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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第一章〜チワ編〜
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魔猪とのバトル〜後編〜

本編は戦闘中ですがすいません。

チワの主人公に対する呼び方を「時也様」から「トキヤ様」に変更します。異世界なのに漢字呼びは見たときにおかしいなと感じたためです。様は勘弁してください。


なっ!なんなんだこの炎は!

急に左手に現れた火に恐怖を覚える。だが熱くもないし、火傷なんて当然しない。


「魔法?」発動したのは火属性の魔法だ。


そういえば!魔道具屋の爺さんが言っていた。

魔法への適性は才能五割、努力二割、そして心の気持ちが三割だと。恐らく今回はチワを助けたいという思いから発動したのだろう。

大体の割合が三割のため少し思っていたよりも火の大きさが前見た時よりも小さいのだ。

そんなことを考える余裕は今の俺にはなかったが。


熱くもないのはフグが自分の毒で死なないのと同じ原理だろうか?

少なくとも今は俺にとって害がない。

そしてチワを助けるにはこの火しか俺には無い。


なら火を操って猪?に飛ばして攻撃だ。

思い出せ。一ヶ月ほど前、魔法使いが使っていた魔法があった。

俺も使えるかなと実はこっそり付いて行き、詠唱を何回も聴いて覚えた。

結局使えず諦めたが今でも詠唱は覚えている。

できる保証なんてない。失敗するかもしれない。

でも!今ここでやらなきゃいつやるんだ!


『我が火よ。球となりて、敵を焼き尽くせ!《火球(ファイヤボール)》』


そう唱えた瞬間左手の周りにあった火が手のひらに集まり球となる。猪?に狙いを定める。

猪?は今まさに、チワを踏み潰そうとしている。

《火球》は猪?の方へと飛んで行き、猪?の後ろ側にぶつかってバァーン!!!!!と音を立て、猪?が燃えながら吹っ飛んだ。


「チワ!大丈夫か?」


急いで盾を回収しチワのそばに駆け寄り尋ねる。


「少し……だけ、お腹の上あたりが痛い……です」


チワはそう言う。俺も直接見て確認をするが青くなっている。

おそらく肋骨の下あたりが折れているのだろう。

チワは少しと言っているがとても痛いはずだ。

急いでポーションを取り出す。今の俺には貴重な二本しか無い中級ポーションだ。


「チワ自分で飲めるか?」


チワが首を振ったのでのでポーションを飲ませてあげる。

痛みが少しずつだが引いていくのか顔に安心感が出ている気がする。


「チワ、恐らくさっきので骨が折れていると思う。ポーションを飲んだからと言ってすぐに完全回復するわけじゃ無い。戦えるか、戦えないかどっちなんだ?」


「私は……戦います。トキヤ様だけに負担を押し付けるなんて出来ません。今回もまた助けてもらいました。ならその尻拭いぐらいはさせて下さい」


俺はチワのその気迫に若干驚きつつ『……わかった。奴にはチワの弓矢は効かない。従って短剣で戦うことになるがさっきみたいには絶対になるなよ。これはいつものお願いじゃ無い。主人として奴隷に命じる初命令だ』と言った。


「了解しました。トキヤ様」


俺は盾を地面に置いた。

今回の敵は動きが速いので盾だと減速してしまい格好の的だ。

盾で防ごうにも意味を成さない。更に今は魔法が使える。

猪?は急に現れた魔法に驚いているはずだ。火を出すだけでも牽制になる。

残念なことに火を出せるのは左手のみだ。右には剣を構える。防御無視の完全なる攻撃型だ。


チワは俺の命令通りに短剣を構えている。

こいつには鎧とか重たいものを持たせるよりもその機動力を活かしてもらいたい。

さっきのような油断ももう無いはずだ。


猪?を見ると右半分がこんがり真っ黒になっている。

地面に体を擦り付けて火を消したのだろう。

あたりの草原も所々焼け野原状態になっている。


先に仕掛けたのは俺たちだ。チワが物凄いスピードで猪?に迫る。

素早く動き相手を混乱させてから、左後ろ足を斬りつけてすぐに離脱する。

これで両足とも傷を負っているので動きが格段に落ちたはずだ。

猪?はチワに狙いを定めるが、俺がそんなことを許すわけもなく、あらかじめ猪?がチワに集中してこちらに意識が向かないうちに、詠唱を唱えておいた火球を打ち込む。


猪?はチワしか眼中になかったのか直撃を食らう。

その結果、猪?が吹っ飛ぶ。

チワと俺は更に追い討ちをかけるために走る。

チワが動かない猪?に切り傷をどんどん付けていく。出血多量で死ぬかもしれんがどのくらいかかるか見当がつかない。

そして、決め手には欠ける。そこに遅れて俺が来る。


首を断とうとするがそれをかろうじて猪?が避けて、俺の腕をかみ砕こうと口を開ける。

大きい牙が見える。咄嗟に火を出し牽制する。火を出すだけなら念じるだけで手の周りには出る。

だが詠唱をしないと魔法は使えない。だけど猪?にはそんなことなどわからないだろう。


案の定、火を怖がり後ろに下がり逃げる。

やはり魔物化した後も本能的に火は苦手意識があるのだろう。

逃げた後を右が俺、左をチワが追いかける。


チワが追いつき、左足に短剣を刺し込みそのまま捻る。


ブキョーーーー!!


猪?が大きい鳴き声をあげる。その一瞬、猪?の足が止まる。

それだけあれば十分だ。

剣を猪?の首元に刺した。剣は首を貫通した。

そこにチワが最後に頭の上に短剣を指す。

それで猪?の動きが止まった。

俺たちは武器を引き抜く。猪?が倒れる。それで猪?が死んだことがわかる。


「うおぉっしゃーーーー!!!!!」

「やりましたーーーーー」


今出せる一番大きな声で勝利の雄叫びを叫ぶ。

俺たちは勝ったのだ。そしてこれが初のクエストクリアで、初の魔物退治だ。


【経験値が入ります。レベルが28まで上昇しました。称号 魔物殺しが手に入りました。

続いてチワのレベルが14まで上昇しました。

称号 『 魔物殺し』が手に入りました】


経験値多っ!ついでに称号も手に入った。てか、久々にこの声聞いたな。

ステータス画面を確認する。そして魔法の画面が増えている。

使える魔法の種類や効果が主に書かれている。


ざっ!


背後から足音が聞こえた。

振り向くとそこにいたのは逃げたはずの盾男だった。

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