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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第一章〜チワ編〜
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チワとの初めての夜

「トキヤ様。私お腹がすごくすきました」


宿に着くなりそう言うチワ。

ぐうぐうさっきからお腹の音がうるさい。

チワはレベルが上がったので体がでかくなるらしい。今はまだ見た目10歳ぐらいだが次の日には中学生ぐらいにはなるのだろうとのことだ。実年齢14歳。


俺の奴隷だよな。

会ってまだ1日経ってないよな?

全く、なんか初めて会った時より図々しくなっている気がするが、ここは親しくなったと喜ぶべきだな。


「わかったわかった。今作るから待ってろ」


俺がそう言うと


「はーい」


と、元気にチワが答える。


人間至上主義のこの国だが宿も例外ではなくチワを見て追い出されてしまった。

そのため宿代が安いが、治安が悪い所に泊まる。


スキル料理人と俺の元からの腕前が合わさった料理は自分で言うのもなんだが普通よりは良いと思う。

そういえばチワには食べさせたことがなかったな。


「ほらできたぞ」


俺は帰りに買っておいた野菜と猪の肉を使った肉野菜炒めや久々登場パラパの実、猪の骨からとった出汁を使った野菜スープ、丸堅パンを次々作り出していく。

チワは肉を食うのが久しぶりすぎて喜びを超えて若干狂気じみていた。


チワはそんな俺が作る料理を見て口を開けて絶句している。

数秒放心したかと思うと『さすがはトキヤ様です!』と言われた。さすトキ?


「口に合うかはわからんがな」


「いただきます」


俺がそう言い箸を使って食べようとすると、チワが


「いただきますってなんですか?トキヤ様」


と聞いてきた。

こっちにはそんな風習がないらしい。


「これはな。命をいただくから感謝しますって意味なんだよ」


本当の意味は知らんが適当にこう言っておく。


「そうなんですか。じゃあ私もいただきます」


と言い料理を口の中に運んでいく。

残念ながらテーブルマナーがなってなく手づかみだがこれも教えていくしかあるまい。

一口食べるとチワは


「なんですかこれ!すごく美味しいです。毎日これだけでどんなことでも頑張っていける気がしますよ!」


「んな大げさな」


自分で最高と思っておいてなんだがそこまで言うほどでもないだろうと思う。


「いやいやいやいや!!!!!おかしいでしょ!昼食べたのより断然こっちの方が美味しいですよ!て言うかこんなの食べたらもう他のがまずく感じてしまいますよ」


「そこまで言うほどか?」


確かに元の世界でも美味しいとは言われてはいたが、スキルのおかげでこんなにも変わるのだろうか?

俺はあまり感じないがチワからしたらそうなのだろう。


「あっ!失礼しました。つい……」


「嫌いいよ。俺の料理を褒めてくれたんだし、嬉しいよ。チワありがと」


「い、いえ……」


顔を赤くしながら下を向くチワ。どうしたんだ?


料理を食べて後片付けをし、電気を消して寝る。

宿に入る前に水浴びをしていたので匂いやかゆみなどの心配はない。

後は髪を買っておいたヘアブラシで髪をとく。

雪にもやっていたのでこれくらいは楽勝だ。

チワは自分でできると言ったが、俺がやりたかったので無理を言いやらせてもらっている。

次からは必ず俺の日課になることをこの時の俺は思いもしなかった。


ベッドは1つで一緒に寝る。

サイズはギリギリだがなんとかなるだろう。

チワは「床で寝る」と言い張ったが、俺が命令で一緒のベットに入るようにさせた。

仲間にそんなことさせるわけがなかろう。


さっきも2人になったので、初めのうちは色々出費がかさむのでこうなった。チワが


「私は外の小屋で結構ですので」


と言っていたが俺が


「そんな所に寝かせるわけないだろう」


と言い無理やり入らせた。


チワは初めのうちは大人しかったが、どんどん慣れたのかさっきのテンションに戻った。

ベッドに入ってからもチワは、そわそわしていたがしばらくしてから大人しくなったので寝たのだろう。

俺も目を瞑り眠りについた。

別に普通でしたね。

あっちを期待されたなら申し訳ございません。

それに時也君は自分が奴隷になりそうだったと言うのをうっかり忘れていますね。

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