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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第一章〜チワ編〜
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呼び方

「そうだチワ お腹すいてないか?」


俺とチワは装備屋に行こうとして、昼飯を食べていないことに気がついた。


「え、えっと……少し」


ぐうーー……


「……チワお前最後に飯食ったのいつだ?」


「き、昨日の昼です」


「ほぼ丸一日じゃねーか!良し、今すぐ飯屋に行くぞ。俺が狩って作ってる時間ないし。装備はひとまず後回しだ。」


「はっ、はい!」


飯屋に入った。

二日目に食べに来たところだ。

そういえばここにくるのも久しぶりだな。

相変わらず愛想が悪い店主だ。

料理の腕はピカイチなんだがな。

俺たちはカウンター席に座った。


「チワは何が食べたい?」


「わ、私が こ、こんなところで食事をしてもい、いいんですか?」


「?……当たり前だろ?チワは今まで何を食べてきたんだ?」


「く、草……とか腐りかけの……肉や卵……カビの生えたパンとか……です」


「なんだそりゃ!!!!!」


思わず大声で叫んでしまった。

チワもビクッ!と驚いている。


服もボロボロだったから、ひどい状態だとは思ってはいたがそれ以上だ。

普通の人が食べるものじゃない!

この国の人間至上主義がそこまでひどいとは!

……だがルーラシア帝国もその逆がありふれているのだろう。

この世界じゃこれが普通なのだろうか?


「そうなんだ。じゃあ好きなの頼め。限度は守ってくれよ」


「じゃ、じゃあこれで……」


チワが指をさしたのは、俺が前頼んだ一番安いメニューだった。


「チワそれ一番安いのじゃないか。遠慮なんてせずに好きなの頼め」


「い、いえ。私はこれで十分です。」


「本当にそれでいいんだな?」


「は、はい」


チワが深く頷く。


「すいませーん」


俺も同じものを注文をした。銅貨十枚

…… 2人の間に沈黙が続く。


「あ、あの!」


意外なことにチワから話しかけてきた。


「どうした?」


なんだろう?


「こ、これからなんてお呼びしたらいいですか?」


「……そういえば俺の名前を教えてなかったな。チワの名前だけ一方的に知ってる状態か。俺の名前は内山時也。好きに呼んで構わないよ」


「……トキヤ様……」


小さくチワが呟いた。


「えっ?……と、時也様⁉︎様はやめて、様は!」


なんで様付け?

……犬耳族だから主人には忠実になる遺伝子でもあるのだろうか?

それに俺は中学三年生だし10歳ぐらいの女の子に様付けで呼ばれるのはな。

……だったらなんて呼ばせるんだ?


「いえ。私にとってはトキヤ様以外ありえません!」


「はぁ、じゃあそれでいいよ」


様づけはちょっと気になるがそう呼びたいなら呼ばせよう。


「俺はチワでいいよな?」


「はい!もちろんです!」


「トキヤ様は優しいです。奴隷の私にもこんなに丁寧に接してくださって、私をここまで運んだ人や一度私を買った人には……ムチを打たれましたし……」


チワの目からはポロポロと涙が出ていた。

おそらくその時の怖い思い出を思い出したのだろう。


ギュッ!


「安心しろ。俺はそんなこと絶対しないから」


俺はチワを無意識のうちにチワの頭を俺の胸に入れ、抱きしめて頭を撫でてそう呟いていた。


チワは安心したのか泣き止み


「あ、ありがとう……ございます……」


最後あたりは聞こえなかったがありがとうと言われたのはわかる。

チワは泣くのが恥ずかしかったのか少し頬が赤くなっていた。


「チワは大事な仲間だからな。これからも一緒にいるわけだし、……改めてよろしくな。チワ」


「はっ、はい!こちらこそこれからよろしくお願いします。トキヤ様」


お互いの手を握り握手をした。

そのあと出てきた料理を食べて俺たちは今度こそ装備

屋に向かった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

銀貨十八枚銅貨三枚から

飯代で銅貨十枚引いて

銀貨十七枚銅貨九十三枚

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