに名乗り出たのか?


「その再教育ってなんだ?」


「それを教える義理はありません。ただ……あなたなら死んだ方が良いというぐらいの辛さではありますよ。自殺者も半分くらいでますから」


ゾクッ!背筋が凍るような感じだ。冷や汗が流れ出てくる。金髪の女のそう言ったときの笑顔が。


「なら、……そいつを引き渡して欲しいんだが」


……何言ってんだ俺は?せっかく見逃してもらった命を棒に振るかもしれないんだぞ?死んだ方が良いほどの辛さを与えたくない?俺たちを殺そうとした相手にもか?


「何言ってんだ俺は?って顔をしてますね。良いでしょう。どうせこの子は使い捨てでしたから。ただし、情報を無理に引き出そうとした場合は……焼け死にますよ」


あれ?なんか引き取れる感じになってる?てか今結構重要な事を……。


「それではまた会いましょう。今度は殺しあいたいわ。全力で」


そう爆弾発言とNo.8を残して……消えた。盾男……ハイドの魔法ではないと思われる。俺は今度、No.8を抱きかかえて魔道具屋に戻って言った。

明日も投稿します。

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