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#2 アコガレ (2)


「なんでもうちょっと早く登場しねーんだよ!」


 真咲もう行っちまった後じゃねーかっ。なんてタイミングの悪い奴なんだ!


「んなこと言ったって…。んで、あれ、誰?」


 智史が再び聞き返す。しゃーねーな、教えてやるか。


「あぁ、昨日からウチで預かってる奴。親父の仕事関係で。」


「…預かってるって…なんか犬か猫みたいな感じだな。」


「可愛さはペット並みかも…」


 オレも律も、ひどいコト言ってるなぁ…。


 ともかくオレたち三人は教室に向かいながら話を続ける。途中いろいろ話を中断させなきゃならないこともあったけど。なにせさっきも言ったけど我が稜星の生徒会役員が四人中三人揃ってるんだから、他の生徒からの挨拶やらなんやらは半端じゃないのだ。


 智史に昨日の出来事を全て話し終えることができたのは、やっとの思いで高等部の校舎にたどり着き、二年の教室がある二階へと階段を昇るあたりだった。


「おれのファン、ねぇ…。」


 智史はふぅん、と首をかしげる。コイツ、生徒会会計、つまりは稜星ナンバー4の人気保持者のくせに、そーいうコト無関心なんだよなぁ…。オレほどじゃないにしても、きゃぁきゃぁ言ってる女の子は多いのに。…ま、今回は男だけど。


「あ、ファンで思い出した。智史、昨日のライヴどーだった?」


 律が言ってオレも思い出した。そーだ昨日、こいつDiana To Moonのライヴに行ってたんだった。


「うん、よかったよ。」


「楽屋に入った? SHIYAちゃんに会えた?」


 オレがワクワクしながら聞くと、智史はあっさりと答える。


「だーかーら、昨日言ったろ? 楽屋には入れないって。」


「…なぁんだ。つまんないの。」


「だいたい楽屋に入れたって、智史はSHIYAちゃんよりCHISAちゃんにしか興味ないよなぁ。」


 くくっ、と笑って律が言う。智史は顔を少し赤らめて大急ぎで否定する。


「なっ…何言ってんだよ律! おれは別にっっ…あ、予鈴鳴ってる! おれんとこ一時間目数学なんだ! 当たるかもしんねーからっ、じゃあなっっっ!」


 大慌てで廊下を走ってく智史。途中掃除用具入れにぶつかってた。ぎゃはははは、おもしれー! オレと律は大爆笑。智史からかうとコレだから楽しいんだよなぁ…やめられない。


「んじゃオレらも教室行きますかね。」


 ひとしきり笑ってから、オレと律はそれぞれの教室へと分かれる。




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