魔法使い再び〜前編〜
「爺さん久しぶりー。約束通り買いに来たよ」
魔道具屋の店主のお爺さんに、店に入ると同時にそう言った。
「おや、お前さんたちもう来たのかい。もっと時間がかかると思っていたのだがね」
驚いた顔でこちらを見てくる。
「えぇ。ちょっと色々あってお金が増えまして…」
本当に色々あった。魔猪と戦って、盾男と戦って……あれ?…それだけだ。あんまりなかった。
「そんな事よりもこれ!見てくださいよ!」
そう言い俺は手から火を出す。魔法は使えないが炎は出せるのだ。原理は知らん。
さっきよりも驚いた顔をするお爺さん。
「……才能は並みだと思っていたがまさか自力でやるとはのう。わしの目もまだまだじゃな」
「いえ、爺さんが言っていた心を大事にしたら命の危険があったので発動しました。ですからお爺さんの目は正しいと思いますよ」
俺が補足説明する。実際あの時は心だけで出来ていたのだろう。それもあってか、才能もなのか火球も前に森で見たパーティの魔法使いよりも弱かったし…。
さらば俺TUEEE……。でも、したかったな……。
そんなことを考えているうちにおじいさんが火属性、水属性、風属性の魔法書を出してくれた。チワが目を輝かせている。そんなに魔法が使いたいのだろうか?
「ほれ、目的の品じゃ」
お爺さんが魔法書を渡してくる。俺はそれを受け取り、銀貨十二枚を渡す。
「それじゃ今度はこれをマスターしたら、中級の方を買いに来るよ」
「それは難しいかもしれんの」お爺さんが言う。
「どゆこと?」俺が理由を聞く。
「お主の才能はあくまで並に毛が生えた程度、亜人の方は生まれつき魔法が使えにくいじゃろ。身体能力に特化してあるからの」
へえー、それは初耳だ。チワの方を見るがチワも顔を見るに初耳だったのだろう。そして少し落ち込んでいるように見える。覚えておこう。
「まあ、頑張って見ますよ」と、言う。
「そうかそうか、 じゃあまたお金が貯まったら来なさい。良いものを特別に割引で売ろう」
まじ?それは正直ありがたい。この魔法書で銀貨は三枚程度しか残っていないからだ。なんでそんなことを言ったのかは知らないがその好意はありがたく頂こう。今じゃないけどな。
「それじゃあまた」俺とチワが手を振る。お爺さんも手を振り返してくれた。
「それじゃ行こっか。チワ」
「はいトキヤ様」
そうして、俺は魔道具屋を後にしようと、入り口の扉のドアノブに手をかけようとした時だった。
バン!!!!!その音は俺が扉にぶつかる音だった。
すごい音と共に薄い水色の綺麗な髪の色をした12歳ぐらいの子が入って来る。
俺は勢いよく開けられた扉に飛ばされ横に、つまり扉を開けた本人からは見えない状態のところにいる。チワも俺を心配してそばに寄っているので見えていないだろう。
「あれ?今扉の建て付け悪くなかった?まあ、いっか。それより聞いてよお爺ちゃん。さっきさー、傭兵に絡まれたんだけど、黒髪の男の人に助けられたんだー。だけど逃げられちゃったんだよねー。ちゃんとお礼言わなきゃって思うんだけど。お爺ちゃん心当たりある」
魔道具屋のお爺さんは俺の方を指差す。そうそう、まずは俺に謝るべきだろ。お爺さんナイス。そんな俺はドワノブが直に横腹に直撃を喰らい声にならない悲鳴が漏れていた。
そんな中、俺はその女の子を見る。女の子も俺の方を見る。そして互いにこう言った。
「痛ーーーーーーー!!!!!」
「居たーーーーーー!!!!!」
作者の愚痴ですので興味ない方は飛ばしてください
後少しで私の学校も冬休みに入る。とても喜ばしいことです。その時だけでもは毎日投稿ができるほど書いて、より多くの方に見てもらおう。
……そんなことを考えていた時期もありました。ですがその願望は今日消え去りました。塾が冬休みに計10日間の冬季講習会を開くことが決定したのです。朝から晩まで具体的な時間は言えませんが1日目八時間以上は覚悟しています。
長々と説明しましたが要するに塾のせいで(言い訳)毎日投稿できません。すいませんでした!それに受験生なので学校の宿題に塾の宿題。せっかくの休みが地獄と化します。さらにそれが冬休みが終われば受験。もうやだ。
ですので春休みに乞うご期待下さい。(無事合格しているでしょうから)
本来は活動報告で書くべきでしょうがそこまで興味がないという方(僕自身も)の為にここに載せておきます。




