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第1話 それぞれの生

誤字脱字あると思いますが、最後まで呼んで頂けると幸いです。



地球とは違う世界。

そこには、世界どこからでも見渡すことが出来ると言われている巨大な樹。

『世界樹』と呼ばれる大樹があった。


世界樹を囲むようにある深い森には『エルフ』と呼ばれる、長く先が尖った耳をしている種族が住む森がある。


森の東には『ドワーフ』と呼ばれる、身長が低く男は髭が、女は髪が長い種族が住む鉱山帯が。


森の西には人族『ヒューマン』が住む王国、帝国、神聖国の3つの国が。


森の南には『魔の森』と呼ばれる森に、さらにその奥に『魔族』が住む魔族領が。


森の北には『ワービースト』と呼ばれる身体中体毛に覆われた獣人種が住む国が。


そしてこの世界最強の種族。

『ドラゴン』。全身が硬い鱗で覆われた翼と爪、咆哮ブレスと呼ばれる強力な武器を持つ竜種が天空を支配していた。


そしてある時、この世界に2つの光が落ちた。

白く輝く光は人族が住む帝国に。

黒く輝く光は魔の森の中に。

2つの光はお互いを牽制し合うように輝きを増し、その後すぐに消えた。


その2つの光は後に『流星雨』と呼ばれることになる。



俺は太陽の光がほとんど届かない様な暗く、寒い場所に居た。


(そうか、俺は死んだのか)


体が酷く重かった。

仰向けになっているようで、起き上がることも出来ない。


目が少し慣れてきたが、

声は上手くだせずお手上げと、ふと手を上げた時、目に入ってきた光景に俺は自分の目を疑った。

俺の手は赤ん坊の手だった。


「あぅ!?」(え"っ!?)


あ、声出た!

いや!それよりも!なんで俺の手が赤ん坊の手になってるんだ!?

よく見てみると、体は完全に赤ん坊のそれだった。

何故か俺は生まれ直した?ということになっている様だ。しかも神の悪戯なのか赤ん坊の姿で、だ。

それよりここはどこだ?

見渡す限り暗闇だった。少しだけ土や、緑の香りがするから、外、ー森?ーだとは思うが、それにしても血生臭い場所だ。


ガサガサッ


突然近くで何かが動いた。俺は不自由な体をフルに使って寝返りを打つ、

そこに居たのは俺が見たことのない生き物だった。

薄暗くよく見えないが、全身は闇に溶け込める様になのか黒く、顔は狼。しかし足は4本では無く、その倍はあった。背中には翼が生えていて、3mは超える身長がある。


「グルルルルルゥ」

「ばぶぇヴぅ、」(これはまずい、)


生まれ直したのに即死ぬのは嫌だ。しかも未知の生命体に食い殺されるなんて真っ平御免だ。

そんな俺の思いは虚しく、目の前の化物は口を大きく開いて今にも俺を食おうとしている。


(終わった)


そう思った瞬間、嵐のような風が化物を巻き込み、森の奥に吹き飛ばした。


「グルァァア」


化物は悲痛の鳴き声を上げ、闇に消えた。

間髪入れず、俺の体は誰かに抱き抱えられ、すごいスピードで移動を始めた。


「間一髪だったわね」

「ぁう?」


暗くてよく見えないが、その人はとてもいい香りがした。

少し安心したのか、俺は急な睡魔に襲われて夢の中に落ちていった。



大勢の黒い軍勢の前に、その存在はたった1人で立ち塞がっていた。

右の額からは純白の角が生えていて、全身からは光が漏れだしていた。

手には美しい剣を握っている。

押し寄せる軍勢に、まるで何かを守るかの様にその存在は剣を振っていた。

その姿は、まるで

そう、ヒーローだった。

あんな存在になりたい



目を開けると見知らぬ天井だった。

何か夢を見ていた気がするけど、覚えていない。

それよりここはどこだろう?

当たりは明るく、先程の場所とは違うらしい。

自分の手を見てみると、赤ん坊の手だ。

やはりさっきのことは幻では無いらしい。


「ばぁぶぁう?」(生きている…)

「あら、起きたのね魔族の子」


突然上から声がしてその方に向くと、誰かが俺の方を見ていた。

こちらを見ているのは金色の髪に、緑色の目、尖った耳をした美しい女性だった。


「生活に必要なものを魔の森に取りに行ったら魔族の赤子が居るとは、私も驚きました」

「だぁう?」(魔族?)

「ああ、あなたにはまだわからないわね」


そう笑ってその女性は鏡を持ってきた。

俺は驚いた。

そこに映っていたのは禍々しく、黒い色をした角を生やした赤い髪の赤ん坊だった。地球には角の生えた人間なんていない。つまりここは地球じゃない、?

さっきの化物といい、ここは何なんだ?

それにしても…


「だあぁうあ」(なんだ、これ)

「あなたは魔族、たくさんの種族に忌み嫌われる存在よ。その曲がった角は魔族の象徴なの」


魔族と言えば、ゲームなどでもよ敵として登場する種族だ。つまり、俺がなりたいヒーローとは1番遠い所にある存在だった。

でも急にそんな事言われたって、、じゃあ俺もしかして嫌われているからすてられるのか?

それに魔族とか居る世界って、もしかして


「まぁ、だからと言って私はあなたを捨てたりなんてしませんから安心してね?あなたは今日から私が責任を持って育てるわ!」


その一言で俺は救われた。こんなよくわからない世界で捨てられなんてしたら間違いなく死んでいただろう。

この女性は今日から俺の育て親になってくれる様だ。

もうこの人には頭上がらない気がする。


「私はエルサ、エルフよ」


エルフ?ってのもよくゲームとかで出てくる、、

ということはやっぱりここはファンタジーとかで出てくる異世界と呼ばれる場所なのだろうか?


「うーん。あなたの名前はー」


そんなことを考えている俺をよそに、エルサは俺の名前を考えて居る様だ。

そして思いついたように言った。


「あなたの名前はグレンよ!」

「……はぁう?」


俺が頭を傾げると、エルサは


「昔東方の国に旅に言った時に、赤のことを紅蓮ぐれんと言うって聞いたことがあるの!あなたはとても綺麗な赤い髪をしているわ!だからグレン!どう?いいでしょ?」


そう綺麗な顔をドヤ顔にして言ってくる彼女に対して、


(なんか違う気がする)


とは思いつつも、俺は笑顔で笑い返した。


「気に入ってくれたみたいで良かったわ」


そうしてエルサと俺の生活が始まることになる。



その頃、帝国の王の元に男の子供が産まれた。


「王様、男の子が産まれました、!」

「ああ、世継ぎはこれで安心の様だ」

「しかし、奥様が、」

「死んだか、」

「はい……」

「そうか、しかし世継ぎを産んでくれた。あんな女でも役に立ったな」

「は、はい…」

「息子の名前はゼノだ。後はお前に任せる。息子を頼むぞ、私は仕事がある」

「はい…承知しました……」


そして王が部屋を出ていった後で、


「王様は変わってしまわれた、奥様が亡くなったと言うのに、顔色一つ変えないだなんて…」


王の息子、ゼノを抱く侍従はそう呟き手元を見た。手の中には新しい命が静かに眠っていた。


「ゼノ様、私は貴方様を奥様に変えて守って見せます」


ゼノをベットに戻して侍従は部屋を出ていった。

侍従が出ていった後で、その赤ん坊は目を見開いた。


あぁ〜楽しみだなぁ


ソレはそんなことを考えながら不敵な笑みを浮かべるのであった。



グレンとゼノ。

2人の運命が交わるのはそう遠くない。



ありがとうございました。

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